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CR環境ニュースは数回に分けてDX(デジタルトランスフォーメーション)について発信します。記事は主に経済産業省のDXガイドラインと筆者が他からの情報を加味してお伝えします。
DX No4
7.「DX推進ガイドライン」の概要
実際にDXを推進していくには、どうすればいいのでしょうか。ひとつの指針となるのが、経済産業省が2018年10月に取りまとめた「DX推進ガイドライン」です。
デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX 推進ガイドライン) Ver. 1.0 平成30年12月 経済産業省
はじめに
あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデル を展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、 競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。 このような中で、我が国企業においては、多くの経営者が DX の必要性を認識し、DX を 進めるべく、デジタル部門を設置する等の取組が見られる。
しかしながら、PoC(Proof of Concept: 概念実証、新しいプロジェクト全体を作り上げる前に実施する戦略仮説・コン セプトの検証工程)を繰り返す等、ある程度の投資は行われるものの実際のビジネス変革に は繋がっていないという状況が多くの企業に見られる現状と考えられる。
今後、DX を実現していく上では、デジタル技術を活用してビジネスをどのように変革するかについての経営戦略や経営者による強いコミットメント、それを実行する上でのマイ ンドセット(経験や教育、その時代の空気、生まれ持った性質などから形成されるものの見方や考え方を指す言葉です。信念や心構え、価値観、判断基準、あるいは暗黙の了解や無意識の思い込み、陥りやすい思考回路といったものもこれに含まれます。コトバンクの定義)の変革を含めた企業組織内の仕組みや体制の構築等が不可欠である。
また、DX を本格的に展開していく上では、そもそも、既存の IT システムが老朽化・複雑 化・ブラックボックス化する中では、データを十分に活用しきれず、新しいデジタル技術を 導入したとしても、データの利活用・連携が限定的であるため、その効果も限定的となって しまうという問題が指摘されている。加えて、既存の IT システムがビジネスプロセスに密 結合していることが多いため、既存の IT システムの問題を解消しようとすると、ビジネス プロセスそのものの刷新が必要となり、これに対する現場サイドの抵抗が大きいため、いか にこれを実行するかが課題となっているとの指摘もなされている。 このことは前述の「2025年の崖」でも指摘したことです。
このような現状を踏まえ、経済産業省では平成 30 年 5 月に「デジタルトランスフォーメ ーションに向けた研究会」(座長:青山幹雄南山大学理工学部ソフトウェア工学科 教授)を 設置し、IT システムのあり方を中心に、我が国企業が DX を実現していく上での現状の課 題の整理とその対応策の検討を行い、『DX レポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~』として報告書を取りまとめた(平成 30 年 9 月 7 日公表)。
この提言を受け、今般、経済産業省は、DX の実現やその基盤となる IT システムの構築を 行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にすること、取締役会や株主が DX の取組 をチェックする上で活用できるものとすることを目的として、本ガイドライン『デジタルト ランスフォーメーションを推進するためのガイドライン』(DX 推進ガイドライン)を策定 した。
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