母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

野辺の夏の扉

2019年07月14日 | 花(夏)
桔梗は青むらさき
ミソハギはマゼンタの紅
ガラスの器に
野花を活ける
主張しない花は
過ぎた時を思い出させる

振り返れば 花の気配 
口数少なに色を示して
ガラスに透ける水の色
ミソハギと桔梗

夏の扉は開く
誰も知らず気づかぬを
霧雨の煙る日の午後
花の気配に
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青い花雨の街

2019年07月06日 | 季節
しとしとの雨
青い花濡らす雨
青い花
青い花
青い花は青空の
向こうからやってきて
雨の日は花屋の軒にこんもり揺れ群れる
花びらのかさね
青い花は透き通る水の色
山の上の静かなちいさな湖の
さざなみ

しとしとの雨
水玉模様の傘の色
あの日の私の白いレインシューズはどこに行った
静かに煙る
水蒸気の街
ひとびとの歩む街の通り
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