母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

花火

2024年07月17日 | 
遠い花火
雷鳴のように響く遠い花火
部屋の灯りを消すと
光が空に謳って散る

花火に友は父を見るという
いつもいつも短く散った父を見るという
花火は夜の祭り
夏の夜の祭りは
亡き人人の蘇りか宴か

夏は還ってくる子供の頃のゆめ
果たされずに終わった望みたち
亡き人々の優しいまなざしやこえ
ラジオ体操ヒグラシの夕べ

遠い花火
家々の上に大きく広がり
瞬く間に消えゆく夏の夜の
心なぐさめるひかりの宴
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする