”一夜飾りを嫌った雛は 娘の春まで遠ざける”
”待てどくらせど届かぬ春に やきもきしている彼岸花”
”しがん(此岸)出ずれば三途の川を 無事に渡ってとうひがん(到彼岸)
”手折りしたいとおみなの花を うっとり見惚れるおとこえし”
”かたい蕾をこじ開けながら 明日の出番を待つ桜”
”永い眠りを目覚めた桜 やおら化粧にとりかかる”
”つぼみ膨らめ早くに咲けと 急かす夕べの雨の音”
”春の訪れ遅くてならぬ 迎え出したら戻り雪”
”そっと愛よぶ二人の春を 雪の悋気が遅らせる”
以上 蔵出し吟より
今日は年度末
”〆て損得秤にかけて 喜怒哀楽の大福帳
◆都々逸について◆
都々逸とは、26文字を使った短詩です。江戸期に興った俗曲で、その歌詞は「七七七五」の律です。また各節の七字の構成に以下のような決まりがあります。
始めの七は「上句」で【3+4】又は(4+4)
次の七は 「中句」で【4+3】又は(2+5)
次の七は 「下句」で【3+4】又は(4+4)
最後の五は「五座」と言い、締めくくりです。
○俺のおまえの(3+4) 小じわの数は(4+3) あの日その時(3+4) 刻んでる(5)
・以上のような手順で皆さんも唸ってみませんか・・・