甃のうへ
三好 達治
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廂ひさしに
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする 甃(いし)のうへ
三好 達治
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廂ひさしに
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする 甃(いし)のうへ