もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

1662番:さすらいの青春(217)

2022-10-28 18:57:44 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(217)

 
———————【217】—————————————

  A deux heures,  il traversa le bourg de la Motte.
Il n'était jamais passé dans un petit pays aux 
heures de classe et s'amusa de voir celui-là aussi
désert,  aussi endormi.  C'est à peine si,  de loin
en loin,  un rideau se leva,  montrant une tête 
curieuse de bonne femme.  
  


————————(訳)————————————————
 
 午後2時に彼はラ・モットの町並にたどり着いた.
彼が授業中にこんな小さな地方町を通過したことは
一度もなかった、そして人のいない、眠ったような
町を見るのを楽しんだ.ところどころにカーテンが
開いて、気のよさそうな婦人が興味深そうに顔を見
せるのだった.
  
  

.———————⦅語句》———————————————
     
endormi:(形) 眠った           
à peine:ほとんど~ない、【数詞と】せいぜい
  【肯定的】かろうじて、やっと           
de loin en loin:とびとびに、間隔を置いて、時々    
un rideau se leva:カーテンが上がる(巻き上げ式なのだろう)
  「カーテンが開く」の意味に取ってよいと思う.     
montrant une tête:頭を見せながら→顔をのぞかせ   
curieuse de bonne femme:気のいい婦人が好奇心に溢れて
     このcurieuseは tête を後置形容する形容詞なので
     「気のいい婦人が好奇心に溢れた顔を見せる」
   となります.

 

———————《ひとこと》—————————————————

Motte:辞書不掲載、ネット検索をしたが名古屋の
   お菓子屋さんしか出ません.岩波文庫の『グ
   ラン・モーヌ』の巻末註釈に説明がありまし
   た.それによると:
   ラ・モット:ラ・シャペル・ダンジョンの北
   8キロほどのところに同名の村がある.
   となっています.ラ・モットと訳しておきます.

 

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1661番:さすらいの青春(216)

2022-10-28 14:25:03 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(216)

 
———————【216】—————————————

 
  peu à peu,  le froid le pénétrant,  il s'enveloppa 
les jambes dans une couverture qu'il avait d'abord
refusée et que les gens de la Belle-Etoile avaient
mise de force dans la voiture.


————————(訳)————————————————
 
  少しづつ、冷気がモーヌの体内に浸透し、彼は
両脚を毛布に包(くる)んだ.毛布をはじめはいら
ないと言っていたが、ベル・エトワールの連中が
車内に強引に放り込んでおいたものだった.
  


————————⦅語句》———————————————
        
peu à peu:少しづつ、徐々に                    
froid:(m) 寒さ、冷たさ、冷気
pénétrant:(現在分詞) <pénétrer (自) 入る、入り込む
s'enveloppa:<s'envelopper (代動) くるまる
     ここでは自分の脚を包む(se が再帰代名詞)
          「彼自身(の脚)を」
     <envelopper  (他) 包む、包装する          
couverture:(f) 毛布、掛け布団      
avait refusée:(大過去3単女性形) 拒否をしていた 
          [女性形なのは先行するcouvertureの支配によるもの]
          その後ろのmise もcouvertureの支配による女性形で
     基本過去分詞はmis  <mettre

 

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1660番:さすらいの青春(215)

2022-10-28 13:07:38 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(215)

 
———————【215】—————————————

 Il ne  songea  d'abord,  pour s'en amuser,  qu'à notre 
surprise  à tous,  lorsqu'il  ramènerait  dans  la carriole,
à  quatre  heures,   le  grand-père   et  la  grand'mère 
Charpentier.   Car,  à  ce moment-là,  certes,  il n'avait
pas  d'autre  intention.


————————(訳)————————————————
 
  モーヌは最初、午後4時に祖父母シャルパンティエ
を馬車で連れ帰ったときの、みんなの驚く顔を見るの
を楽しみに思っていたのです.なぜならそのときは、
モーヌには、たしかに他意はなかったのだから.

 

————————⦅語句》———————————————
         
songea:(単純過去3単) <songer (自) ❶ (àを)考える
     考慮する、(に)注意を払う
          ②思い出す     
surprise à tous:みんなの驚き
   cf:  à ma surprise / 私が驚いたことには
notre surprise à tous:私たちみんなの驚き     
carriole:(f) 幌付き2輪荷馬車      
certes:[古] たしかに、

 

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1659番:さすらいの青春(214)

2022-10-28 13:05:14 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(214)

 
———————【214】—————————————

 A  une heure et demie  de  l'après-midi,  sur  la route
de  Vierzon,   par  ce  temps  glacial,    Meaulnes  fit
marcher  sa  bête  bon train,  car  il  savait  n'être  pas 
en  avance. 


————————(訳)————————————————

  午後1時半、凍てつく中、ヴィエルゾン街道にモーヌは
馬を急ぎ走らせていた.なぜなら彼はもう早い時間ではな
いとわかっていたからだった.


————————⦅語句》———————————————
      
glacial:(形) 凍りつくような、
  Il fait un temps glacial. / 凍りつくような寒さだ.         
sur :(前) 方向、方角の意味もありますがここでは単に
     ~の上を、つまり、「ヴィエルゾン街道上を」          
la route de Vierzon:ヴィエルゾン街道
   サント・アガットからヴィエルゾンへ通ずる街道
   だろうと思います.
par:(前) [天候・時間]~の中を
   par ce temps glacial:この凍てつく中を       
bon train:速く、さっさと
   aller [marcher] bon train / 大急ぎで行く[歩く]    
en avance:(予定より) 早く、進んでいる


————————————————————————————————

以前に、その場面が来たら 私たちも、その場面になったら、
午後1時がいいのか、午後2時のままでよかったのか、判断
してみましょう.

