先日、たまたま乗った市バスで、ある車内吊り広告に目がとまりました。
<聴覚障害者を職場でサポートするICT活用>みたいな内容の、講演会チラシでした。
おお!と思い、その場でスマホから参加申し込みをしました。
おとといの日曜日、少しワクワクしながら講演会に出かけていきました。
会場は家から自転車で15分くらいのところです。
会場には30人くらい集まっていましたが、半分は主催者側のスタッフで、あとの半分が聴衆(?)でした。
30分ずつの講演が3つあり、3つとも手話で行われました。
かたわらの手話通訳者がそれを音声翻訳し、その音声がただちに文字化されて正面スクリーンに映し出されます。
最後の部分(音声の文字化)は、ドラマ「silent」にも登場したテクニックで、UDトークというものらしいです。
UDトークを始めとして、いまは、聴覚障害者をサポートするさまざまな職場ICTがあるようです。(リレー電話とか)
わたしが聞きたかったのはその部分の詳しい説明だったのですが、講演テーマはちょっと違っていました。
「ICTサポートがあってもなお存在する困難について」という感じでした。
(ちなみに、ICTとはinformation & communication technology の頭文字で「情報通信技術」と邦訳されるようです。)
たとえば、
UDトーク技術のおかげで、相手の発言はすぐ読んで理解できるけれど、こちらの発信が手間取りすぎる。(キーボード入力)
手話を読み取って文字変換してくれる技術が開発されないかなあ、とか。
なるほど。
または、
聴覚障害者は文字を使うコミュニケーションに慣れていないので、画面上に長い文章が切れ目なくつづくとついていかれない。
これについては、わたしも各所で読んだことがあります。
手話という言語体系(文字を持たない)にどっぷり依存するあまり、日本語の習熟(とくに文章力)がやや遅れてしまうと。
3つの講演のあとは、小グループにわかれてざっくばらんなフリートークの時間でした。
自己紹介の場面で
*2歳の孫が難聴であること
*ドラマ「silent」で音声文字変換の技術に感銘を受けたこと
などを話しました。
場違いな参加者なのに、温かい拍手が起こってうれしかったです。
(ちなみに、聴覚障害者の拍手は「手をひらひらさせること」です。)
3時間の長丁場、老いの身にはこたえたけれど、まあ行って良かったです。
いろいろなところにアンテナを張って、少しでも有用な情報を得ること。
マメのために、このスタンスをキープしていきたいです。