2015年10月24(土)
朝一番の大仕事であった583系天理臨撮影も無事終えて、気分を良くして次のターゲットである、引退まで一週間を切った<国鉄色381系>撮影に向かいます。今からだと、山陰線京都近郊区間の<はしだて>は14時頃まで新型しか走っていないようで、撮影効率が良くないようで、大阪口福知山線の方が<国鉄色381系>撮影の効率が良いようです。新快速で大阪方面に向かいます。途中、向日町で先ほど撮影した583系が留置されているのを見て、『お金を払ってでも良いから、撮影させて・・・』と思ったりします。とりあえず塚本まで行き、下りホーム端から通過直前の<こうのとり12号>を撮影。慌てて撮影したためイマイチ感満載の出来でしたが、予定ではこの後場所を変え数カット撮影するつもりでしたので、その時は失望感はありませんでした。
塚本から尼崎に出て福知山線各停で三田方面に移動します。途中、川西池田で長時間停車します。宝塚行き快速と<こうのとり11号>の2本に抜かれる為です。宝塚より先に進むので、宝塚行き快速に乗り換えるのは無意味な事ではあることは分かっているのですが、ひと駅でも早く進みたいという子供じみた気持ちがあり、後から来た快速3761Mに飛び乗ってしまいました。ここが今日の運命の分岐点になりました。鉄道愛好家の常?で1両目の運転席近くに乗り込み、前面展望を楽しみます。列車は、何事もなく軽快に走ります。次の中山寺を発車して、これから徐々にスピードを上げていくと感じた瞬間<ガクッ!>という機械音ご響くと次の瞬間電車は止まってしまいました。電車はまだホームにかかっていましたので、<駆け込み乗車の客を乗せるため停車したのかな?>と思いましたが、それにしては扉が開く気配はありません。運転士はこれ以上無い位の真剣な表情で、モニターをチェックしたり、いろんなスイッチをオンオフして復旧に努めています。すぐに無線で指令に指示を仰ぎます。「圧力が無くなった・・・」という言葉が聞き取れます。これは電圧の事か、空気圧の事か鉄道に詳しくない私には良く分かりませんが、ともかく重症だと言う事は伝わって来ます。一旦パンタグラフの下げ、上げをして電気系統の再起動を行ったようですが、何も変わりません。自力での復旧を諦め、お客を外に出して救援を待つ事になりました。中山寺駅ホームには、突然の出来ごとに戸惑う乗客たちが放り出された格好になりました。<うわー、予定が狂うた!><あと、ひと駅で終点なのに、情けない。根性ださんか・・>等、口々に呟いています。が、根性で電車が走る訳でなく電車は下りホームで鎮座したまま、時間だけ経過していきます。故障した223系6000番台は比較的新しい電車で、ポンコツ(失礼)が多いJR西日本でも見た目が綺麗で信頼出来る車両に見えるのですが、昔の車両のように現場で応急処置して走らせる事は出来ないようです。停車した電車の前方踏切は、ずっと警報音が鳴り続け、付近の交通を遮断しています。事情を知らない多くの車や人が長時間待たされ、やがて事故と悟り散っていく光景が繰り返され、遠くから見ていて気の毒に思います。
しばらくして、次の内容のが流れます。<この電車はここで運転を打ち切ります。後続車両に、この電車を牽引(実際は推進)してもらい新三田の車庫まで行ってもらいます。お客様は後続の普通電車で目的地に行っていただきます。ただ今阪急電車で振替輸送を行っていますので中山観音駅まで歩いて行って下さい。尚、反対方向の普通電車も、この電車が線路をふさいでいるため、この先の駅で電車が折り返せない為、今後運転出来なくなります。>との内容の衝撃的な情報でした。この時点で動いていた反対方向の電車に乗れば大阪方面で国鉄色ではない<381系くろしお>撮影をする事ができたでしょうが、その決断が出来ませんでした。この故障車両をどう処理するかに興味を持ったからです。
職員の方が、救援車受け入れ準備に掛かります。連結器のカバーを開け、電気連結器が露わになります。
反対方面への普通列車は来なくなりましたが、特急列車はやって来ます。私が撮影予定の国鉄色381系も無情にも目前を通過していきます。思わず涙目になります。
大阪方遠方には、救援車両となる電車が来て、待機しています。
職員さんが旗を振り、救援車をゆっくりと誘導します。
救援に駆け付けたのは、川西池田で先ほどまで私が乗車していた普通電車を抜いてきた287系<こうのとり11号>です。
<こうのとり11号>の後ろには、先ほどまで私が乗車していた普通電車が、いつ空くか分からないホーム手前までやって来て空しく待機しています。この状況を目撃し、故障で運転打ち切りに遭遇したものの、少なくとも車外に出られた自分の幸運に感謝します。もしあのまま普通電車に乗り続けたら、状況も分からず、そしてトイレにも行けず、ストレスフルな状態に追い込まれていました。ひと駅でも早く進みたいという子供じみた気持ちが、今回は私を救った結果となりました。
近隣から駆けつけた職員さん達により、<こうのとり11号>はゆっくりと故障車両に連結されます。ホームに残された乗客たちも、珍しげにその作業を眺めます。連結作業が終了し<こうのとり11号>のドアが開き、乗客たちが車外に出されます。この電車が出た後、後方で待機している普通電車で宝塚まで行き、そこから後続の<こうのとり>で目的地に行くように指示されていますが、それを聞いた乗客たちは一様に暗い表情をしています。
異形式連結は、想定はしている事態ではあっても、そうある事では無いので、ひとつづつ確認しながら作業を行います。運転の為の試験が一通り終われば、故障車を推進して、287系<にわか救援車>が223系6000番台を推進して新三田へ向かうのでしょう。ここまで見届けたところで、次の目的地に向かう事にします。この駅で1時間半以上時間を費やしました。381系国鉄色撮影がかなわず残念ではありますが、普段見れない復旧光景を目撃出来ました。とは言え<こうのとり11号>の乗客の皆さんや後続電車に取り残された方々の事を思うと、不謹慎な考えではあります。駅を出ると、ロータリーにある馬上の聖徳太子像が、こんな不純な心を見透かした様な表情で、冷たく私を見下ろしていました。
朝一番の大仕事であった583系天理臨撮影も無事終えて、気分を良くして次のターゲットである、引退まで一週間を切った<国鉄色381系>撮影に向かいます。今からだと、山陰線京都近郊区間の<はしだて>は14時頃まで新型しか走っていないようで、撮影効率が良くないようで、大阪口福知山線の方が<国鉄色381系>撮影の効率が良いようです。新快速で大阪方面に向かいます。途中、向日町で先ほど撮影した583系が留置されているのを見て、『お金を払ってでも良いから、撮影させて・・・』と思ったりします。とりあえず塚本まで行き、下りホーム端から通過直前の<こうのとり12号>を撮影。慌てて撮影したためイマイチ感満載の出来でしたが、予定ではこの後場所を変え数カット撮影するつもりでしたので、その時は失望感はありませんでした。
塚本から尼崎に出て福知山線各停で三田方面に移動します。途中、川西池田で長時間停車します。宝塚行き快速と<こうのとり11号>の2本に抜かれる為です。宝塚より先に進むので、宝塚行き快速に乗り換えるのは無意味な事ではあることは分かっているのですが、ひと駅でも早く進みたいという子供じみた気持ちがあり、後から来た快速3761Mに飛び乗ってしまいました。ここが今日の運命の分岐点になりました。鉄道愛好家の常?で1両目の運転席近くに乗り込み、前面展望を楽しみます。列車は、何事もなく軽快に走ります。次の中山寺を発車して、これから徐々にスピードを上げていくと感じた瞬間<ガクッ!>という機械音ご響くと次の瞬間電車は止まってしまいました。電車はまだホームにかかっていましたので、<駆け込み乗車の客を乗せるため停車したのかな?>と思いましたが、それにしては扉が開く気配はありません。運転士はこれ以上無い位の真剣な表情で、モニターをチェックしたり、いろんなスイッチをオンオフして復旧に努めています。すぐに無線で指令に指示を仰ぎます。「圧力が無くなった・・・」という言葉が聞き取れます。これは電圧の事か、空気圧の事か鉄道に詳しくない私には良く分かりませんが、ともかく重症だと言う事は伝わって来ます。