と書きました.それがどのセクションだったか、朝から探して
いたところ、セクション101でみつけました.

セクション101をそのままコピペします.
皆さん方はどう思われるでしょうか、この30分後に
モーヌはヴィエルゾンへ馬車を走らせたというのですが…


———————過去記事コピペ—————————————————————————

【101】

             CHAPITRE Ⅳ


                      L' EVASION

                
A une heure * de l'après-midi,  le lendemain,  la classe
du  Cours supérieur  est claire,  au milieu  du paysage
gelé,  comme  une  barque sur l'Océan.  On n'y  sent *
pas  la  saumure  ni  le  cambouis,   comm  sur  un  
bateau  de  pêche,  mais  les  harengs  grillés  sur le
poêle  et la laine roussie de ceux qui,  en rentrant,  se
sont chauffés de trop près.


                    ——訳——

            第4章

                     脱走  

翌日、午後1時、上級クラスの授業は、凍りついた
景色の中、洋上の船のように晴れやかな時間である.
漁船で臭うような塩水のにおいも古い油のにおいも
しないが、ストーブの上で焼いたニシンの臭いや、
教室に戻ったので暖まろうとして近くによる生徒たち
の身に付けた毛糸の焦げたにおいがする.


                   《語句》   
évasion (f)    脱走、 逃亡
* a une heure  午後1時に
  下書き原稿では午後2時となっていたとのこと.
  ここは後に、妹のイザベル・リヴィエールの提
  言により「午後1時」に修正されたと言います.
  エミール=ポール版(1913年)を底本にし
  て訳されている邦文訳は、「午後2時」となっ
  ていると言います.尚、私たちが使っているの
  は、ファイヤール社1972年版です. 
       そこでいつものように訳本チェック.
  全5社の訳本をみたところ

午後1時で訳されている:    2社
午後2時で訳されている: 3社      

      なぜイザベルが午後1時に変更要請したかといえば、
  このあとの展開で、モーヌが午後1時半に馬車に
  乗っている姿が見られるというくだりがあって、
  つじつまが合わないから、という理由なのだそうです.

  私たちも、その場面になったら、午後1時がいいのか、
  午後2時のままでよかったのか、判断してみましょう.

clair(e) (形) 明るい、明るく澄んだ
  Par temps clair よく張れた日に      
gelé (e) (形) 凍った、氷に覆われた
   <geler (他) 凍らせる (自) 凍る     
paysage (m) 風景、景観      
saumure(f)[ソミュール] (塩漬け用の)塩水 
cambouis (m) [カンブウィ] 汚れた油(潤滑油の使用後の油)  
pêche (f) 魚釣り、漁、漁業      
☨ hareng (m) [アラン]  鰊(ニシン) (☨は有声のhの印)
grillés <griller [グリエ] (他) 金網で焼く、煎る
   pain grillé トースト
   griller du café コーヒーを煎る
   (自) 焼ける、こんがり焼ける
poêle (m) [ポワル] ストーブ
     poêle à gaz [ポワル ア ガズ] ガスストーブ    
roussi(e) (形) 焦げた <roussir (他) 赤褐色にする、焦がす        
laine (f) [レヌ] 羊毛、ウール、毛糸        
rentrant <rentrer (自) 帰る、帰宅する、戻る      
chauffés <chauffrer (他) 暖める、熱する
                 (自) 暖かくなる、熱くなる
    Elle fait chauffer de l'eau sur le réchaud.
    彼女はこんろで湯を沸かしている.
se chauffer (代動) 体を暖める、 ② (部屋を)暖房する


        ≪文法≫    (本文3行目後半から)
 * on n'y sent pas ~mais   と続いています.mais 以下には
動詞が見当たりませんが、sent が省略された形になっていま
す.つまり、
  On n'y  sent  pas  la  saumure  ni  le  cambouis,   
comm  sur  un  bateau  de  pêche,  mais (on y sent)
les  harengs  grillés  sur le  poêle  et la laine roussie
de ceux qui,  en rentrant,  se  sont chauffés de trop près.

ちょっと長いので comme のところをちょん切って
見てみましょう.

On n'y  sent  pas  la  saumure  ni  le  cambouis,   
mais (on y sent) les  harengs  grillés  sur le  poêle  
et la laine roussie  de ceux qui,  en rentrant,  se  sont
chauffés de trop près.

塩水の臭いも、グリスの臭いもしないが、魚(鰊)
の焼くにおいや、帰りに温まって行こうとする生徒
たちが、ストーブに寄りすぎて毛糸を焦がすにおい
がする.
* 尚、sent は sentir の現在形で書かれていますが、
勿論、過去について語る場面なので、訳す時には
過去形に変えても大丈夫です.ただし、試験では
忠実に現在形にしておいた方が無難です.採点者
の立場としては、sent は「におっている」sentait が
「におっていた」で処理しなければならないのです.
そこは採点者も、本当につらいところなのですよ.
と、以前ハローで知り合った人(採点経験者)が嘆
いていましたのでお伝えいたします.
(ずいぶん前の話なので今は知らないですが)

以上、裏事情をお伝えしました.

 

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