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友人からプラモデルの作り方を頼まれて、ちょうど依頼品があったので3日で作れるモデリングということで説明していこうと思います。
こちらはレベル/エッシーのキットで、古い80年代のキットに新しいデカールを組み合わせた再販品です。
エッシーは昔作りましたが、レベル箱になってパーツ(ボディ)のゆがみが少なく作りやすそうですね。
その1 ボディの下ごしらえ
ボディからランナーを切り取るとき、はさみを使うと余計な力がボディにかかりません。
さらに残った部分はカッターでこそげとるように切り取ります。
パーティングラインと呼ばれる段差は、ナイフややすりで平らにしておきます。
ひけと呼ばれるへこみは、ダイソーのハケ塗り瞬着を盛ったあと、タミヤの硬化促進剤をさらっと流して固めてから、カッターややすりで平にしておきましょう。
このエッシーのBMW乗りやボディの下半分は別パーツなので、切断面を整えてボディに流し込み接着剤で接着します。
ボディ後部の横の接着面は段差が実車にもあるので、やすりで平らにしないようにします。
リヤウィングの支柱もこの段階でボディに流し込み接着剤で貼付けておきます。
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その2 ボディ塗装編
やすりで段差を消したボディはそのままボディ色を吹くと色がはじいたり透けたりするので、まずは裏側にグレーサーフェイサー(1000番程度のクレオスの缶スプレー)を吹きます。このときにボディの下向きの面にグレーがつかないようにマスキングテープを貼っておきました。
マスキングテープは3Mの幅広3センチタイプを常備しています。
さらに、マスキングテープをはがしてから、ボディ表面に白サーフェイサー(クレオスのホワイトサーフェイサーの缶スプレー)がしっとりするように吹き、艶がなくなるまで乾燥させます。
さらに、ボディとボンネット別々にして、ボンネットの裏にグレーサフとオレンジを吹いておき、それぞれにタミヤのオレンジの缶スプレーをまんべんなく色が乗る程度に吹いておきます。
このとき、ボンネットに隠れる部分は仕上げの感じでしっとりするように吹いておきます。
この塗装がしっかりと乾いてから(Zライトで30分程度乾燥)ボディにボンネットをマスキングテープでとめ、一体化したボディを瓶にクッション付き両面テープで貼付けてタミヤのオレンジのスプレーをしっとりするまでぬり重ねます。
このとき一つ一つの面が仕上がるように順番に吹いていき、最後にボンネットやルーフで終わるように回しながら吹き上げていきます。
最後の状態でも全体がしっとりと濡れているようにします。
この暑い時期は湿気でボディがつや消しになるので、よく部屋の中をクーラーで冷やして、窓の外で吹いたボディをすぐ部屋の中で乾燥させます。
ボディカラーが乾いてから、デカール前に全体にクリヤーを吹いておきました。クレオスの缶のクリヤーです。
クレオスの缶クリヤーを厚塗りするとタミヤカラーのスプレーは溶けるので、厚塗りし過ぎないよう回数を分けてぬり重ねます。
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その3 デカールとクリヤーコート
キットに楽しいデカール貼りをしていきます。デカールは使う分だけ切り出して1カ所ずつ貼付けていきます。
水に紙をいれっぱなしにせず、いれたらすぐ引き上げて、紙を反対側に丸めたりするとすぐ台紙からデカールがはがれやすくなります。そこで手やカッター、ピンセットでスライドさせてボディ上に貼り付け水をつけながら移動させて所定の位置に来たらティッシュや綿棒で抑えます。このとき、Zライトで熱をくわえてデカールに癖がつきやすくすると密着しやすくなります。この際デカールののり成分をマークソフターやセッターなどで足すとあとでクリヤー塗装したときにむらになるトラブルが出やすいので、デカールの糊を足した時は、デカールが乾いてからよく筆に水をつける等して洗い流す方が良いでしょう。
デカールの中に空気が入らないように密着させたら、僕はわりと早くクリヤーを吹いてしまいます。
クレオスの缶クリヤーをまずはざらざらになるくらいにぱらっと吹き重ね、3周ほど吹き重ねてクリヤーの膜を作ってから、表面がしっとりするくらいまでクリヤーを吹いてきます。
