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3期目の習近平政権、ますます「敗色濃厚」なロシアとの付き合い方 微妙なバランスの中で探る“共闘”

2023-01-21 16:53:34 | 日記
3期目の習近平政権、ますます「敗色濃厚」なロシアとの付き合い方 微妙なバランスの中で探る“共闘”

2022/11/08

中国の習近平国家主席(c)zixia/123RF.COM・ロシアのプーチン大統領(

3期目が決定した習近平国家主席は、10月の共産党大会の席で、中華人民共和国建国100年となる2049年までに「社会主義現代化強国」を進めていく意思を強調した。

また台湾問題についても言及し、台湾の完全な統一は必ず実現させるとの意志を示し、平和的な統一を堅持するが武力行使を決して放棄しないと改めてけん制した。

こういった姿勢からは、米中対立がいっそう激化し、台湾問題が引き金となってそれがさらに先鋭化する恐れがあろう。

米中対立と同じように中台関係も近年最も冷え込んでおり、習政権3期目にとって米国と台湾が最も大きな問題となろう。

一方、習政権はロシアとどう付き合っていくのだろうか。

ロシアによるウクライナ侵攻以降、中国は一貫してロシアへの制裁や非難を回避し、エネルギー分野を中心にロシアとの経済的結び付きを強化してきた。

欧米からは中国はロシアを擁護しているとの批判も相次いだ。

だが、ウクライナでの戦況でロシアの劣勢が顕著になり、プーチン大統領が国民の部分的動員やウクライナ東部南部4州の併合などを一方的に進めたことで、中国としてもロシア寄りの姿勢を維持することが政治的に難しくなっていった。

習氏とプーチン大統領は9月中旬、ウズベキスタンで開催された上海協力機構の首脳会合に合わせて中露会談を行い、激変する世界情勢の中で中露関係の重要性をお互いに確認したものの、ウクライナ問題について習氏は沈黙を貫き、プーチンは「中国の懸念を理解している。中立的な中国の立場を高く評価する」と言及し、双方の間で乖離が生じていることが鮮明となった。

また、11月に入り、習氏は訪中したドイツのショルツ首相と会談した。

3期目になって初めての外交会談となる。

欧米が核使用をちらつかせるロシアへの非難を強める中、習氏は国際社会が核兵器の使用や威嚇に共同で反対するべきだとの見解を示し、軍事侵攻を続けるロシアを念頭に核兵器の使用に反対する考えで一致した。

これについてショルツ首相は、ロシアと繋がりが深い中国からも反対意見を引き出したとして会談の成果を強調した一方、習氏としても、欧米との対立が激しくなる中、欧米が懸念する核使用について同調する姿勢を示すことで中国警戒論を緩和させ、欧米の対中足並みを崩したい狙いがある。

このような昨今の事情もあり、習政権3期目はロシアと微妙なバランスを取りながら共闘を探ることになろう。

共産党大会で主張したように、習氏にとって最大の競争相手は米国であり、最重要課題は台湾である。

よって、それを基本原則に対米で共闘できるプーチン大統領は依然として重要な相手であり、ロシアとの政治、経済両面での関係を引き続き重視していくことになる。

しかし、これまで通りロシアへ非難も制裁もせず沈黙を貫けば、欧米だけでなく他の諸外国からも中国へ疑念や不満の声が拡大する恐れもあり、習政権3期目はその間で微妙なバランスを取らざるを得ないだろう。

そして、中国としては、ロシアがどの程度接近してくるかを注視している。

ロシアが核兵器を使うかどうかで世界の懸念が強まる中、メドベージェフ前大統領やショイグ国防相らロシア高官らが戦術核や「汚い爆弾」を使用する可能性を相次いで示唆する中、プーチン大統領は10月に、軍事的にも政治的にもウクライナに対して核を使用する必要はないと否定的な見解を示した。

