母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

インドティ

2015年06月26日 | 
煙のように 靄のように
六月の雨降る朝

珈琲豆もあくびをする日は
スパイスたっぷりになまミルク
インドの紅茶をのみましょう

ターバン巻いた男たち
口ひげ生やしたホテルマン
銀のお盆に載せて運ぶティポット
ミルクのお茶は
疲れた咽喉にぐいぐいしみこんだ

ポットのお茶を水筒にいただき1ルピー30円
乾いた大地の異国は
首都にリスや猿がのんびり歩き
空港さえ厩舎の匂いがする
動物たちの天国だった


水蒸気に煙るわたしたちの国は
いま水の花は咲いても息苦しい国
胸騒ぎするほど正確な時計の動く清潔すぎる国

せめて北の柵のなかのアイライン牛 ジャージーの
ミルクをいただき
シナモンにカルダモン
ジンジャーにクローブ、黒コショウ―
ナツメグも入った子鍋でお茶の葉を煮立て
元気の源のインドティ

テーブルの上のコップなどに
青いつゆ草を2輪も挿して






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする