車の入れない未舗装の小道を抜けると地の果てのような浜に出た。
砂に埋もれる小箱のようなコンクリートの建物。
大きく深くうねる海へと続く桟橋。
遠くに風力発電の風車。
私たちは強い風に煽られてすぐに砂だらけになって、笑いながら歩きにくい砂丘を踏んだ。
船の着くことのない桟橋はまっすぐ沖に400メートル延びている。
風と砂と海、そして桟橋。
グレーチングの上から強く押し寄せる翠の波を見下ろしていたら、懐かしく美しいここがどこだったかわかった気がした。
「座標がちょうど今」と言った人と夢の中で会ったハテノ浜。
そこに本当に来てしまったんだ。
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