最近、「4年ぶり」という言葉をよく聞きます。新型コロナウィルスのために中止されていた諸行事が復活してきたんですね。
への次郎が再開を楽しみにしていたのが杵振り花馬祭り。この祭りの最後に、花馬が神社の石段を駆け上がります。その場面が『男はつらいよ(第44作)』のラストシーンに出てくるんですね。それを見たくて、4年ぶりに行われた祭りに行って来ました。
4月16日、この日新緑を楽しもうと、高速道ではなく国道19号を走って行きました。
「若葉の緑が濃くなってきたなぁ」
やって来たのは、旧蛭川(ひるかわ)村。合併によって現在は、岐阜県中津川市蛭川です。蛭川総合事務所に駐車、人声のする方を見たら、祭り装束をした人たちがいました。
「ここが行列の出発地だな」
集合写真を撮った後、リーダーが注意事項等を説明。このあと出発の準備が始まったので、先回りして一行を待ち構えることにしました。
通りで待っていたら、笛と太鼓の音が聞こえてきて、
「やっと来たぞ!」
先頭は棒を振り回して道を開けるように促す赤鬼と青鬼。子供らにアメを配るひょっとこ。写っていませんが、愛嬌を振りまくおかめもいました。
さらに柄杓を振り回す赤装束の天狗、サカキをもった端正な顔立ちの稚児が続きました。
その後ろに、来ました来ました、軽妙に杵を振って踊る踊り手。
赤、黄、青のなんともカラフルな大きな帽子と衣装。足にはわらじ。
50メートルほどの長さの踊り手の隊列のあとに、お囃子(笛と太鼓)が続いていて、
しんがりは、大きな獅子でした。
「危ないよ!!」
この獅子、酔っぱらっているように右に左に、前に後に激しく暴れながら進み、
途中から消防団に左右を固められ、酒蔵の前で小休止。ここ、寅さんにも出ていて、ほら。
(『男はつらいよ第44作』)
酒蔵の前で休んでいた一行を追い越して、先に進んで振り返ると、この群衆!
「村人が皆集まった感じだなぁ」
と思って見ていたら、背後から、
「ワッショイ! ワッショイ!」
水をかけられながら神輿がやっ来て、獅子の方に突進!
「ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ! ワッショイ!」
酒蔵の前で騒ぎが続きましたが、何が行われていたのか、確認はできませんでした。
やがて見物人の移動が始まって、
人々がやって来たのはここ、安弘見(あびろみ)神社。
前方の石の鳥居をくぐって、参道を右上に進むと、
上に広場があって、蛭川小学校の子供たちが杵振り踊りを披露していました。
杵振り踊りは、この安弘見神社の例大祭で奉納される踊りなんですね。
小学生に続いて、婦人会などの踊りが披露されていたら、お囃子の音。見ると、
2キロ近くを練り歩いて来た一行約150人の疲れ姿。最後の力を振り絞り、
神社本殿に向かって、踊りながら石段をのぼって行きました。
一行の姿が消えると、広場に神馬と花馬の登場です。
右は紅白の布団の上にサカキをさした神馬。左は花飾りを背中にさした花馬。両馬の前で花馬唄が披露されました。
このあと、行列の一行が本殿から広場に下りて来て、最後の杵振り踊りを披露します。そのあと、いよいよ待ちに待った寅さんのあの場面が見られるのですが、ここで放送が…。
「えっ?!」
放送によると、馬が練習中に足を怪我し、今年の石段駆け上りは中止にしたと。への次郎、もうガックリ。最後の杵振り踊りを見届けることなく、この場を去ることになりました。
「帰りに笠置鶴でも買っちゃお」