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朝鮮人戦時労働者・韓国徴用工問題韓国における徴用工訴訟判決で、新日本製鐵(現新日鉄住金)が敗訴

2023-01-17 15:36:30 | 日記
朝鮮人戦時労働者・韓国徴用工問題
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韓国における徴用工訴訟判決で、新日本製鐵(現新日鉄住金)が敗訴しました。

大韓民国大法院による日本企業に対する判決確定について(外務大臣談話) | 

外務省

この判決は国際法違反であることが明らかですが、国際法とは何か?
韓国政府の過去の態度と矛盾しているのではないか?
このあたりを整理していきます。

  • 日韓請求権並びに経済協力協定
  • 条約法条約という国際法に違反している徴用工判決
  • 日本における徴用工裁判
  • 韓国の大法院が新日鉄への請求権を認めた根拠は?
  • 韓国政府も日本側に対する請求権が無いと言っていた
  • まとめ:韓国最高裁の賠償命令判決は国際法違反

日韓請求権並びに経済協力協定

まず日韓両国間の条約を確認しましょう。

両国の条約の名称は【財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定】(日韓請求権並びに経済協力協定)と呼ばれるものです。
第二条
 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

今回、韓国の大法院は「個人間の請求権」があるとして新日鉄住金に賠償命令を出しましたが、明確にこの条約に反しています。

なお、注意すべきは、日本側も「個人の請求権は失われていない」という立場であることです。

これは、「個人が戦時中の賠償を求めるのであれば自国の政府に対して行え」という意味であって、相手国の政府や相手国に属する個人や法人・団体に対する請求ができるということではありません。

条約法条約という国際法に違反している徴用工判決

日本も韓国も、条約法に関するウィーン条約(条約法条約)の締約国です。
第二十六条(「合意は守られなければならない」) 効力を有するすべての条約は、当事国を拘束し、当事国は、これらの条約を誠実に履行しなければならない。
韓国大法院が出した徴用工判決は、条約法に関するウィーン条約という国際法に違反しています。

なお、条約法条約には第二条1項には、『この条約の適用上、 (a)「条約」とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。)をいう。』とあるように、「協定」という用語が使われているからといって「条約ではない」などとは解されない。


大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について (外務大臣談話)

2023-01-17 15:17:05 | 日記
大韓民国による日韓請求権協定に基づく仲裁に応じる義務の不履行について
(外務大臣談話)

令和元年7月19日


1 日韓両国は,1965年の国交正常化の際に締結された日韓基本条約及びその関連協定の基礎の上に,緊密な友好協力関係を築いてきました。

その中核である日韓請求権協定は,日本から韓国に対して,無償3億ドル,有償2億ドルの経済協力を約束する(第1条)とともに,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決」されており,いかなる主張もすることはできない(第2条)ことを定めており,これまでの日韓関係の基礎となってきました。

2 それにもかかわらず,昨年一連の韓国大法院判決が,日本企業に対し,損害賠償の支払等を命じる判決を確定させました。

これらの判決は,日韓請求権協定第2条に明らかに反し,日本企業に対し一層不当な不利益を負わせるものであるばかりか,1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の法的基盤を根本から覆すものであって,極めて遺憾であり,断じて受け入れることはできません。

3 我が国は,国際社会における法の支配を長く重視してきています。

国家は国内事情のいかんを問わず国際法に基づくコミットメントを守ることが重要であるとの強い信念の下,昨年の韓国大法院の判決並びに関連の判決及び手続により韓国が国際法違反の状態にあるとの問題を解決する最初の一歩として,本年1月9日に日韓請求権協定に基づく韓国政府との協議を要請しました。

4 しかしながら,韓国政府がこの協議の要請に応じず,また,韓国大法院判決の執行のための原告による日本企業の財産差押手続が進む中,何らの行動もとらなかったことから,5月20日に韓国政府に対し,日韓請求権協定第3条2に基づく仲裁付託を通告し,仲裁の手続を進めてきました。

しかしながら,韓国政府が仲裁委員を任命する義務に加えて,締約国に代わって仲裁委員を指名する第三国を選定する義務についても,同協定に規定された期間内に履行せず,日韓請求権協定第3条の手続に従いませんでした

