母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

源流

2012年12月10日 | 
あなたも
わたしも
大河の支流なれば
ちちははは ただひとつ
平原の河岸にめぐり合いて
溶けあい混じりあい
過ぎてきた谷や山のふもとの
尽きない物語をかたりながら
滔々と大海原に注ぎ込まれ
ゆったりと沢山の友 仲間とともに暮すでしょう
おおその安らぎは
夜空に親しい星座を数えながら
遠い陸地のざわめきに耳傾けたり
まったく忘れた筈のわらべ歌をノオトに書き写したり
そして 凪の子守唄にまどろめば
気づくことのなかった愛というものの形にさえ届くでしょう

日常に隠れた過去の〈おろかさ〉たちもいつか浄化されて
すべてが共有され美しいものらの中に溶けて消えてゆくでしょう

あなたも
わたしも
等しく大河の支流なれば
同じ荒野(あらの)のいずこかから 
声に寄せられ引き合い 曲がりうねり
遠くはない日
きっといつかはめぐり合うでしょう
コメント
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