2011年11月18日(金) グランドフィナーレ
冷麺で空腹を満たし、市内北部海岸より亀川地区をターゲットに、湯めぐり後半戦はスタートしました。JR亀川駅西口のJR直営駐車場に車を停め徒歩で街中温泉を巡ります。
第5湯 浜田温泉 ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(塩化物泉) 100円
道路を挟んで双子の様に似た木造の立派な建物が対峙しています。最初入ろうとした西側の建物が旧浜田温泉だと知ったのは、中で詰 めている観光ボランティア?の方の解説で知りました。新しい施設完成時に取り壊されるはずだった、旧温泉でしたが、篤志家からの寄付もあり歴史的建造物を残そうと言う事になり当地で保存されています。ポンプの無かった時代、湧きあがった湯を溜めておくには半地下式が好都合であった事がよくわかります。また地下に蒸し風呂の設備があったこと等、昔の浴場の構造がよくわかります。旧二条駅や大社駅に通じる建物でミニ温泉博物館とも言える旧温泉を見学した後、現在の浜田温泉に入ります。平成14年4月オープンした、一見旧の建物とそっくりな和風造平屋建ですが実は鉄筋コンクリート造り。よくある復元天守閣と同じです。とは言え、使う側から見れば段差のないバリアフリーの現行建物の方が良いでしょうから、一見さんがとやかく言う事は何もありません。かけ流しの湯も高品質。とは言え、ここで本日5湯目となり、湯に入るのが少し苦痛になってきました。未だこれからと言うのに・・・・。
第6湯 亀陽泉 100円 塩化物泉
JRの踏切を渡り少し山側の通りに入ります。温泉は、散髪屋さんなんかが入ったビルの一角を占めています。時代ががった建物です。中は広く、タイル張りの湯船に熱い湯が満々と満たされています。6湯目となり、さすがに湯疲れか・・・。
第7湯 四の湯
この温泉を見つけるのが大変でした。雨が激しく地図は開けない。携帯電話の地図ソフトもうまく作動しない。外国人から道を尋ねられ、しどろもどろになる。こっちが聞きたいのに・・・。相当行き過ぎてから、その事に気がつき、ずぶ濡れになりながらたどり着きました。小さな公園の向こうに建っている昔の国鉄の駅舎のような温泉を見つけた時には、心の中でガッツポーズ状態でした。冷えた身体を熱いお湯で温めます。長い間、雨に打たれたので7湯目ではありましたが、今回は温泉に救われました。
温泉を出ると、もうあたりは闇が迫って来ています。雨も止みそうにありません。これ以上の徒歩での温泉探訪は困難と判断し車に戻ります。
とり天 を食べに行く<道々の輩>
別府名物<冷麺>と双璧を成すのが、とり天。どこに行こうか迷いましたが別府八湯温泉道名人のガイド本に掲載されていた店に行ってみます。市役所近くにある<道々の輩>は分りやすい場所とは言えませんがカーナビのおかげでたどり着けました。普通の民家に手を加えた民芸風の手作り感いっぱいの店です。ひとり客の私でしたがテーブル席に案内してくれます。おひとり様は、店ががらがらでもカウンター席をあてがわれるのに内心辟易していましたので、その配慮が嬉しかった・・・・。さっそくメニューをひろげ<とり天>の名前を探します・・・。無い・・・。どうやら夜の時間帯はアルコールタイムの様でお昼のランチメニューとは違うのでしょう。仕方ないので「ごはんものは頼めますか?」と聞いたところ何種類か提案されました。そこで失意の中で<ピリカラチャーハン>を注文。その頃には<もうどうでも良いわ!>という気持ちでしたが、やがて出された<ピリカラチャーハン>が予想外の出来で、気分はがらりと変わりました。隣のテーブルに後から来たグループがアルコールーと一品料理を注文し始めます。すると<とり天の香味あげ>を注文したではないですか。メニューをよくよく見なおすと、隅に小さな文字で<とり天の香味あげ>の文字が・・・・。何故気がつかなかったのだろう・・・。遅くなりましたが追加で注文します。<ピリカラチャーハン>を食べ終わった頃それはやってきました。今年、食べたチキン料理で一番美味かった・・・・・。香味のついた野菜と揚げた柔らかいもも肉は私的には絶品です。残念なのは本日はビールを飲めないこと・・・。いずれ徒歩で来たい・・・・。その時は夜遅くまで飲み続けたいものです。