仮に核を使用すればロシアと取り巻く国際情勢は一段と厳しくなる。

さすがのプーチン大統領もそれは承知しているとみられるが、もっと言えば、これはプーチン大統領の焦りの声でもあろう。

ロシアには中国との関係は何としてもキープしておく必要があり、中露関係においては“ロシアの中国依存”がますます強まっている。

習政権3期目としてはそこにも配慮しながらロシアとの関係を維持していくことになろう。

◆治安太郎(ちあん・たろう) 国際情勢専門家。各国の政治や経済、社会事情に詳しい。各国の防衛、治安当局者と強いパイプを持ち、日々情報交換や情報共有を行い、対外発信として執筆活動を行う。
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2023年びっくり予想!世界の金融機関がマジメにリポート 戦争、株価、為替、岸田首相辞任の行方

2023-01-21 15:57:41 | 日記
2023年びっくり予想!世界の金融機関がマジメにリポート 戦争、株価、為替、岸田首相辞任の行方

公開日:2023/01/07 06:00 更新日:2023/01/07 06:00

終戦は近いとの読みも(C)ロイター=共同拡大する

 2023年はどんな年になるのか。昨年暮れから今月初めにかけて経済シンクタンクや証券各社が“びっくり予想”を次々と発表している。「まさか!」と声を上げそうになる内容も含まれる。当たって欲しい予想もあれば、そうでないものも……。

 ◇  ◇  ◇

 昨年の「びっくり予想」で「ロシアのウクライナ侵攻」を的中させたのは大和証券だ。

「両国の関係が緊迫していたのは確かです。でも、本当にロシアが侵攻すると考えていた人は少なかったでしょう。それだけにびっくり予想とはいえ見事でした」(市場関係者)

 今年、大和証券はどんな予想を掲げたか?

■ウクライナ勝利で戦争終結

 10ある予想のうち、目を引くのは「ウクライナの事実上の勝利による早期戦争終結」だ。

ウクライナが東部・南部4州の奪還に勝利をおさめたうえ、米国による停戦に向けた仲介などいくつかの条件が整えばとの注釈付きだが“戦争終結”を予想。ただし、不気味な一文もある。

<「強いロシア」の幻想を守れなかったプーチン氏は失脚を余儀なくされようが、国家主権を失うような敗戦でない限り、後継者はシロビキ(諜報機関、治安組織、軍出身のエリート)から選ばれ、権威主義的な国家体制は温存されよう>

「ならず者ロシア」は1962年以来の危機に

プーチンはどう動くのか(C)ロイター拡大する

 米調査会社のユーラシアグループは、「23年の10大リスク」のひとつに「ならず者ロシア」を挙げた。

屈辱を受けたロシアは世界で最も危険なならず者国家に変貌し、ヨーロッパ、米国に深刻な安全保障上の脅威をもたらすとしている。

 プーチン氏の脅威は明白となり、戦術核兵器をウクライナに近づけ、それを公表する可能性がある。直接の核使用はありそうにないが、1962年のキューバ危機以来、23年はどの時期より核の危機は高まると予想した。

■EU軍の創設

「EU軍の創設でEUは完全に統合」という大胆予想をしたのはデンマークの金融機関サクソバンク。

真の経済・政治連合であれば、国家の安全保障は最優先事項のひとつでなければならないとし、23年の大きな動きとしてEU加盟国が28年までにEU軍を設立するとした。

 EU軍は、完全に有人で展開可能な陸・海・空・宇宙ベースの作戦部隊で、25年までにEU加盟の20カ国以上が参加する緊急配備部隊を整備すると予想している。

円安の限界は1ドル=200円

さらなる円安も…(C)日刊ゲンダイ拡大する

 サクソバンクは日本に関する大胆予想も掲げた。「日本は金融システムを抜本的に見直し、円安の限界を200円に設定」という内容だ。

 財務省は為替介入で円安を食い止めるが、外貨準備高の半分以上を費やす。

それでも円は下落し、1ドル=180円を超えると日銀は「円相場の限界を200円と宣言」。

これは金融システムをリセットするための一時的な措置で、続けて日銀は保有するすべての債権を貨幣化し、消却。

日本の公的債務負担を軽減するために、この措置は続き、日本の公的債務はGDP比100%まで減少。日本は理想的な危機対応モデルを確立した……という中身だ。

 22年末の債務残高はGDP比で262.5%。予想通りだと半分以下に減少する。

日本にとっては夢のようなサプライズ?

