三月の小舎に双子のヤギが
ある朝ひょっこりと生まれて
三日目 鮮やかな白さで庭を駆けはじめ
畑の黒土の匂いをを嗅いでいる
陽炎燃える火山灰の大地の村
峰の白雪たちが見えないほどに陽に溶け始め
それはやがて谷を潤し大地を健やかに育てる
野には猫柳 蕗が目を覚ます
光に透け眠るようなのどかさ
うっとりとまだ冬眠の
野ウサギを 縞リスを ヤマネたちを懐に抱え
そろそろと衣ゆるます四方の山々
蓬も芹も若芽をしのばせ温む水のほとり
毎年訪れる雪解けのこよない歓喜の季節
陽すがら若草を探し求めて遊んだわれら幼い春の日
子供たちの元気な歓声響いた山麓の村には
仔山羊たちのかん高い鳴き声も途絶え
今はすべて冬眠の最中 当分は何も聞こえてはこない
春の光に山の姿は変わらずうねるだけの
静かな静かな
山麓の 村と町の早春 三月
ある朝ひょっこりと生まれて
三日目 鮮やかな白さで庭を駆けはじめ
畑の黒土の匂いをを嗅いでいる
陽炎燃える火山灰の大地の村
峰の白雪たちが見えないほどに陽に溶け始め
それはやがて谷を潤し大地を健やかに育てる
野には猫柳 蕗が目を覚ます
光に透け眠るようなのどかさ
うっとりとまだ冬眠の
野ウサギを 縞リスを ヤマネたちを懐に抱え
そろそろと衣ゆるます四方の山々
蓬も芹も若芽をしのばせ温む水のほとり
毎年訪れる雪解けのこよない歓喜の季節
陽すがら若草を探し求めて遊んだわれら幼い春の日
子供たちの元気な歓声響いた山麓の村には
仔山羊たちのかん高い鳴き声も途絶え
今はすべて冬眠の最中 当分は何も聞こえてはこない
春の光に山の姿は変わらずうねるだけの
静かな静かな
山麓の 村と町の早春 三月