2011年11月17日(木) お昼ごろ
DD51の単機回送を見送り、このまま山陽線沿線に出て貨物列車を撮影しようかとも思いました。が昨日からの強行軍で疲れが溜まっています。昨日に引き続き本日も温泉で心と身体を休めることにします。温泉に何度も入浴する自分のスタイルが健康的なのかは、疑問がありますが・・・。
前から行きたかった俵山温泉に進路を定めます。湯治場のスタイルを現代に残す温泉で、ほとんどの旅館には内湯はなく、湯治客が共同浴場に通います。湯治場としての規模は日本屈指と言えます。pH9.8とアルカリ度がかなり高い、微量のマンガンを含んだアルカリ性単純泉で、リウマチ効く名湯として知られています。嬉しい事に共同浴場の湯は加水なしのかけ流しで自噴しているそうです。現在昔ながらの共同浴場は<町の湯>1軒となっています。それに、最近出来た観光客向けの大型浴場のある<白猿の湯>の2件がこの温泉の外湯として、温泉で身体を癒す老若男女を受け入れています。まずは、大きくて新しい、如何にも観光客御用達といった<白猿の湯>に入ってみます。
入口付近には飲料所が設けてあり、嬉しくなります。結構名のある温泉でも保健所の許可の関係で飲用させない所が多いので、この温泉の湯治に対する真剣さと効能が伊達でない事が伝わって来 ます。とは言え、<白猿の湯>の入浴料700円は少し高いかなと思いました。が、価格差で湯治客と観光客との棲み分けが出来ている訳で、この時間でも<町の湯>はお客でいっぱいでした(後で確認)。少しくらい高くても、この時の自分にとっては幸いでした。と言うのも、大きな施設をほとんど独り占めに出来たのですから。平日のお昼前は、この施設にとってエアポケットの様なものだったのでしょう。大きな露天風呂に寝そべって(実際ペット湯と呼んでいるようです)、流れる雲を眺めていると、時間の経つのを忘れてしまいます。あまりに気持ち良すぎて、本当に寝てしまいました・・・・。温泉の効果もあったのでしょう・・・。かなり気力・体力が回復してきました。この勢いを駆って、<町の湯>にも入る事にします。
ここは、全国の温泉地によくある共同浴場のスタイルです。値段も340円とリーズナブル。私が愛してやまないスタイルですが、喫茶スペースがあったりして地域の社交場ともなっています。先ほどの温泉と違い、結構込み合っています。脱衣所で服を脱ぎ始めると、浴室の先客達が騒いでいます。やがて、施設のスタッフが中に入り何か調べています。そんなことにかまわずに、裸になって浴室に入ろうとした時、スタッフに呼びとめられます。機関銃の様な早口の方言なので良く聞き取りませんが<技術的問題が起きて、今から2つある浴槽の1つのお湯を抜くので、入らないでくれ。今まで入っていた人は、ランクの高い<白猿の湯>に入れる様にするから>との事の様です。他のお客さんは施設がグレードアップするので、指示に従っています。が、私は、今そこに行ってきたところなので、この指示には従う訳にはいきません。結局1度脱いだ服を、もう一度着て、料金を払い戻してもらい、入りたかった<町の湯>を出ました。<こんなことなら、入る順番を逆にすればよかった・・・。>といった後悔の念が湧いて来ました。でも考えてみれば、<今まであの大きな施設をひとり占めに出来たんだから、これで良かったんだ>という考えに落ち付きました。温泉は考え方までプラス志向に変えてくれるようです。恐るべし、俵山温泉。
俵山温泉には、古き日本の温泉文化が生きています。