※2017年3月7日、さらにコーチサイドから判明した驚きの内容を、( )内に、太字で2か所、加筆しました。 ( )内以外は、昨年7月11日に書いた内容のままです。
既に1年前の内容なのでどうしようかと思いましたが、これでより全容が判ると思うので…
昨シーズンの世界選手権の舞台裏で起こっていたことを、羽生選手以外の関係者の人たちの証言からまとめました。
それぞれの情報を読むことのできない立場にいるファンの方たちのために、参考までに。
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(2016年7月11日 加筆を加えました)
「SPUR」(シュプール)という雑誌の8月号に、「スケートは人生だ!」というタイトルで、
ライターの宇都宮直子さんという方が、ボストンで行われた、世界選手権2016の時の、
羽生選手の真実について書かれておられました。
SPUR(シュプール) 2016年 08 月号 [雑誌] | |
集英社 | |
集英社 |
発売から一定期間が過ぎたので、そこに載っていた、決して羽生選手の口からは語られなかった本当の事情
(「蒼い炎Ⅱ」が出版されても、もちろんその中でも羽生選手からは触れられていない部分)
について、ちょっとだけ書いてみたいと思います。
そばで見ていて、事情を全て知っていた、城田監督の言葉と、その場で事情を知りながら見ていたライターさんの目線で、
羽生選手のショートからフリーまでの間のことが、詳細に描かれています。
ここで、このライターの宇都宮直子さんは、「「チーム羽生」にとって、銀メダルは負けに過ぎない。」とし、
羽生選手が勝てなかったことについて、「理由ははっきりしている。足の故障である。」と明言されています。
そして、このことは、試合中はごく少数の関係者しか知らされていない、秘密事項だったことが明かされています。
「蒼い炎Ⅱ」の中では、羽生選手本人が、世界選手権の会場入り前までの期間を、どんな状況でどう過ごしたのかが詳細に書かれており、それを読めば、その前からずっとこの怪我のことが秘密にされていたことが解ります。
記事によれば、あの見事だったショートの後、みるみる腫れ上がり、「すぐに冷やせばよかったのだけど、会見があって難しかった。大きな長靴に氷を入れて、会見の間も冷やしてあげればよかった」と、後になって城田監督が後悔するほどだったそうです。
そのような状況だったのなら、羽生選手のあのショート後の会見は、確かにとても立派だったと言えるでしょう。
本当に幸せそうだったし、大変な壁をひとまず乗り越えたという喜びで一杯で、なおかつ、フリーに向けて気を引き締めて頑張ろうという意欲が良く見て取れました。
しかし、あのショート後の数多くのインタビュー映像、特に最後の方のインタビューだったと推測される、Jsports のものを見た時に強く思ったことですが、最初のインタビューの頃の明るい様子と比べると、明らかに羽生選手の顔色が悪くなっていて、かなりの疲労の色が見え、いつまでもインタビューに応じるのが、いつになく辛そうに見えたのです。
正直、あの映像を見ていて、ちょっと気の毒に思った私ですが、詳しい足の事情が分かった今となっては、より一層、ますますそう思えました。
あの時の足の状況がそんなだったのなら、もっとインタビューをまとめてやってもらい、羽生選手を短時間で解放してあげればよかったのに、と、どうしても思えてしまいます。
その夜、足の腫れは一向に引かずに、羽生選手は夜通し苦しんで、朝になっても足はそのままだったそうです。
(※ 3月7日追加加筆 その1:
このショートの当日、公式練習の後、いったんホテルに戻ってマッサージを受け、本番に向けて予定時刻のバスでリンクに出発しようとしたとき、
荷物を取りに自室に戻った羽生選手の、部屋の鍵の調子がおかしくなって開かなくなり、何度もフロントと部屋を往復したために、会場に向かうバスに乗り遅れてしまったそうです。
本当は足の怪我を抱えただけでなく、こんなアクシデントに見舞われて、予定より会場到着も遅れた状態で、当日のショートの試合に臨んでいたということが判明しました。)
羽生選手は、「蒼い炎Ⅱ」の中でも、ショートからフリーまでの間は、「全然眠れなかった」と語っていますが、これは、足の腫れの痛みで苦しんだことがまずは一番の主原因で、興奮状態だったことに加え、さらに色々な思いが重なって、結果的には「精神がぐちゃぐちゃ」になっていったという、羽生選手の悲痛な言葉につながっていきます。
それは、「蒼い炎Ⅱ」の羽生選手の言葉によると、フリーの滑走順で「2番」を引いたときに、「あ、僕終わった」などと思ってしまうほど、羽生選手の心を打ち砕いてしまっていた、とーーーー。
ライターの宇都宮さんによれば、足を痛めて以降の羽生選手は、「靴を履いてしまえば、なんとかなる。」という言葉をよく言っていたそうです。
