【コラム】世界史の変曲点に立った韓国経済(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.01.15 10:34
2023年4月は現代世界史の変曲点として記録される見通しだ。
少なくとも世界的人口分布の面でそうだ。
中国の人口が14億2600万人をピークに減少に転じ、人口最多国の座を14億2800万人を超えるインドに明け渡すという国連統計が目を引く。
2050年に中国の人口は13億人以下に減り、インドは16億人を超える勢いだ。
その上2030年の中位年齢(総人口を年齢順で並べた時に真ん中となる人の年齢)予想も中国の42歳に比べインドは31歳と10歳以上若く、「人口ボーナス」が本格化して米国(40歳)と韓国(50歳)より有利になるだろう。
中国の生産可能人口減少は中国の経済的地位低下のシグナルと読み取れるという点で注目に値する。
最近世界銀行は今年の世界経済成長率見通しを従来の3.0%から1.7%に大幅下方修正した。
2008年の金融危機と2020年のコロナ禍による衝撃時期を除けばこの30年間で最も低い水準だ。
国際通貨基金(IMF)も世界的景気低迷への警告音を高めており、中国発のリスクを最大の伏兵に挙げている。
中国経済の鈍化は不動産不良、国家負債急増、高齢化などの構造的問題に起因するだけに、高成長時代への回帰は不可能とみられ、今後10年間に年平均3%台の成長にとどまるだろうという評価が出ている。
低成長構図の固定化で中国の世界成長への寄与度は過去の40%水準から20%台に落ちる見通しで、突然のゼロコロナ政策破棄の余波で広がった感染再拡大と変異株の可能性は地経学的不確実性を育てる。
3年前に発生したコロナ禍が国際秩序再編のゲームチェンジャーになるだろうという予測が実現する兆しだ。
最近「ピークチャイナ」(頂点中国)が話題だ。
国際関係学分野の世界的権威であるハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、中国がG2覇権競争で米国を超えるのが容易でない理由をいくつかの要因に求める。
最初に、地政学的側面で米国は太平洋と大西洋を抱え友好的な両国(カナダとメキシコ)と接しているのに対し14カ国と国境を接している中国は日本、インド、ベトナムなど多くの国と領土紛争に巻き込まれている。
2番目に、石油や石炭などエネルギーの対外依存度が高い中国は確固としたエネルギー自立体制を整えた米国に比べて不利だ。
3番目に、国際金融パワーで中国はドル基軸通貨体制を基盤とした米国の圧倒的地位と距離が遠い。
4番目に、人口構造で見れば今後10年間に主要15カ国のうち半数で生産可能人口が減る中、米国は5%増加し中国は9%減少する見通しだ。
5番目に、半導体や人工知能(AI)など先端技術競争力で米中格差は今後縮まってもひっくり返すのは難しい。
【コラム】世界史の変曲点に立った韓国経済(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.01.15 10:34
G2覇権対立の最大の恩恵国はインドだ。
IMFによると、現在の7位であるインドの国内総生産(GDP)は2027年に英国、ドイツ、日本を順に抜き世界3位に上がる見通しだ。
インドは今年世界的景気低迷の渦中にも昨年に続き主要国で最も高い6%台の経済成長率予測が出ており4%台の中国を大きく上回る見通しだ。
世界最大の投資会社ブラックロックは2023年を新たな国際秩序が可視化する年と予想している。
中国の成長鈍化は韓国経済に大きな負担だ。
貿易収支は9カ月連続の赤字で、対中輸出減少幅が拡大し昨年12月には前年同月比27%も減り韓国の製造業景気指標は悪化の一途だ。
今年も対中輸出は10%ほど減るとの見通しが優勢だ。
「ポストチャイナ」のインドと昨年韓国の最大貿易黒字国に浮上したベトナムをはじめとした東南アジア、そして中東などへ対外通商と投資の多角化を通じた経済領土拡張にさらに速度を高めなければならない時期だ。