■日経平均は3万5000円へ

 こちらもうれしい大胆予想となっている。西村証券の「びっくり10大予想」に「日経平均株価は3万5000円」があり、こう書かれている。

<宇宙開発・環境関連・安全保障関連など、製造業の中には期待できる企業が多くあります。こうした企業を中心に、日経平均株価は高値3万5000円と予想しています>

 4日の大発会は前年末比377円安の2万5716円で引けた。

 市場にどんよりムードが漂ったが、それほど心配する必要はなさそうだ。野村証券も1月1日付のリポート(野村週報)で<冬場の調整後の株価回復で、日経平均は23年12月末に3万円を予想>としている。

菅首相の再登板

返り咲き?(C)日刊ゲンダイ拡大する

 西村証券は「国連改革、日本が常任理事国入り」とも予想。

<ウクライナ戦争により、ロシアの常任理事国剥奪は必至と思われます。その場合、日本が常任理事国入りする可能性はかなり高いでしょう>

 また「統一地方選後に岸田首相が辞任、菅前首相が返り咲き」も10大予想のひとつに挙げた。河野デジタル相、小泉元環境相なども重要ポストで起用されるとも……。

 金価格のびっくり予想もある。

「金は3000ドルまで上昇」(サクソバンク)だ。

現在は1850ドル前後(4日)なので倍近い値上がりとなる。

その理由は、中国が春ごろにゼロコロナ政策から本格的に脱却し、中国での需要が大幅に上昇するなどを挙げた。世界での流動性が高まる結果、23年には少なくとも3000ドルに到達するのだとか。

トランプ新党の結成

トランプは新党結成?(C)共同通信社拡大する

 最後はあったら台風の目になりそうな米国に関する予想。「トランプ新党の結成」(大和証券)だ。

 昨年の中間選挙の結果を受け、共和党内では24年の次期大統領選でトランプ氏を擁立しても勝てないと、トランプ氏に見切りを付ける動きが出つつあるとし、<仮に今後、共和党内で支持が広がらなかった場合、トランプ氏は共和党を飛び出して、新党を立ち上げ、大統領選に挑むかもしれない>。

 当たるも八卦当たらぬも八卦──。



韓国の「2023年の経済見通し」、再び「落ち込み」フェーズに入るという予想が出始めたワケ

2023-01-21 15:33:33 | 日記
韓国の「2023年の経済見通し」、再び「落ち込み」フェーズに入るという予想が出始めたワケ

2022/12/29(木) 8:03配信

2023年の経済見通し

 11月24日、韓国の最新の経済見通しが韓国銀行から公表された。

韓国銀行は韓国の中央銀行であるが、GDP統計を公表しており、日本の内閣府の国民経済計算部のような機能を持っている。

また韓国開発研究院は政府傘下の研究所である。
 
この2つの機関が公表する経済見通しは、韓国経済の先行きを予想するうえで重要な道標となる。

韓国開発研究院は11月10日に最新の経済見通しを公表していたため、これで2つの重要な機関の経済見通しがそろったこととなる。 

 今回は韓国銀行の見通しを中心にみてみよう。

2023年のGDPの成長見通しは1.7%であり、今年の実績見通し値の2.6%より1%ポイント程度低下した水準となる。

2020年にコロナ禍で経済成長率が下落した後、2021年に回復し、今年はようやく潜在成長率といわれている2.5%前後に落ち着き、経済が巡航速度に乗ったとみられたなか、来年の経済成長率は再び落ち込むことが予測されている。

