おススメ演技 その6は、ファンの間でも非常に評価が高い、エキシビション「花になれ」です。
このブログのタイトルもこれからヒントを得ており、載せている羽生選手の写真もその演技中のものを使わせてもらっています。
私自身は、この演技が特に特別に、とても好きです。
このエキシビションが特別なのは、羽生選手自身が、この歌が大好きで、落ち込んでいる時に非常に励まされたそうで、
強いメッセージ性と熱い思いと優しさを込めて、まさに「渾身の」演技をされているからです。
世界中の人が見ますので、世界に向けて発信されてはいますが、特に、被災地となった地元・仙台や、福島も含めた東北、及び日本の方々への羽生選手の思いや励ましが、強く表されていると考えられます。
自ら歌いながら、本当に嬉しそうに、情感を込めて氷の上を「舞い続ける」羽生選手。
曲、歌詞がそもそも素晴らしく、振り付けも歌詞に合致させてあり、見ていて本当にわかりやすく、気持ちの伝わってくる作品です。
衣装も和風で、非常に個性的ですが、色合いもデザインもとても似合っています。
この衣装が似合い、しかもこんな繊細かつ独特な演技が出来るのは、やはり羽生選手しかいないだろうと思わされます。
「花になれ」は、どの回でも非常に心を込めて演技されているので、おススメを選ぶのに非常に困るので、演技が披露された年代順に、遠慮なく沢山ご紹介していきたいと思います!(笑)
まず、最も素晴らしい演技だった一つ、2012年NHK杯の時のEXの「花になれ」。
これは、試合のエキシビションとしては初披露となった時で、仙台で行われた大会だったため、羽生選手の心のこもり方が、また格別に見えます。本当に透明で澄んでいて、珠玉の演技。
胸が震えるような感動がある、全身全霊の演技です。
アンコールの「パリの散歩道(2012版)」がついています。
次は、2012年の全日本選手権で、初めて優勝した時のもの。
18歳になりたての羽生選手の演技です。
アンコールで、2011年度版 ロミオとジュリエットをこの衣装のまま演じてくれていて、とても新鮮です。
歌手の指田さんの生演奏で舞っているので、非常に丁寧に、情感が込められています。 とても美しいです。
全てがよく調和して、完全に一つの芸術作品になっていると思います。まさに、祈りのような演技です。 (デイリーモーション動画)↓
韓国語字幕を付けて下さってある動画
この時、羽生選手はこのアンコールのロミオの演技の一番最後に、世界中のスポーツ選手が成果を出した後でよくやる、天を指差すポーズ 「神に感謝します」の意味(基本的には世界共通)のポーズを、天を仰ぎながらやっています。
これは、(世界共通認識では)その出した成果が自分自身の力だけではないことを、選手本人が実感している時に、本来は「天の神様に感謝して行うポーズ」です。
初めての全日本優勝という結果を受け、また、「花になれ」に込められた思い、ロミオとジュリエットを演じてきた2011年のこと、壮絶な被災地であった仙台のことなどを思いながら、今生きていること、スケートが出来ていることなども含め、もろもろの感謝の気持ちを、意図的に表したもの。
余談ですが、この天を指差すポーズを、「俺が一番!」の意味だと勘違いしてしまう人が結構いますが、本来の意味ではそれは間違っていて、むしろ正反対の意味になります。
ただ、その意味を知らずに勘違いして、あるいは意図的に個人で、「俺が一番!」とか、「既に天国にいる(特定の)誰かに捧げます」等の意味で、そのポーズをとっている選手がたまにはいるのも、また事実ではありますが、本来それは正しくありません。
本来の意味は「神に感謝」ポーズなのです。(ごく稀に解説者でも間違えている人がいるので、厄介ですが…。)
羽生選手は、2012年ニースの世界選手権で銅メダル獲得時、フリーの「ロミオとジュリエット」の直後にも、強い表情で最後にこの天を指差すポーズをとっていて一部で話題になりましたが、これについてはインタビューで、「最初はガッツポーズをしようとこぶしを上げたけれども、上げている途中で、ああ、これは自分ひとりの力ではないと思って・・・色々な人の思いや、天からの力をもらったりだとか…(中略)とっさに天を指差した」というような説明をしていました。
(参考: 文章インタビューと映像でのインタビュー、どちらでも似たようなことを答えていました。映像で残っているのは、次の動画の、8分50秒頃から⇒ http://www.dailymotion.com/video/x1asuu6_18%E6%AD%B3%E3%81%AE%E6%B1%BA%E6%96%AD-%E7%BE%BD%E7%94%9F%E7%B5%90%E5%BC%A6_sport )
野球に非常に詳しい羽生選手ですので、世界中の野球選手やサッカー選手たちがよくやる、「神に感謝」等の、「この結果は、自分だけの力ではない」という謙虚な意味を込めながら行っているものと、私は推測しています。
また、「(これは)自分の力だけではない (と思った)」は、羽生選手が、よく言う言葉でもあります。
周囲の人たちに大いに支えられていることも含めて、常日ごろから感謝している羽生選手の思いや姿勢を表しています。
また、特に「天才」系のスポーツ選手たちは、「天からのギフト」としてその特別に優れた能力を授かったことを実感しているので、そのことへの感謝を表すことはよくあることであり、キリスト教圏ではこういう姿勢は特に重要と考えられています。
これを徹底してやる選手は、決して一時の成果でうぬぼれて傲慢に陥ったりしないことや、その「ギフト(才能)」を使って使命(自分に与えられた役割)を達成しようと努力するため、その後も継続して優れた結果を出し続ける傾向があります。
羽生選手にも、今のところ、この原則が当てはまっているように私は思っています。
優勝者や大活躍した選手に、よく見られるポーズですね。
もう一つのおススメ動画が、2013年の全日本選手権、圧倒的な優勝で連覇を達成し、ソチ五輪代表をトップで確定させた時のもの。
羽生選手自身が、「気持ちよく滑れた」「僕のほうが(観客に)感動をもらった」と、半分恍惚の表情でインタビューで答えています。
(アンコールで、「パリの散歩道」を、この衣装のまま披露してくれています。)
ニコニコ動画です。(動画主様、拝借します!)
