雪の舞う朝ご飯が炊ける
ごはんの香りはいい匂い
幸せの予感のはじまりの匂い
ほかほかぬくもるその香り
幸せに過ごすまじないのような
「メシ」のかおりだ
釜にお米の炊かれる音が家の中にふつふつ響き
今日も無事でいられますようにと
燃える木と煙の匂いも漂う
かつて大きな家での冬の朝
煙と湯気の向こうで
みんな優しい顔をしていた
祖父も両親も兄姉も猫も
そろって食卓に着き朝ご飯を食べた
お釜に乗った木のふたを開け
いつものように甘いごはんを頂いた
どんぶりに入れた卵たちに醤油を入れ
回しとっては卵かけごはんを食べるのだ
アサリの佃煮をのせ
みんなで黙ってかき込んだその味
体にしみこむごはんと卵と醤油の匂い―
大根と油揚げの味噌汁を
毎朝の呪文のようにいただいたー
半世紀が過ぎいつか優しい人らは
この世から消え遠く旅立ち
または住まいもちりじりに
今日の冬の朝げをたべているだろう
それぞれの家に炊きあがる甘いごはんの匂いは
弥生の時代から未来につながり
膳に着く時の心に
ちいさいしあわせを運ぶだろう
ごはんの香りはいい匂い
幸せの予感のはじまりの匂い
ほかほかぬくもるその香り
幸せに過ごすまじないのような
「メシ」のかおりだ
釜にお米の炊かれる音が家の中にふつふつ響き
今日も無事でいられますようにと
燃える木と煙の匂いも漂う
かつて大きな家での冬の朝
煙と湯気の向こうで
みんな優しい顔をしていた
祖父も両親も兄姉も猫も
そろって食卓に着き朝ご飯を食べた
お釜に乗った木のふたを開け
いつものように甘いごはんを頂いた
どんぶりに入れた卵たちに醤油を入れ
回しとっては卵かけごはんを食べるのだ
アサリの佃煮をのせ
みんなで黙ってかき込んだその味
体にしみこむごはんと卵と醤油の匂い―
大根と油揚げの味噌汁を
毎朝の呪文のようにいただいたー
半世紀が過ぎいつか優しい人らは
この世から消え遠く旅立ち
または住まいもちりじりに
今日の冬の朝げをたべているだろう
それぞれの家に炊きあがる甘いごはんの匂いは
弥生の時代から未来につながり
膳に着く時の心に
ちいさいしあわせを運ぶだろう