母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

南天の家

2021年01月08日 | ふるさと
南天の家と言われた家
広い植え込みの庭を南天が
林のように取り囲んで
赤い南天がたわわに実った家
幸せの赤い実 健康な小さ葉っぱたち
沢山の人間が生まれ 
沢山の人間が巣立った家
悲しみ楽しみ 笑い声悔し涙 
生活のひとつひとつが大黒柱に刻まれた家
沢山のヒトが訪れ 賑やかに長い時間が流れた家
南天はいまも
たわわの赤い実を付けるか

雪の日も晴れの日も
厳冬の青い空に南天の実たちは光り
二月になれば飢えた野鳥たちが
美味しい実を食べたいと集ってきた庭大きな家
想い出の赤い実
幸せの赤い実
冬の物語が赤い南天に宿り
野の鳥は南天の林で
にぎにぎのおしゃべりをして
厳しい冬をひととき 楽しんで過ごすだろう
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