何もなくなった村の大地のそこここに
クロバーの葉が茂る
五月の太陽はだまって
彼らの上に光を投げている
クローバーの健康なみどり色は
大きく開き花の出番を待っている
クローバーの茂る土のうえには
人の住む家家が建っていた
笑い声や話し声や
子供たちの高い声が響いていた
豊かな土は顔を出しても
彼らの姿はどこにもない
クローバーは春のいろ
海の色は生きもの色に揺れ
空は明るい薄色をして広がっている
村はメインストリートを亡くし
生活の痕跡を失い
家の土台だけ四角に白く残り
陽の下で戸惑っている
青空の下で押し黙っている
廃墟のような大地に
今年の草草が風に揺れる
儚なさとも虚しさとも違う 静けさだけがある村
遅い春の温む大気
眠るような穏やかな海
ここに大きな悲しみ一つなかったように
怒りを地中にかくすかのように
音を失くした村は眠っている
村びとたちのいなくなった
海辺の村に
クローバーの群れが風にそよいでいる
クロバーの葉が茂る
五月の太陽はだまって
彼らの上に光を投げている
クローバーの健康なみどり色は
大きく開き花の出番を待っている
クローバーの茂る土のうえには
人の住む家家が建っていた
笑い声や話し声や
子供たちの高い声が響いていた
豊かな土は顔を出しても
彼らの姿はどこにもない
クローバーは春のいろ
海の色は生きもの色に揺れ
空は明るい薄色をして広がっている
村はメインストリートを亡くし
生活の痕跡を失い
家の土台だけ四角に白く残り
陽の下で戸惑っている
青空の下で押し黙っている
廃墟のような大地に
今年の草草が風に揺れる
儚なさとも虚しさとも違う 静けさだけがある村
遅い春の温む大気
眠るような穏やかな海
ここに大きな悲しみ一つなかったように
怒りを地中にかくすかのように
音を失くした村は眠っている
村びとたちのいなくなった
海辺の村に
クローバーの群れが風にそよいでいる