仏教日記(3)
あれからロケットはどこを飛んでるんでしょうか?
いろいろな「煩悩星」に不時着し、その後、フラフラと
地球の周りをまわっています.
さてきょうここに書きたいのは、三世貫通の因果の法則
のことです.これは菩提樹(あるいはアシュヴァッタ樹)
の下でお釈迦様が覚られた本筋なのであります.
仏教学の本にはありません。科学を旨とする本、学術書と
いうものは、過去世を前提とする記述は「ボツ」にされて
しまうようで、ですから、今生だけで因果律をできもしないのに
踏み込んでから、うやむやにしてしまうものが多いようです.
学者先生の多くは、ブッダは悟りを得てから過去世を見る
力を得たというように説明されているようです.
だけど、それは逆です.過去世を「深い瞑想か何かで」知って、
そして、そこに貫かれた因果律をみて、善因善果も
悪因悪果も知ることができたということでしょう.
いくつかの本には、釈尊が菩提樹下で覚ったのは
十二因縁だとしています.あるいは、そのもっと
初期版を覚ったとしています.
また逆にたどったもの、「あれがあるときにこれが成立する」
形式で究極を覚った云々.
どれにしましても、紙も鉛筆もなかった時代に12個も24個も
箇条書きにはできませんし、そんなに長い原因結果の連鎖を
書き留めることはできません、ありえません…
風が吹いたら、桶屋が儲かるみたいな理屈を.
これ、どういう話かというと、
❶風が吹く
❷埃が立つ
❸埃が目に入る
❹目が病んで盲人になる
➎盲人になったら、三味線引きになる
➏三味線を作るにはネコの皮を使う
➐ネコを殺せばネズミがはびこる
➑ネズミがはびこれば桶を噛む
❾桶が傷んだら新しい桶を買う
➓桶屋が儲かる
こういうことでございます.
なので、覚りの内容はもっと単純で明快なものだったはずです.
で、その答えが、おそらく「三世貫通の因果律」だっただろう
ということであります.
自分は死んだ、と仮定します.あの世にいる、と想像してみましょう.
そこから、この世をながめてみましょう.そこにはまだ生きている
自分もいる.迷っている自分の姿が見える.
アルト・ハイデルベルク(147)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌
——————————【147】—————————————————
Karl Heinrich: Na, was ist denn, Doktorchen ? Es war zu viel,
.............................was*¹ ?
...........Doktor: Also es ist jetzt ausgemacht, ihr bringt mich in die
............................Grube. Ich bin nach Heidelberg gekommen um mich
............................zu erholen und mäßig zu leben, stattdessen richtet ihr
............................mich zu Grunde ! Ich habe*² keine drei Jahre mehr zu
............................leben, nicht zwei, nicht eins.
............................Ich kann nicht Erzieher spielen ! Am wenigsten hier
............................in Heidelberg !
Karl Heinrich: Liebe Kinder, ich schmeiße Euch jetzt hinaus. Der
.............................Doktor muss Ruhe haben. Ins Bett ! Jetzt ist es sechs,
............................um acht treffen wir uns. Auf dem Schloss. Heute wird*³
............................durchgezecht. Ich gebe einen türkischen Punsch.
................Alle: (stimmen zu).
——————————— (訳) ————————————————
.カール・ハインリヒ: ねえ、博士ちゃん、一体どうしたのです? やりすぎ
............................ましたか?
.............博士: それじゃあ、話が決まった.君たちは私を墓場へ
............................連れて行くのだ.私はこのハイデルベルクに健康
............................を回復し、節度ある生活をするために来たのだよ.
............................それを君たちは、この私を破滅へ向けているんだ.
............................私はもうこの先3年と生きられまい.いや2年だ
............................って、1年だって生きられないさ.
............................私はこれで教育係などとうそぶいてはいられない.
............................少なくともこのハイデルベルクでは!
.カール・ハインリヒ: 諸君、私は君たちを外へ投げ出しますよ.博士には
............................ぜひとも休養が必要です.ベッドへお連れして!今
............................6時だから、8時に会いましょう.お城でね.
............................きょうは飲むぞ.諸君にトルコ風パンチを振舞いま
............................すからね.
..............全員: 異議なし.
———————————《語彙》————————————————
na:(間) ねえ、
ausgemacht:(過去分詞) <aus/machen (他) 話をつける
es ist jetzt ausgemacht / さあ、これで話が決まった.
die Grube:(弱n) ❶穴、くぼみ、罠; ❷墓
erholen:sich⁴erholen 回復する
sich⁴von einer Krankheit erholen
健康を取り戻す
mäßig:(形) 節度のある、妥当な、
mäßig zu leben 生活に節度のある
stattdessen:(副) その代わりに
richtet:(2複親称) <richten (他) ~へ向ける
j⁴ zugrunde:人を破滅させる
et⁴zugrunde:物をだめにする
der Grund:(変E) 土地;基礎、根本;根拠
et⁴ zu Grunde richten ~を滅ぼす、零落させる、破滅する
der Erzieher:(同尾式) 教育者、教育係、教師、家庭教師
spielen:(他) ❶ 遊ぶ、~を戯れる; ❷ 演じる
[比] den Herrn spielen / 紳士ぶる、主人顔をする
Sehnsucht spielen / あこがれている風を装う
ここでは[比喩] den Erzieher spielen / 教師ずらをする
本文のように、通常は職業をいうときは無冠詞なので、
Ich kann nicht Erzieher spielen !
(これで教師でござい、などと言えるものではない!)
schmeiße ...hinaus: […⁴を] 外へ投げ出す
<hinaus/schmeiße <schmeiße
schmeißen:(他) [A格を]+[方向詞~へ] 投げる、放り投げる
muss:(3単現) <müssen ~ねばならない; ぜひとも~べきだ
Der Doktor muss Ruhe haben. / 博士はぜひとも休養が必要だ.
Ins Bett !: Er muss ins Bett gehen ! などの省略形;
「ベッドへ行かなきゃ!」
treffen:(他) [Akkに] 会う
das Schloss:(変ER) ❶城、城館、宮殿; ❷錠
旧書法:Schloß 独検、独作文で旧綴りでSchloß と書けば
どうなる? まあ、おまけの〇はもらえるとは思いますが、
昔Schloß と習ったご年配の人ならおまけしてもらえるかも.
durchgezecht:(過去分詞) durch/zechen [ドゥルヒツェッヒェン] (時間を)
酒を飲んで過ごす
türkisch:(形) トルコの、トルコ人の、トルコ語の;
ちなみにトルコ国はdie Türkei.さらについでに言えば、
首都は「アンカラ」もひとつついでに「共和国」です.
der Punsch:(e、または変e) ポンス、パンチ
(ラム酒などに、レモン、砂糖水をまぜ、温めていただきます)
stimmen zu:(分離動詞)
<zu/stimmen (自) [D格に] 賛成する、同意する
——————————≪ひとこと≫————————————————
*1) Es war zu viel, was ?:やりすぎでしたか?
was は was wir uns vergnügten ? などを補ってみる.
*2) zu + 不定詞 haben で「義務」「権利」「根拠」「可能性」
ここではkein という否定辞があり、「不可能」を表し、
「~できまい」、「~できまい」、「3年とは生きられまい」
「~はずがない」
*3) Heute wird durchgezecht. きょうは飲むぞ!
[werden + 過去分詞] なので受動態になるはずですが、
[man による能動態] と受動態は同義になることから、
ここでは誰とはいわず、「みんな、飲むぞ!」