* 画面上に表示されるコメントを消すには、右下の、セリフ吹き出しマークをクリックして下さい。
珍しくジャンプの失敗がありますが、笑って見過ごしましょう。(笑)
歌詞の通り、「ぶつかっていいんだ」「泣いたっていいんだ」「苦しいほど、その命は強く輝く」な曲ですから、
まさにその歌詞を自らが体現してくれている、と、いうことで・・・ (笑)
むしろその後の、羽生選手の心のこもった表情、テレ笑いしながらも前向きに演じ続ける明るい姿勢に、注目です!
「ジャンプの羽生」と高く評される昨今の羽生選手ですが、実は羽生選手、絶えず最高難易度のものに挑戦し続けるからこそ、ジャンプを失敗する姿も、意外とチラホラと見られるのです。(笑)
しかし、彼が一貫してすごいのは、それを暗い顔でひきずったりせずに、すぐにケロッとしたりカラッと笑って済ませたりして、その後の演技に影響させずに、感情を込めて渾身の演技をし続けるところです。
(さすがにオリンピックのフリー演技の時には、ケロッというわけにはいかなかったようですが… それでも諦めない態度が結果的に金メダルを呼び込みました。)
だから、見ている側に、「あれ?そういえば、さっきジャンプ失敗したような?」と忘れさせてしまったり、むしろ「なんだ、羽生選手でもジャンプ失敗するんだ」「失敗って、別に大した問題じゃないんだ」と思わせてくれ、見ている者を逆に励ます効果さえ生じさせています。
私個人は、羽生選手のこの点を、前から強く尊敬しています。
「自分は泣き虫」と平然と告白してきた羽生選手ですから、この曲の「泣いたっていいんだ」という歌詞も、非常に本人の実感のこもったものだと思われます。
そして、こういうメッセージを堂々と表現できる…弱点を決して隠さずに、自分や他人の弱さを受け止めて認めてあげられる…さらには、全ての人への励ましにまで変えられる…そういうところにこそ、羽生選手の本当の強さが表れていると思います。
総合的に見て、このエキシビションは、本当に羽生選手にピッタリです!!
この演技の直後に撮影された、ソチ五輪代表確定の3人による、エキシビション後のインタビュー動画も、合わせてどうぞ。
高橋選手の意欲的な問いかけに、力強く「うんうん」と頷き、メダルを持ち帰る気満々な日本代表3人も、別の意味で必見です。
同じく、最高に素晴らしい演技の一つ、(←いくつ最高があるんだって突っ込まないで下さい(笑))
2013年の名古屋フィギュアスケートフェスティバルの時の、「花になれ」 です。 非常に美しくて、ただひたすら感動、感涙の演技です。
私は、特にこの時の羽生選手が演技がとてもとても好きです!
この衣装のまま、「パリの散歩道」もアンコールでついています。(このときはまだ2012年ー2013年シーズンの時の「パリの散歩道」です。)
最後、インタビューに答える羽生選手も、汗だくですけど、素敵です。全力投球ぶりがうかがえます。(笑)
こちらは、スペイン語の翻訳をつけて下さった同じ演技の動画。
こちらは、ちょっとうるさいけど、日本語の解説つきの同じ演技。↓
そして、ソチ五輪で金メダルを獲得後に、日本のアイスショーで何度も何度も披露して下さった時の演技。
これは、その中でも、スターズオンアイスの時の演技です。
この頃には、高校生だった最初の頃と比べると体格がかなり良くなってきていて、さすが金メダリストですね!
金メダルを獲得後、羽生選手は本当に多忙を極めていて、疲労が蓄積していたはずの頃だったのですが、それでも演技中は疲れを見せないようにして本当に頑張って、渾身の想いで演じて下さっています。
どれも本当に素晴らしいですね…!
この「花になれ」は、全日本選手権の時のエキシビションのものが、羽生選手の演技DVD「覚醒の時」に、収録されています。
DVDのページはこちら →http://blog.goo.ne.jp/hananinarouyo/c/fe23ffbb4dbb9980d774f67b63dd81b6
「花になれ」のピアノ楽譜がこちら↓
ピアノピース ピアノソロ&弾き語り 花になれ(うた:指田郁也) | |
オンキョウパブリッシュ
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