本当にしんどいところを抜けて来て、今は開けたところに立っている。
気がついたら足元に大きな穴が洞窟の入り口のようにぽっかり口を開けているので面白くそれを眺めている。
娘は大人になり、他も手を離す時が近づいてきた。
どうやらここ数年、いやもっとか、続いていた任務はそれぞれ形は違えど一旦完了しつつあるらしい。
久しぶりの踊り場。
でも今度はここからつながる階段は見えなくて、ここから私はどこへ飛んでいく、らしい。
今は他ならぬ自分を拾い集めて身繕いをしている。
ずっとそこにあったとても小さなピース。
それを自分に取り付けた時の深いところから湧いてきた満足感。
なんだいままで私は一本足で立っていたのか。