  主要な需要項目をみると2023年はすべて今年に比べて調子が良くない。

まず景気が良くなるにしろ悪くなるにしろその発端になる動きを示す輸出である。

輸出は今年の実績見通し値が3.4%であるなか、2023年は0.7%に低下すると見通されている。

  これは地域でみれば中国向け輸出、品目別でみればIT輸出が不振となることに起因する。

中国についてはゼロコロナ政策が継続され、不動産市場も沈滞するなど景気が悪化している。

来年に入ればゼロコロナ政策が緩やかに緩和され、内需の悪化も改善の兆しが見えてくる可能性があるが回復までには時間がかかりそうである。

そうなれば中国向け輸出も不振となる。

  地域別にはアメリカ経済も不安要因のひとつである。

アメリカ景気もインフレ抑制のため度重なる利上げをしており、消費者や企業の景気に対する心理が委縮しているなか、景気が今後鈍化すると見通されている。 

 今後、FRBが緊縮基調を続けつつ、経済成長の鈍化させるなか、好調な雇用がこの悪影響をどの程度和らげるかがカギとなってくる。

いずれにせよ、韓国の主要輸出先である中国とアメリカの景気に不安要素があるため、2023年の輸出はどうしても不振にならざるを得ない。 

 また品目別にも輸出には悪い環境である。

韓国の輸出はこれまで半導体を中心とするIT関連品目が引っ張ってきた。

コロナ禍によるリモートワークの普及などにより、半導体の需要が大きく増え、韓国の半導体輸出も2020年後半以降大きく増加してきた。

しかし、半導体需要は、コロナ禍後の特需が一服してしまった。

  さらには、世界各国がインフレに対処するため金利を引き上げていることもあり、各国で景気の鈍化傾向がみられ半導体に対する需要も減退してしまった。

韓国の輸出は品目的には半導体をはじめとしたIT品目が牽引していた。2023年はこれが鈍化する見通しであるため、伸び率が低下することが見通されている。

個人消費はどうか?

 次に個人消費もみてみよう。

個人消費は、韓国政府のwithコロナ政策への転換もありようやくコロナ禍からの呪縛から抜けることができた。

よって他の事情が一定であれば、サービス消費を中心に2023年の個人消費は堅調に推移してもいいはずである。

  しかし、韓国銀行によれば、今年は4.7%増であった個人消費は、2023年は2.7%増にまで低下すると見通されている。

  この要因は、韓国も世界の趨勢にもれずインフレ傾向であることから実質的な購買力が低下していることである。

インフレであっても賃金増が十分に追いついていれば購買力が低下することはない。

しかし、インフレほどには賃金は上昇しないことが予想されており、実質的な購買力が低下してしまい、その結果、個人消費が低迷する可能性が高い。

設備投資も厳しい…

 最後に設備投資もみてみよう。

設備投資は今年景気が回復基調にあったなかで唯一調子が悪かった需要項目であり、実績見通し値は-2.0%である。

しかし2023年は-3.1%になり、マイナス幅が拡大してしまうなど、さらに調子が悪くなる予想である。 

 この理由としては海外需要が減少することで、生産量を拡大する必要がなくなること、金利の引き上げや利益の減少など資金調達に関する条件が悪化することが挙げられる。

2021年まではIT部門の設備投資が好調であったが、半導体の価格が2022年から下落し、在庫も増加している。

そして2023年にこの状況が好転することが見込めないなか、設備投資がさらに不調になることが見通されている。

  韓国の経済成長率は、2018年は2.9%であったが、2019年には米中貿易摩擦の影響を受け輸出が不振となったことから2.2%に低下した。

さらに2020年にはコロナ禍により-0.7%となったが、2021年にはコロナ禍からV字型回復し4.1%となった。

  そして、2022年はまだ公式統計は出ていないが、韓国銀行の実績見通し値では2.6%であり、潜在成長率に近い水準に落ち着くことになった。

このまま2023年も同程度の成長率を維持できれば、韓国の経済成長は巡航速度で安定するはずであったが、残念ながら、そうはならないようである。 

 韓国は世界経済の動向に左右されるが、2023年は中国やアメリカを中心に世界経済が思わしくなく、韓国もそれに引っ張られて、経済が振るわない状態となることが予測される。

尹錫悦(ユンソギョル)政権にとって、2023年は初めて経験する経済が不振となる年になりそうである。

尹錫悦大統領は経済に精通した大統領とはいえず、経済政策のブレインがいるわけでもない。

よって官僚をうまく使いこなして経済の不振を乗り越えていく手腕が試される。2023年は尹錫悦大統領にとって試練の年になりそうである。

高安 雄一(大東文化大学教授)