朝、名古屋駅から約1キロの距離の地下街を抜けて地上に出る。
朝の太陽が眩しい。
わずかに目を細めながら、直線の道路を歩いて仕事場に向かう時、彼女はやってくる。
顔は見たことがない。
後ろからスタスタスタと軽快に、小走りにオレを追い抜いてゆく。
仕事に急いでいるのだな、と誰でも分かる走り方。
ランニングとか健康ジョギングではない、女性特有の内股系の小走りである。
小柄というか、痩せ形の女性。
肩までの黒髪が左右に揺れている。
後ろ姿から想像するに、年の頃なら40代後半という感じである。
顔は見ることができない。
後ろから追い抜かれるのだ。
オレを追い抜くと、いつも3~5メートルほど前で普通に歩きだすのだった。
彼女が普通に歩くと、オレの歩幅と違って小柄な女性らしく距離が稼げない。
ピッチを上げてくれないとすぐに追いついてしまうのである。
目の前に、小柄な女性がゆっくり歩かれるとぶつかってしまう。
まあ、要するに邪魔なのである。
オレの目の前を歩く彼女をまたオレが追い抜くためには、結構な迂回をしないといけない。
大周りをして彼女を抜いて、目の前の障害物がなくなり、視界が広がりホッとする。
すると、ここからが彼女の真骨頂。
しばらくすると、再びスタスタスタと足音も軽やかに、小走り女は黒髪を左右に振りながらオレを追い抜いていく。
そして、同じ3~5メートルという微妙にうっとうしい距離で歩きだす。
そして、そこから30秒後にはオレは大きく迂回しながら普通に歩きながら彼女を抜かなくてはならないのである。
彼女と出会うと、必ず2~3回、これを繰り返さなくてはならない羽目になる。
はじめは、どぶろっくの歌のように
「もしかしてだけど、オレの気を引こうとしてんじゃないの~?」などと、思ったりもした。
しかし、それはどうも違うようなのであった。
あれから数日経って、同じように歩いていると、オレの数10メートル先で、オレと同じことを彼女は、どこかのサラリーマンのお兄ちゃんに挑みかかっていたのである。
お兄ちゃんは、普通に歩いているだけなのに、謎の女に付きまとわれて困惑してる雰囲気をぷんぷんさせて大周りに彼女を追い抜き、そして再び小走りに追い抜かれていたのである。
そうなのだ。
彼女は、急いでいるのだが、走ることはさほど得意ではなさそうだ。
走れる継続時間が短いのである。
悪気はないのだろうが、「目の前の人を追い抜いたら歩く」というチャレンジを自らに課しているのではないか、という気がするのだ。
たまたまオレは、彼女の出勤時間にあの道を歩くことが多い、というだけの話なのだろう。
だが、できることなら、彼女のターゲットにはなりたくない。
朝から、変なストレスはいらねえっす。。。
朝の太陽が眩しい。
わずかに目を細めながら、直線の道路を歩いて仕事場に向かう時、彼女はやってくる。
顔は見たことがない。
後ろからスタスタスタと軽快に、小走りにオレを追い抜いてゆく。
仕事に急いでいるのだな、と誰でも分かる走り方。
ランニングとか健康ジョギングではない、女性特有の内股系の小走りである。
小柄というか、痩せ形の女性。
肩までの黒髪が左右に揺れている。
後ろ姿から想像するに、年の頃なら40代後半という感じである。
顔は見ることができない。
後ろから追い抜かれるのだ。
オレを追い抜くと、いつも3~5メートルほど前で普通に歩きだすのだった。
彼女が普通に歩くと、オレの歩幅と違って小柄な女性らしく距離が稼げない。
ピッチを上げてくれないとすぐに追いついてしまうのである。
目の前に、小柄な女性がゆっくり歩かれるとぶつかってしまう。
まあ、要するに邪魔なのである。
オレの目の前を歩く彼女をまたオレが追い抜くためには、結構な迂回をしないといけない。
大周りをして彼女を抜いて、目の前の障害物がなくなり、視界が広がりホッとする。
すると、ここからが彼女の真骨頂。
しばらくすると、再びスタスタスタと足音も軽やかに、小走り女は黒髪を左右に振りながらオレを追い抜いていく。
そして、同じ3~5メートルという微妙にうっとうしい距離で歩きだす。
そして、そこから30秒後にはオレは大きく迂回しながら普通に歩きながら彼女を抜かなくてはならないのである。
彼女と出会うと、必ず2~3回、これを繰り返さなくてはならない羽目になる。
はじめは、どぶろっくの歌のように
「もしかしてだけど、オレの気を引こうとしてんじゃないの~?」などと、思ったりもした。
しかし、それはどうも違うようなのであった。
あれから数日経って、同じように歩いていると、オレの数10メートル先で、オレと同じことを彼女は、どこかのサラリーマンのお兄ちゃんに挑みかかっていたのである。
お兄ちゃんは、普通に歩いているだけなのに、謎の女に付きまとわれて困惑してる雰囲気をぷんぷんさせて大周りに彼女を追い抜き、そして再び小走りに追い抜かれていたのである。
そうなのだ。
彼女は、急いでいるのだが、走ることはさほど得意ではなさそうだ。
走れる継続時間が短いのである。
悪気はないのだろうが、「目の前の人を追い抜いたら歩く」というチャレンジを自らに課しているのではないか、という気がするのだ。
たまたまオレは、彼女の出勤時間にあの道を歩くことが多い、というだけの話なのだろう。
だが、できることなら、彼女のターゲットにはなりたくない。
朝から、変なストレスはいらねえっす。。。