5 このことにより,5月20日に付託した日韓請求権協定に基づく仲裁委員会を設置することができなかったことは,極めて遺憾です。

6 昨年の一連の韓国大法院判決並びに関連の判決及び手続による日韓請求権協定違反に加え,今般,同協定上の紛争解決手続である仲裁に応じなかったことは,韓国によって更なる協定違反が行われたことを意味します。

7 日本政府としては,こうした状況を含め,韓国側によって引き起こされた厳しい日韓関係の現状に鑑み,韓国に対し,必要な措置を講じていく考えです。

8 本件の解決には,韓国が度重なる国際法違反の状態を是正することが必要であり,韓国に対し,そのための具体的な措置を直ちに講ずるよう,改めて強く求めます。

[参考]「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」(1965年12月18日発効)
第二条
  • 1 両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
  • (中略)
  • 3 2の規定に従うことを条件として,一方の締約国及びその国民の財産,権利及び利益であつてこの協定の署名の日に他方の締約国の管轄の下にあるものに対する措置並びに一方の締約国及びその国民の他方の締約国及びその国民に対するすべての請求権であつて同日以前に生じた事由に基づくものに関しては,いかなる主張もすることができないものとする。
第三条
  • 1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は,まず,外交上の経路を通じて解決するものとする。
  • 2 1の規定により解決することができなかつた紛争は,いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と,こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし,第三の仲裁委員は,両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
  • 3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき,又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは,仲裁委員会は,両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
  • 4 両締約国政府は,この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。


困難を極めた徴用賠償解決案、韓国の友好的な態度に日本も応えよ

2023-01-17 15:06:39 | 日記
【1月13日付社説】困難を極めた徴用賠償解決案、韓国の友好的な態度に日本も応えよ


▲韓国外交部の趙賢東(チョ・ヒョンドン)第1次官/NEWSIS

 徴用判決問題について韓国政府は「強制徴用被害者らは日本企業ではなく、韓国の日帝強制動員被害者支援財団から賠償金に相当する額を受け取る」という内容の案を公開した。

2018年に韓国大法院(最高裁判所に相当)は日本製鉄や三菱重工業など日本企業に対して徴用被害者に賠償金の支払いを命じる判決を確定した。

しかし日本側がこれに反発したため実質的に賠償は行われず、日本による経済制裁や韓国での日本製品不買運動など両国の激しい対立につながった。

 韓国として最善の解決策は大法院の判決通り日本企業から賠償金を受け取ることだ。しかし日本は「1965年の韓日合意で補償は終わった問題」としている。

今後日本企業が韓国に持つ資産を強制的に処分したとしてもたいした額にはならず、賠償額にはほど遠い。強制処分に伴う深刻な韓日間の摩擦も懸念せざるを得ない。

このような中で時間だけが過ぎ去り、賠償確定判決を受けた徴用被害者15人のうち12人はすでにこの世を去った。

日本との対立をただ続けることが本当に被害者のためになるのか、改めて考えるべき時期に来ているのだ。

 韓国政府は財団がいかなる資金によって判決で命じられた額を肩代わりするかなど、具体的な対応策は今回提示しなかった。

「今の状況ではかつて日本から受け取った請求権資金で実際に成長した韓国企業が動くべきだ」との世論が大勢を占める。

「韓国企業がなぜ日本企業の弁済を肩代わりするのか」という一部反発の声も一理ある。しかしこれ以外に現実的な解決策がないのも事実だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)前政権は徴用判決問題を終始放置し、逆に反日感情を刺激して国内の政治に利用した。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権もこのような計算ができないわけではないが、今回提示した解決策の理由は高齢の被害者が置かれた立場に加え、韓日関係改善が急がれるからだ。

徴用判決から5年で韓国政府は何とか第一歩を踏み出した。

日本政府も過去の協定にこだわるばかりではなく、韓国の友好的な態度に歩調を合わせるべきであり、日本企業による自発的な参加を止めるべきではない。歴史問題での謝罪表明もためらってはならない。


朝鮮日報/朝鮮日報日本語版