第8湯目でグランドフィナーレ 芝居の湯 260円 単純泉
お腹も膨れ、少し気力も戻ってきました。当初、今日は温泉10湯入浴<最低でも8湯!>と今から思うと無謀な目標を立てましたが、あと一つ入って最低目標ぐらいはクリアしようと思います。やってきたのは、さきほどの<道々の輩>からほど近い<芝居の湯>。別府市コミュニティセンター内にある温泉施設です。市営温泉とは言え立派(だからか・・・)、かつ上品なつくりです。お湯は堀田温泉からの引湯ですが、泉質は良好です。身体が芯から温まります。旅の最後にふさわしい贅沢な時間を過ごさせていただきました。
9時過ぎに別府を出発。高速を南下し佐賀関に出て、フェリーで三崎まで渡ります。そこから自宅まで陸路でひたすら走り続けます。四国の道は車が少ない・・・。
結局、自宅へたどり着いたのが翌朝4時。そして今回の2泊3日?の行程での走行距離は1498.8㌔となりました。ひとりで運転することに、非常に疲れました。貴重な休暇の過ごし方としてベストであったのかは、判断に迷いますが、楽しかった・・・・。<それで、いいのだ!>とバカボンのパパの様に呟いて見ます。
2011年11月18日(金)
翌朝は雨。しかも本降り。こんな日はまったりと過ごすに限ります。遅い目に起きて、遅めの朝食をとって、出発します。車を別府に向け、温泉三昧の一日にします。今日は、温泉10湯入浴<最低でも8湯!>と強気な目標を立てます。私は2009年、ブルトレ富士廃止直前に別府を訪問した際<別府八湯表泉家>のスタンプ帳を入手し、少しづつ温泉を巡る様になりました。それ以前より、温泉巡りはしていましたが、入湯数を意識しだしたのは、これがきっかけです。以後、別府を訪問する度、スタンプのある温泉を回っています。が、悔しい事に、後から参加した知人に追い抜かれ、私は遥か後方に置いて行かれました。私も道は遠くとも「別府八湯温泉道名人」の称号を目指して、ゴールの88湯入浴までがんばります。現在28湯で段位は3段!
11時前に別府市内に到着。天候市内の標高の高い地区は霧がかかり、市街地では湯けむりが地面を這っています。相当に視界が悪く、テンションは下がり気味ですが、入湯先数を稼ごうと思います。
別府ICから少し下りたところにあります。平成15年オープンした市営温泉で内湯の他に庭園風露天風呂があり楽しめます。湯の華たっぷりの熱い湯に浸かると、それだけで幸せな気分になれます。ただ本日の露天風呂は、大粒の雨が顔にあたり、あまり気分の良い入浴とは言えません。入浴後に、立派な休憩室で休みたい気分でしたが、先を急ぎます。
別の温泉を目指してていたら道に迷い、気が付けば目の前にあったのが丘の湯温泉。まさに薬師如来のお導きでしょうか・・・。小さな建物に小さな浴室。でも小さな木製の湯船に身を横たえて、何も考えない時間を過ごします・・・・。
第3湯 神丘温泉 泥湯?100円