世界秩序転換期の国の興亡は外交力と経済力にかかる。
「米国とあまりに近づけば共産党を失い、中国とあまりに近づけば国を失う」。
かなり前、筆者が世界銀行在任当時にベトナム出張中に会った現地高位当局者の言葉だ。
世界的体制変化時期の生存戦略は「バランスを取って力を育てること」という意味だった。
現政権の韓米同盟強化の努力とインド太平洋経済枠組み(IPEF)中心の世界的供給網再編参加は拡大しなければならない。
安保は米国、経済は中国に依存する「安米経中」という両極端的な戦略が通じない現在の状況ではさらにそうだ。
ただ中国に対する過大評価が問題であるように、性急な過小評価は禁物で、中国の高成長時代が過ぎたとしても潜在力を見逃してはならない。
韓国は何より対外環境変化に堂々と対処していく経済・安保能力を育てなければならない。
長期不況を意味する「パーマクライシス」(永続的危機)の警告まで出ているいまこそ経済体質改善と体力強化に向けた構造改革のゴールデンタイムだ。
景気浮揚に向けた財政・通貨拡張の余地があまりない現状では民間投資活性化を促進する労働改革と規制廃止などインフレを刺激しない政策代案が切実なためだ。
政府による労働・教育・年金の3大改革は潜在成長率回復に向けた喫緊の課題で、果敢な改革実践は国益を前面に出す生産的政治風土と成熟した市民意識にかかっている。
世界的力学構図変化の中で生きる道は国家競争力強化だ。
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.01.15 10:34
G2覇権対立の最大の恩恵国はインドだ。
IMFによると、現在の7位であるインドの国内総生産(GDP)は2027年に英国、ドイツ、日本を順に抜き世界3位に上がる見通しだ。
インドは今年世界的景気低迷の渦中にも昨年に続き主要国で最も高い6%台の経済成長率予測が出ており4%台の中国を大きく上回る見通しだ。
世界最大の投資会社ブラックロックは2023年を新たな国際秩序が可視化する年と予想している。
中国の成長鈍化は韓国経済に大きな負担だ。
貿易収支は9カ月連続の赤字で、対中輸出減少幅が拡大し昨年12月には前年同月比27%も減り韓国の製造業景気指標は悪化の一途だ。
今年も対中輸出は10%ほど減るとの見通しが優勢だ。
「ポストチャイナ」のインドと昨年韓国の最大貿易黒字国に浮上したベトナムをはじめとした東南アジア、そして中東などへ対外通商と投資の多角化を通じた経済領土拡張にさらに速度を高めなければならない時期だ。
世界秩序転換期の国の興亡は外交力と経済力にかかる。
「米国とあまりに近づけば共産党を失い、中国とあまりに近づけば国を失う」。
かなり前、筆者が世界銀行在任当時にベトナム出張中に会った現地高位当局者の言葉だ。
世界的体制変化時期の生存戦略は「バランスを取って力を育てること」という意味だった。
現政権の韓米同盟強化の努力とインド太平洋経済枠組み(IPEF)中心の世界的供給網再編参加は拡大しなければならない。
安保は米国、経済は中国に依存する「安米経中」という両極端的な戦略が通じない現在の状況ではさらにそうだ。
ただ中国に対する過大評価が問題であるように、性急な過小評価は禁物で、中国の高成長時代が過ぎたとしても潜在力を見逃してはならない。
韓国は何より対外環境変化に堂々と対処していく経済・安保能力を育てなければならない。
長期不況を意味する「パーマクライシス」(永続的危機)の警告まで出ているいまこそ経済体質改善と体力強化に向けた構造改革のゴールデンタイムだ。
景気浮揚に向けた財政・通貨拡張の余地があまりない現状では民間投資活性化を促進する労働改革と規制廃止などインフレを刺激しない政策代案が切実なためだ。
政府による労働・教育・年金の3大改革は潜在成長率回復に向けた喫緊の課題で、果敢な改革実践は国益を前面に出す生産的政治風土と成熟した市民意識にかかっている。世界的力学構図変化の中で生きる道は国家競争力強化だ。