アルト・ハイデルベルク(143)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
——————————【143】—————————————————
4. Szene
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Karl Heinrich im Paletot mit aufgeschlagenem Kragen, mit Käthie.
Dann Detlev. Dann Bilz und noch einige »Sachsen«.
Dann Kellermann.
Karl Heinrich: (Käthie im Arme haltend). Heute*¹ wird
..................... durchgebummelt. Schlafen lohnt sich nicht mehr. Du
......................musst mit, Käthie !
..........Käthie: Jesses, Deine Hände ! Wie Du ausschaust ?
Karl Heinrich: (Zeigt die hellen Handschue, die ganz voll Staub sind).
........................Vier Stunden auf dem Bock gesessen, die Zügel
........................gehalten. (Zieht die Handschuhe aus, wirft sie fort.)
........................Hättest*² mit sein müssen.
.
——————————— (訳) ————————————————
第四場
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丈の短いダブルコートの襟を立てたカール・ハインリヒが
ケティと共に登場.次いでデトレーフ、それからビルツ、そし
て数名のザクセン団員と、ケラーマンが登場.
.カール・ハインリヒ: (ケティを腕に抱いて) きょうはあちこち動き回るぞ.
.......................眠ってなんかいられないぞ.ケティ、一緒に行こう、
.......................ぜひとも.
....ケティー: まあ、あなたのその両手! 一体どうしたの?
...カール・ハインリヒ: (すっかり汚れて黒くなった手袋を見せる)
......................4時間も御者台に座って、手綱を放さなかったんだ.
...................... (手袋を脱いで力強く投げる)
.......................君も一緒に来ればよかったにのに.
———————————《語彙》————————————————
der Paletot:[パレト/パルトー] パルトー(短いダブルのコート)
aufgeschlagenem:(形、過去分詞) <aufgeschlagen (他) (襟などを)
立てる
der Kragen:(同尾式) 襟
mit aufgeschlagenem Kragen:立てられた襟で→襟を立てて
durchgebummelt:(辞書不掲載語)→durch + gebummelt
durch:(分離前綴り)~を通って、~の中を[あちこちと]
gebummelt:(過去分詞) <bummeln (自) ぶらつく、散歩する
②ぐずぐずする、だらだらする
Schlafen:「chlafen (自)眠る」の名詞化、あるいは不定詞として
用いられている
lohnt:(3単現) <lohnen (他)<jm et⁴> 報いる、報酬を与える
sich⁴lohnen:やりがいのある、する価値がある
Schlafen lohnt sich nicht mehr./ 眠ることにもはや価値はない.
Jesses:(間) (驚き・不機嫌などの気持ちを表わす)
おやおや、へえっ、あれまあ、
ausschaust:(2単現) <aus/schauen (南ドイツ・オーストリア)
(自) ~のように見える
Wie schaut's aus ? / 調子<状況>はどうだい?
hell:(形) <語尾en は弱変化複数A格>
①明るい、②淡い色の、薄い色の;
③利口な、④まったくの
der Handschu:(E式) 手袋
voll:(形) ①いっぱいの; ②全部の、完全な
der Staub:(変E) 埃(ほこり)
der Bock:(変E) 御者台
gesessen:(過去分詞) <sitzen (自) 座っている
(sitzen - saß - gesessen)
sitzen は座っている状態をいう
setzen は座らせる(動作)
座るという動作はsich⁴setzen
der Zügel:(同尾式) 手綱
gehalten:(過去分詞) <halten (他) つかんでいる、保持する
放さないでいる
(halten - hielt - gehalten)
—————————————≪文法≫————————————————
*1) Heute wird es durchgebummelt.:「きょうはあちこちぶらつき回
るのだ」. es が主語なので、「漠然とした主体」だが、実質的
には、話し手とその相手を含めた「私たち」
*2) Hättest mit sein müssen:君も一緒に来ればよかったのに.
müssenの接続法Ⅱ式完了形は「~すべきだったのに」
Du hättest ihn sehen müssen.
君は彼に会っておかなければならなかったのに.