丘の湯の隣に商店があります。昔、各地の街角にあった万屋といった雰囲気です。良く見ると<泥湯>との表示が・・・。この中に温泉があると言うのか?半信半疑で中に入ると、商店内で靴を脱いで室内に入れとの指示?ますます怪しい・・・・。カーテンで仕切っただけの脱衣所廊下に古い別府駅発着の時刻表が貼ってありました。その中ではブルートレイイン富士はもちろん2005年に廃止された彗星の時刻も掲載されています。少し昔にタイムトラベル・・・。階段を下り、半地下状態の薄暗い浴槽に身をゆだねていると、もっと昔の昭和に迷い込んでしまった様な感覚に囚われます。お湯がねっとり君で、底に沈殿物が少しあったので<ここの泥湯は、こんなものか・・・・>と思っていましたが、男湯、女湯とある普通のお風呂(私が入った湯船)の他に貸し切りのお風呂があって、そこがホントの泥湯だと家に帰って知りました。悔しい・・・・。でもさらに調べてみると2008年に泥湯が枯渇したため泥湯の浴槽が廃止になったとの記述があり、真偽を確かめるべく、この不思議な温泉に、もう一度行く楽しみが出来ました。
第4湯 照湯温泉 200円 硫黄泉
昔、来たことのある温泉です。スタンプを押すという邪?な目的もありますが、ここの雰囲気が気に入った事も再訪の動機です。森藩の御殿様が利用していた温泉だそうです。熱い硫黄泉に身をゆだねて殿様気分に浸ろうとしますが、高貴さが身に付いていないのでガサツな入浴になってしまった様な・・・
温泉ばかり入っていると、お腹も空いて来ます。ここは別府名物<冷麺>をいただきます。胡月とお店にやってきました。(別府駅近くに同じ名前で餃子店がありますが、別のお店です)<冷麺>をはじめていただいた感想は。<うーむ。麺にものすごいコシが・・・・。堅い・・・・。私の軟弱な胃で消化出来るのだろうか。>いろいろ心配しましたが、消化は良かった様で、杞憂に終わりました。これはいける。
お腹も膨れた事ですし、湯めぐり後半戦を開始します・・・・。
2011年11月17日(木) 午後の部
俵山温泉で一息ついた後、中国道に入り一路九州へ向かいます。思えば、2週間程前にも九州に行って来たところです。今年4度目の九州上陸となりますが、今年はかの地で赤い電気機関車を撮影していません。この機会を利用して少しの時間ですがチャレンジしてみる事にします。が、お昼ごろまでの好天が嘘だったように、空は厚い雲に覆われています。撮影には厳しい状況に近づいています。関門橋を渡り、九州へ足を踏み入れます。撮影ポイントは、昨年来た事がある鹿児島本線/遠賀川-海老津の千代丸踏切です。前回は海老津駅から歩いて行きました。実際 は遠賀川駅の方が近かったのですが・・・・。その時は休日でしたので、先着の同業者3名ほどが良いポジションを独占して、私はその外側から撮影する悲惨な状態でした。平日の今日は予想通り同業者の姿は無く、この踏切を独占できます。とは言え、時刻は午後3時になろうとしています。11月というただでさえ陽が短いこの時期に、今にも雨が降りそうな天気です。暗すぎます・・・。光が足りません・・・・。昨日は強い光に悩ませられましたが、一転今日は光を欲しています。おまけに来る列車はスピードが速く、生半端なシャッタースピードでは止まってくれません。
金太郎ことEH500を見届けた後、海老津駅方面へ移動します。お立ち台通信にある海老津東方1.2キロに位置する、線路北側にある住宅地「高陽団地」の線路沿いの道路から狙います。が,大きな誤算が・・・。住宅地に買われてている犬が、カメラをぶら下げた怪しい男(私)を吠えること、甚だしい。一匹が吠え始めると、近所の犬も釣られて一斉に吠え始めます。犬の苦手な人間にとっては実に居心地が悪い。鎖に繋がれているから大丈夫と思っていても気分のいいものではありません(住民の方にも迷惑を掛けてしまいますから)。
幸いなことに?北九州方面からEF81に牽かれたコンテナ列車がやってきます。写真の出来はともかく、1時間程の間に3種類の機関車を撮影出来ました。あたりはすでに薄暗くなってきています。もう、ここらで潮時です。何時までも吠え続ける忠犬たちに別れを告げ、大分県を目指します。
北九州市を通って、未だ高速道路が未整備な豊前地方を南下し、山守川を越え大分県に入ります。中津市へは2月に立ち寄って以来です。在住の知人の姿が浮かびますが、平日に突然訪問する訳にもいきません。ひとり市内でラーメンをいただきます。
この日は、中津で1泊。ホテルに入るなり、服を着たまま就寝・・・。それからの事は、何も覚えていません
2011年11月17日(木) お昼ごろ
DD51の単機回送を見送り、このまま山陽線沿線に出て貨物列車を撮影しようかとも思いました。が昨日からの強行軍で疲れが溜まっています。昨日に引き続き本日も温泉で心と身体を休めることにします。温泉に何度も入浴する自分のスタイルが健康的なのかは、疑問がありますが・・・。
前から行きたかった俵山温泉に進路を定めます。湯治場のスタイルを現代に残す温泉で、ほとんどの旅館には内湯はなく、湯治客が共同浴場に通います。湯治場としての規模は日本屈指と言えます。pH9.8とアルカリ度がかなり高い、微量のマンガンを含んだアルカリ性単純泉で、リウマチ効く名湯として知られています。嬉しい事に共同浴場の湯は加水なしのかけ流しで自噴しているそうです。現在昔ながらの共同浴場は<町の湯>1軒となっています。それに、最近出来た観光客向けの大型浴場のある<白猿の湯>の2件がこの温泉の外湯として、温泉で身体を癒す老若男女を受け入れています。まずは、大きくて新しい、如何にも観光客御用達といった<白猿の湯>に入ってみます。
入口付近には飲料所が設けてあり、嬉しくなります。結構名のある温泉でも保健所の許可の関係で飲用させない所が多いので、この温泉の湯治に対する真剣さと効能が伊達でない事が伝わって来 ます。とは言え、<白猿の湯>の入浴料700円は少し高いかなと思いました。が、価格差で湯治客と観光客との棲み分けが出来ている訳で、この時間でも<町の湯>はお客でいっぱいでした(後で確認)。少しくらい高くても、この時の自分にとっては幸いでした。と言うのも、大きな施設をほとんど独り占めに出来たのですから。平日のお昼前は、この施設にとってエアポケットの様なものだったのでしょう。大きな露天風呂に寝そべって(実際ペット湯と呼んでいるようです)、流れる雲を眺めていると、時間の経つのを忘れてしまいます。あまりに気持ち良すぎて、本当に寝てしまいました・・・・。温泉の効果もあったのでしょう・・・。かなり気力・体力が回復してきました。この勢いを駆って、<町の湯>にも入る事にします。
ここは、全国の温泉地によくある共同浴場のスタイルです。値段も340円とリーズナブル。私が愛してやまないスタイルですが、喫茶スペースがあったりして地域の社交場ともなっています。先ほどの温泉と違い、結構込み合っています。脱衣所で服を脱ぎ始めると、浴室の先客達が騒いでいます。やがて、施設のスタッフが中に入り何か調べています。そんなことにかまわずに、裸になって浴室に入ろうとした時、スタッフに呼びとめられます。機関銃の様な早口の方言なので良く聞き取りませんが<技術的問題が起きて、今から2つある浴槽の1つのお湯を抜くので、入らないでくれ。今まで入っていた人は、ランクの高い<白猿の湯>に入れる様にするから>との事の様です。他のお客さんは施設がグレードアップするので、指示に従っています。が、私は、今そこに行ってきたところなので、この指示には従う訳にはいきません。結局1度脱いだ服を、もう一度着て、料金を払い戻してもらい、入りたかった<町の湯>を出ました。<こんなことなら、入る順番を逆にすればよかった・・・。>といった後悔の念が湧いて来ました。でも考えてみれば、<今まであの大きな施設をひとり占めに出来たんだから、これで良かったんだ>という考えに落ち付きました。温泉は考え方までプラス志向に変えてくれるようです。恐るべし、俵山温泉。
俵山温泉には、古き日本の温泉文化が生きています。