一旦パンタグラフの下げ、上げをして電気系統の再起動を行ったようですが、何も変わりません。自力での復旧を諦め、お客を外に出して救援を待つ事になりました。中山寺駅ホームには、突然の出来ごとに戸惑う乗客たちが放り出された格好になりました。<うわー、予定が狂うた!><あと、ひと駅で終点なのに、情けない。根性ださんか・・>等、口々に呟いています。が、根性で電車が走る訳でなく電車は下りホームで鎮座したまま、時間だけ経過していきます。故障した223系6000番台は比較的新しい電車で、ポンコツ(失礼)が多いJR西日本でも見た目が綺麗で信頼出来る車両に見えるのですが、昔の車両のように現場で応急処置して走らせる事は出来ないようです。停車した電車の前方踏切は、ずっと警報音が鳴り続け、付近の交通を遮断しています。事情を知らない多くの車や人が長時間待たされ、やがて事故と悟り散っていく光景が繰り返され、遠くから見ていて気の毒に思います。
しばらくして、次の内容のが流れます。<この電車はここで運転を打ち切ります。後続車両に、この電車を牽引(実際は推進)してもらい新三田の車庫まで行ってもらいます。お客様は後続の普通電車で目的地に行っていただきます。ただ今阪急電車で振替輸送を行っていますので中山観音駅まで歩いて行って下さい。尚、反対方向の普通電車も、この電車が線路をふさいでいるため、この先の駅で電車が折り返せない為、今後運転出来なくなります。>との内容の衝撃的な情報でした。この時点で動いていた反対方向の電車に乗れば大阪方面で国鉄色ではない<381系くろしお>撮影をする事ができたでしょうが、その決断が出来ませんでした。この故障車両をどう処理するかに興味を持ったからです。
職員の方が、救援車受け入れ準備に掛かります。連結器のカバーを開け、電気連結器が露わになります。
反対方面への普通列車は来なくなりましたが、特急列車はやって来ます。私が撮影予定の国鉄色381系も無情にも目前を通過していきます。思わず涙目になります。
大阪方遠方には、救援車両となる電車が来て、待機しています。
職員さんが旗を振り、救援車をゆっくりと誘導します。
救援に駆け付けたのは、川西池田で先ほどまで私が乗車していた普通電車を抜いてきた287系<こうのとり11号>です。
<こうのとり11号>の後ろには、先ほどまで私が乗車していた普通電車が、いつ空くか分からないホーム手前までやって来て空しく待機しています。この状況を目撃し、故障で運転打ち切りに遭遇したものの、少なくとも車外に出られた自分の幸運に感謝します。もしあのまま普通電車に乗り続けたら、状況も分からず、そしてトイレにも行けず、ストレスフルな状態に追い込まれていました。ひと駅でも早く進みたいという子供じみた気持ちが、今回は私を救った結果となりました。
近隣から駆けつけた職員さん達により、<こうのとり11号>はゆっくりと故障車両に連結されます。ホームに残された乗客たちも、珍しげにその作業を眺めます。連結作業が終了し<こうのとり11号>のドアが開き、乗客たちが車外に出されます。この電車が出た後、後方で待機している普通電車で宝塚まで行き、そこから後続の<こうのとり>で目的地に行くように指示されていますが、それを聞いた乗客たちは一様に暗い表情をしています。
異形式連結は、想定はしている事態ではあっても、そうある事では無いので、ひとつづつ確認しながら作業を行います。運転の為の試験が一通り終われば、故障車を推進して、287系<にわか救援車>が223系6000番台を推進して新三田へ向かうのでしょう。ここまで見届けたところで、次の目的地に向かう事にします。この駅で1時間半以上時間を費やしました。381系国鉄色撮影がかなわず残念ではありますが、普段見れない復旧光景を目撃出来ました。とは言え<こうのとり11号>の乗客の皆さんや後続電車に取り残された方々の事を思うと、不謹慎な考えではあります。駅を出ると、ロータリーにある馬上の聖徳太子像が、こんな不純な心を見透かした様な表情で、冷たく私を見下ろしていました。
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