昨日はレイトショーでアバターを観てきた。では、いつも通り極力ネタバレしないように感想等を…。
えー、まず、ストーリーはネタバレの境界が分からなくなるくらい分かりやすい。一言で言えば、「オラたちの里を荒らす奴等はゆるさねえ!」というもの。いささか乱暴すぎか。
では。サム・ワーシントン演じる半身不随になってしまった元海兵隊のジェイク君が、アバター・プロジェクトに抜擢されて、惑星パンドラへ派遣されるところから始まる。この、“アバター”ってのが、あのブルーマンが猫コスプレしてるやつな。アバターってのは、人間のDNAと惑星パンドラに住むナヴィ族の掛け合わせで、なんと、本人の意思をリンクすることが出来るってんだからびっくりよ。T4では人間とターミネーターのハイブリッドやってたワーシントンさんも今度はブルーマンとのハイブリッドなんて大忙しだな。
で、先述のアバター・プロジェクトってのが、惑星パンドラにあるレアアースみたいなもんを採掘するための侵略プロジェクトなのである。レアアースの上に住む土民どもを蹴散らして、どっかのアニメで観たことあるようなでっかい木の下にしこたま眠っている金づるを掘り起こしてやろうって筋書きだ。
というわけで、主人公のジェイク君は、猫耳ブルーマンになって、レアアースをゲットするためにナヴィ族らと交渉し、彼らを立ち退かせる任務に就く。しかし、ナヴィ族と共に生活をしていくにつれ、やっべえ、この体、この自然、楽しすぎ!不純異性交遊万歳!もう、他人の里を荒らす汚れた人間なんてあっぷよ!などと葛藤しながら、次第に意識を変えていく。
そんな中、ついに「ヤッチマイナ!」とブチ切れる汚れた人間どもが実力行使に踏み切った!さあ、どうするジェイク君!?どうする…!?
いよいよ完全にネタバレしそうなので、話の概要はここまで。まあ、その先も想像は容易だろうが…。
さて、そんなこんなで、実に明快なテーマとストーリーなこの映画。あとはキャメロン監督お得意のオタクアクションてんこ盛りよ。
もう、結論言うと、熱い映画だ。予告編で物凄く心配だったけど、良い意味でやられちまったね。21世紀初頭SF娯楽大作極まれり。
SFものっていうと世界観を理解するのが難しかったりするんだよな。まあ、私自身が頭悪いせいもある。で、今回もそういう場合を恐れて、あらかじめ世界観やあらすじ等を頭にブチ込んで置いた…。
しかし、その辺は流石キャメロン監督は導入の仕方が上手いんだよな。たとえば、ターミネーターだと、追っ手から逃げる車中でカイル・リースがサラ・コナーに世界観を全部ぶちまけるシーンがある。あれって、観客に説明してくれてるんだよな。アバターでも同様に、冒頭に説明がある。この鉱物がめちゃくちゃ高値で売れるんだぜ!って辺りのくだりは、流石に説明しすぎじゃねえかと思ってしまうくらいぶちまけている。キャシャーン(実写映画版じゃねぇぞ!)なみの説明っぷりであるが、開始10~20分で大方の説明がされるので、テーマが分かりやすいのもあいまって、ストーリーに入り込みやすかった。
お次は肝心のアクションに目を向ける。なんせ立派なアクション映画だ。単純にファンタジーだの、肥大した人間文明への警鐘だの、そんなのはもうどうでもいいんだよ。そういうテーマを踏まえながら、オシッコ漏らしそうな映像を武器に、立派にアクションして下さるキャメロン監督が素敵過ぎるんだよ。ぶっちゃけ似たような映画は山ほどあるが、「俺ならこうやるぞ!」っていう気概がひしひしと感じられる。
パワードスーツとか、馬鹿でかい飛行艇の造形の格好よさ。こういうものを観るにつけ、毎度ながらキャメロン監督って熱心な“理系”オタクだよなあ、と思う。あと、やっぱり相変わらず日本のアニメ好きなんだろうなあ、と…。
あ、そうそう、今回の映画で、一番輝いていたのがラスボスと呼ぶべき大佐殿だね。マグカップ片手に大量のミサイルぶち込んで侵略する姿が痺れるぜ。そして、あのラストにおける主人公との一騎打ちよ!熱い!熱すぎる!だからこの先言わない!気になったら劇場で観なさい!
キャメロン監督作品お馴染みの“強い女性”も大活躍。特に、ヒロイン以上に活躍して下さったシガニー・ウィーバーはもちろん、ミシェル・ロドリゲス素敵すぎまっせ。
そして、アバターよ、おお、アバターよ、予想通りエロかった。うわ、うわわー!そ、そげなこと!あ、あげなこと!って、ゆきめさんか、と。溶けちゃうぞ、と。予告編でピンときたもんな!ああ、この映画エロいぞ!って。予想が当たってニンマリよ。ナヴィ族はもちろん、触手系がわんさか出るわでもう大変なんですから。
うん、酷いな。エロはさておき、あとはやはり映像ね。すげえよCG。壮大な惑星パンドラの動植物をはじめとする設定の細かさも、キャメロン監督の“理系”オタクっぷりが見てとれる。いや、もはやオタクなどと軽々しいものは既に超えているよな。ごめんなさい。どうなっちゃってるんだろう、彼の頭の中は。
映像に関して一つ問題を挙げるとすれば、この映画の肝みたいなもんだが、3Dだろうか。3D上映初体験ってのがあるからかもしれんが、画面の端っこや、激しい動きがあったりするシーンがなかなか観辛いのが難点。
別に3Dじゃなくてもいいんじゃないの?ってのが素直な感想。3Dメガネ重いしなぁ。私の場合はメガネonメガネに加え、日本人ながらの団子っ鼻なのでずり落ちたら鼻が詰まってなかなかキツかったぞ。まあ、これからやたら3Dを売り込みたがっている「業界」のことだから、観やすくなる技術革新に期待しようかね…。
そんなこんなで、汗と期待と不安にまみれて観に行ったらオシッコドバー!という傑作だった。色々書いたけど、監督の見せたい映像を見る為に、是非3D版で観るべし。本編は160分超だけど、長編映画苦手な私も全く苦ではなかった。久しぶりに熱い映画だった。
ただ、一つ悔しいのは、めちゃくちゃ爆笑したシーンがあったんだが忘れてしまったことだよなぁ。本当に頭弱ってるな。こうなりゃ、もう一回ってのも…ありか…な?
あ、そんなことより、ナウシカやら、ラピュタやら、パトレイバーやら、いろいろ観たくなってきたので、ツタヤでも行って来るか。