山形夏旅、初日は鶴岡で泊ました。
翌朝、テレビをつけたら、
奥さん 「今日も、曇り雨だわ」
への次郎 「鶴岡散策は止めて、羽黒山に行き、早めに鶴岡を離れようか」
梅雨末期。移動途中で何が起こるか分かりません。まずは、しっかり腹ごしらえ。
和食もいただき、最後はカレーで〆めてホテルを後にしました。
東に向かって車を走らせていたら、前方に大きな鳥居!
奥さん 「大きいね」
への次郎 「美しい。横綱の土俵入りのようだ」
振り返ったら、広~い庄内平野!
への次郎 「今年も『つや姫』は豊作だ!」
奥さん 「『雪若丸』かもね」
■羽黒山
天気が心配になり、一気に頂上(414m)まで車で行くことになりました。
途中から有料道路に入って、やがて、
山頂駐車場に到着。車を降りて、道なりに進むと、
雰囲気のある杉並木に入って行って、
その先に、
鳥居がありました。
鳥居をくぐって、まっすぐ進むと、
「三神合祭殿」が見えてきました。
への次郎 「ここにお参りすれば、出羽三山全部を巡ったことになるんだって」
奥さん 「ほんと! じゃ、『生まれ変わり』の旅ができるんだね」
古来より、羽黒山は現世の幸せを祈る山、月山は死後の安楽と往生を祈る山、湯殿山は生まれ変わりを祈る山とされ、三山に参ることは、過去・現在・未来をめぐる「生まれ変わり」の旅とされました。それがここに参っただけでできるというのです。羽黒山は「生まれ変わり」の聖地なんですね。
社に回って、軒下を見上げたら、確かに社額が三つ。
我々も、このファミリーのあとに続きました。
奥さん 「よかったわ、無事お参りできて」
への次郎 「そうだね、小雨ですんだしね」
ここに来た目的を果たし、木陰で休んでいたら・・・。
奥さん 「あっ!」
指さした方向を見たら、人が二人、登ってきたのです、2500段の石段を!
先頭の人は修験者の正しい装束に身を固めて。実はこの二人、外国人だったのです!
二人の修験者を見送ったあと、駐車場に戻っていたら、いましたよ、あの人。
調べたら、芭蕉が羽黒山に到着したのは六月三日(陽暦7月19日)、我々が行った二日後。あの長い石段を登りながら読んだのが、「涼しさや ほの三日月の 羽黒山」。
駐車場に戻ってきました。茶店でお団子をいただき、ひと休み。
着いたときは鳴いていなかったヒグラシ、頭上で盛んに鳴いていました。
■庄内観光物産館
羽黒山を後にし、雨の中、もう一度鶴岡に戻り、庄内観光物産館に入りました。
「芋煮だけじゃない、玉こん」。確かに。
くどき上手、羽黒山のふもとにある酒蔵のお酒です。
お土産を買ったあと、館内にある味処庄内庵にやって来ました。
への次郎は麦切り(980円)を注文。
麦切りとは、庄内地方独特のやや細いうどんで、冷やして食べます。右手前はとろろ。
奥さんが注文したのは、庄内彩り御膳(2500円)。注目は、かごの中の大きなお椀。
庄内地方の郷土料理むきそば。ソバの実をむいて茹で、だし汁をかけて食べる文化庁認定の「 100年フード」です。もとは関西方面の寺院で食されていたものが、江戸時代に北前船で酒田に伝えられ、家庭の食べ物となったようです。
「むきそば」は、シャキシャキした食感がありました。麦切りも「むきそば」も、暑い山形の夏に食欲をそそる食べ物でした。
つづく