この時も、一カ所ずつ部分部分でクリヤーが仕上がるように、ボディの面ごとにクリヤーの膜を作りボディを一周させ、最後にルーフやボンネットでクリヤーを吹き終わるようにします。一カ所に厚く吹きすぎるとクリヤーが垂れるので、よく表面を見て膜が張ってとろっとなったなと思ったら次の面へ移動するようにしましょう。シュシュッと短く吹き重ねるのがこつです。
ここでまたZライトで1時間くらい乾燥させたら、ボディにペーパーはあてずにタミヤの赤キャップのコンパウンドと柔らかめの布で気になる部分(今回はルーフとボンネット)だけ磨き上げました。今回入り組んだ部分等は厚めにクリヤーを吹いておいたので、よく目立つ部分だけ磨くとそれなりに見えてきます。
ここまで、下ごしらえから3時間程度。
ここまでやっておけばあとはボディをさわらないように一晩自然乾燥させておきます。
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ここまでが昨晩の3時間工作ですね。
その4 ボディの仕上げ
この段階でボディを仕上げておきます。
墨入れはタミヤの墨入れ塗料を流します。今回はボンネットのスリットに黒を流してはみだしたところはエナメルと綿棒で拭き取りました。墨入れ塗料は黒や茶色がオススメ。スジボリに流す場合は茶色も良いです。今回スジボリには流しておりません。
フロントスポイラーのシルバー部分やボンネットのキャッチなどはペイントマーカーの中身をだして(今回は塗料のふたに)面相筆ですくって塗っていきます。
黒い窓枠も面相筆でタミヤのアクリル塗料を筆の腹を使う感じですっと引いていきます。
アクリル塗料は指についてボディを汚してもコンパウンドで拭き取れるし、窓枠がはみだしても指の腹や爪でこすりとれるので失敗がありません。
ドアノブ等も筆塗りで。面相で上から載せる感じで描いていくといいでしょう。
窓枠のシルバー部分はペイントマーカーと中身の筆塗りの併用です。ボディ側にはみださないようにして、黒い部分はまたあとからタッチアップしています。
失敗してもリカバリー出来る、ボディを汚さない簡単な方法をいつもとっています。
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その5 ウィンドウの取り付け
最近はこの段階でウィンドウをいれてしまいます。
使う接着剤は、はみだしても爪でとれるセメダインハイグレード模型用接着剤。接着時間がかかるので指で押さえたりしますが、かなりがっちりとくっつきます。昔はよくGクリヤーでつけていましたが、いつまでもネバネバして時間が経つと外れたりするので最近は小物の接着もこのハイグレード模型用が多いです。
ウィンドウをつけたあとで、はちまきデカールを裏側から貼付けます。その際、デカール表面にタミヤのデカールのりを足してから密着させて、裏から綿棒やティッシュ等で抑えて浮きが無いようにしておきます。
このあとは、しばらくボディをさわらないようにしておきましょう。
ここまで窓枠から始めて、朝の2時間ほどの工作です。
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昨日の夕方から始めて、今日の午前中まででボディがほぼ完成です。
今回はエンジン付きのキットですが。3日程度で作れるような作り方をご紹介していきます。
クルマのプラモデルは難しく考えられすぎて、初心者が入ってきづらくなっているようです。
今回は出戻りの方も含めて、もっと手軽に作ってみようと言うのをやってみたいです。
とくに塗装は最初は失敗してもこつを掴むしかありません。何度もシュッシュッと短く、色がしっかりと一つの面に載るように吹くと言うこと。
色をしっかり載せることと艶をしっかり出すことは別工程と思っても良いですね。
まずは缶スプレーで、どこか外に面したところで吹いてみることをお勧めします。
今は苦情が来るのでスプレーを使いづらい人も多いようですね。
塗料やタッチアップ、使う接着剤等、どんどん良いものがでているのでご紹介したいです。いかに汚さないか、リカバリー出来るかというところが重要なんです。
今日はこれから銀座のクロッキー会へ行ってきますね。
明日22日の土曜日は、フィアットカフェ松濤の水彩画デモンストレーション。
11時から5時頃までフィアットカフェ松濤にいますので、どんどんプラモデルの作り方も聞いてくださいね。