それはどういう状態かというと、城田さんの説明によると、
1: 痛む足に、無理やり靴を履く。 靴ひもをきつく締める。
2: 足がしびれるのを待つ。
3: 完全にしびれてしまうことで、「しびれてしまったから、もう大丈夫です。感覚がないので、痛くもありません。できます。」と、羽生選手が言いだす状態になる。
こんな状況で闘っていたのが、ボストン世界選手権の時の、羽生選手だったのだ、と。
私は、1月半ばからはずっと「羽生選手はかなりの怪我を抱えていて、隠している」と思っていましたし、(オープニングにも出られない異常事態と、演技から推測)同じように見ていたファンも、少なからずいたはずだと思います。
(私はこのブログの2月の記事の中のコメント欄に、2月当時の怪我の可能性についてちょっとだけ意図的に触れていますので、そこまで読んで下さっていた方の中には、当然気づいていた方もいらっしゃるはずだと思います)
また、世界選手権・公式練習での例の妨害事件でも、報じられた状況と、羽生選手の反応の様子を聞いて、怪我を悪化させられてしまったか、新たな怪我を負ってしまってやりきれない思いになったけど、それを周囲には明かせない辛い状況なのだろうと推測していました。
それだけに、あのショートは本当に凄かったと思っていましたけど、この記事を読むと、「私が想像していた以上に」もっと足は酷かったのだなと、よくわかりました。
ショート演技で、4回転と3回転のトウループだけのコンビネーション・ジャンプで、後続ジャンプがほんの一瞬遅れたのも、そのせいだったのでしょうし、それでもあれだけ完璧に決めて、よく耐えたな… と、ますます驚くほどです。
城田監督は、公式練習は休ませるべきだったのに、休ませる勇気を持てなかった自分の詰めの甘さに責任を感じているようです。
もし、(公式練習を)休ませていたら、羽生選手が勝っていただろうとも語られています。
ここについて私は個人的には、「休ませていたら、もっと良い演技になっただろう」は大いに同意しますけど、それでも優勝だったかどうかについては、ちょっとだけ懐疑的です。 理由は、今までさんざん書いてきたけど、結果的には、羽生選手は2位にならなければならない理由があったと見ているからです。
(陰謀うんぬんじゃありませんよ。 念のため。)
また、本当に世界選手権で優勝させたければ、年明けのアイスショー「ニューイヤー・オン・アイス」のチケット発売時に使われてしまった、
「凱旋公演!」なんていう、本来シーズンが終了してから使うべきであるような宣伝文句は、世界選手権が終わってもいない、まさにこれからの段階では、絶対につけてはならなかったのではないかと思っています。
(これはチーム羽生の責任ではないのだろうと思いますけど、日本側のスケート関係者や周辺マスコミの責任として。)
そんな宣伝の仕方をされたら、そのせいで羽生選手が急きょ休むことも絶対に出来なくなる立場に置き、責任を負わせたも同然ですし、終わってもいないシーズン中なのに、そういう扱いをすることは、まるで呪いのようにさえ見えてしまいます。
また、その年の王者を決める世界選手権の試合当日に、「王者のメソッド」なんていうタイトルで本を発売することも、実際に羽生選手は現・五輪王者なので王者でおかしくはないのだけれども、世界選手権の王者になるかどうかはまだ未定なのであって、プレッシャーを益々かけて逃げ場を一切なくすような事前宣伝になってしまうし、まるで結果が先に確定しているかにさえ見えてしまうから、ファンから見ても、正直、残念な気持ちになるものでした。
私は、羽生選手をものすごく高く評価しているけど、それでも、そんな私から見てさえも、これらのやり方は、せっかくの羽生選手の頑張りを逆に引き下げる悪しき要因になってしまっているようにしか思えなかったです。
たとえ正々堂々と勝っても、その時はその時で陰口を叩かれてしまうような誤解を与える立場に、ここまで自分の身体をかけて、本当に真剣に努力している羽生選手を、追いこむようなやり方の「商業主義」は、日本はすべきではないです。
たとえ羽生選手が強い気持ちで否定してくれたとしても、ファン目線から見て、少なくとも私にはそう思えていましたし、
同じ気持ちのファンは、他選手のファンの方々も含めて、きっと他にも沢山いたと思うので、一応、ここに表明しておきます。
せめて、アイスショーならばせめてあと3か月後、本ならば、結果が出てから1か月後ぐらいの発売だったらまだ良かったのに、と思います。
作戦や戦略以前の問題で、そもそも常識としてどうなのか、という問題に思えますので。
ちなみにこれは、ソチ五輪シーズンに、高橋大輔選手(当時)に起こったことと、全く同じような問題だと私は感じました。
あの時も、同じことを私は感じていたからです。
ソチ五輪シーズンの秋、高橋選手が出た何かのCMで、まだ日本からの五輪出場代表メンバーが誰になるかが決まってもいない段階で、五輪に出ることが決まっていることを前提にしたようなCMがテレビで流れたのを見た人、それを記憶している人は、多いでしょう。
私は、結果的には高橋さんが五輪に出る一人になるだろうと予想していましたけど、(羽生選手と高橋選手は、やはり世界選手権等、大舞台の本番で見せる精神的強さが、他の日本人選手たちよりも抜きんでていましたので)、
それでも、あのような「商業主義による、勝手な結論先取り」のようなことをすると、呪いのようになってしまうだけでなく、選手を必要以上に追い込んでしまうし、不正のような印象を与えて、いらない余計な反発をも買ってしまい、結果的には選手がとても気の毒になるように思えるのです。
選手たちに活躍してほしいなら、日本はそういうところを、もっと本気で注意すべきではないでしょうか。
話を元に戻します。
ライターの宇都宮直子さんと城田監督は、公式練習を現地で見ていたようですが、
この雑誌の記事の中で、その時の羽生選手の非を否定しています。
あのリンクはホッケー用だったので、リンクが狭かったのもあるけれども、リンクの狭さだけであの進路妨害と衝突の問題が解決するとは思わない、と私見を書かれておられます。
「長く、長くこの競技を見てきて、(故意であるか否かは別として、男女を問わず) 進路妨害を「ある」と感じる。」
「だから、選手間の「暗黙の了解」にいつまでも甘えるべきではない」、と。
私は前から書いていますけど(参考ページ)、長く見てきている人なら、この宇都宮さんが書かれていることに同意するでしょうし、それが当然の感覚だと思います。
きちんとルール化されて、不公平と不正の起り得ないような、より良い状態になっていくと、いいですね。
羽生選手が、「練習着を忘れてきた」というほどだったフリー当日の公式練習の動画で、
最後のコレオ・シークエンス以外はまともに滑れていなかった事情は、これでよくわかりましたし、
「情熱大陸」の時の羽生選手の映像での様子から感じていたこと、その背後の事情も、「蒼い炎Ⅱ」と合わせて読めば、とてもよく分かりました。
(※ 2017年 3月7日加筆 その2:
新たにコーチ側から判明したことは、なんとこのフリー当日の朝の公式練習では、練習開始時間が羽生選手のサポートチームに間違って伝わっていて、羽生選手はウォーミングアップの時間を短くせざるを得なかった、という驚きの事実が判明しました。
羽生選手がなぜかいつもの練習着を忘れてきて、Tシャツ姿で公式練習をやっていた、あの異様で不思議な光景は、身体の大変な事情だけでなく、そういう背景があったからこそだったようです。
一体、何をどうやったら公式練習の開始時間なんかを「間違って伝える」ことが可能なのでしょうか。(苦笑) 責任者は誰だったんでしょう。
羽生選手は、本当に本当に大変でしたね…! 今更だけど、本当に信じがたいほど、よく頑張ったと思います!)
読める方は、「オール読物7月号」に掲載された、同じ宇都宮さんの記事をも併せて読むと、よくわかるかと思いましたが、「蒼い炎Ⅱ」が発売された今では、そちらの方が、さらにその前からの事情が羽生選手の言葉で詳細に書かれているので、納得できるかと思います。
オール讀物 2016年 07 月号 [雑誌] | |
文藝春秋 | |
文藝春秋 |
蒼い炎II-飛翔編- | |
羽生 結弦 | |
扶桑社 |
今はただただ、羽生選手には、
「お疲れさまでした。本当によく頑張ったね! その後長らく、頑張って休んでくれてありがとう。(笑)」
という言葉を贈りたいと思います!
羽生選手にとって、休むことはきっと、「頑張らなければできないこと」のように思うので…。(笑)
世界選手権のエキシビションが終わった時に、
「清々しい気持ちだった」と語った羽生選手の言葉と、それを立証するかのような、あの時の素敵な表情が、
何より良かったと思うし、私は嬉しかったですね!
「SEIMEI」は羽生選手の理想通りの演技ではなかったとしても、
生きることーー 困難を耐えながらも乗り越える、その生命力を、こうして最終的には人々に強く印象付け、
澄み渡るように、清々しく明るい状態という意味での、「清明」な気持ちで世界選手権を終えられたことは、
きっととても深い意味があったのだと私は思っています!
羽生選手は、この世に偶然はないと思うって、よく言っていますけど、その通りだと思います。(笑)
清々しく、新シーズンへ、GO!GO! (笑)
「あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神であるからです。
何事も、不平や理屈を言わずに行いなさい。
そうすれば、とがめられるところのない清い者となり、よこしまな曲がった時代の中で、
非の打ちどころのない神の子として、
世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかり保つでしょう。」
(フィリピの信徒への手紙 2章13~16節 新約聖書: 新共同訳より)