8)第三の青春 ①モンテッソーリとの出会い2
モンテッソーリ教具のもつ内容の奥の深さと素晴らしさ。
松本先生及び2人の助手の先生の見事な手順と手さばき。
無駄のない一連の洗練された動作は品格を備えることを悟らせてくれました。
息を飲む思いの3日間の講習会、松本先生のご指導を直下にいただけることは夢のまた夢、これこそ神の恵みでありました。
この講習会を機に全職員が立ち上がりました。
各自の押入れの中から贈答品の数々取り出し、日常生活の練習のために用具を揃え、一応お盆にセットしました。。
少しずつ教材が出来上がると皆で喜び合いました。
理事長先生や鈴木先生は、教具棚づくりに専念し、春休みの幼稚園は俄かに沸き立ちました。
何もなかった保育室にはヨーロッパから買い求めてきたモンテッソーリ感覚教具と、日常生活の練習のためのの家庭用品が棚に並べられて俄か作りの環境整備ではありましたが、一クラス分の子ども達が自由に関われる教材らしき物を備えたのです。
その後、全クラス分の教具づくりにただ夢中でした。
市内を2~3人で組んで歩き回り、子どもが使いやすいような茶器、お盆、バケツ、水差し等々探し求めるのも一つの楽しみでした。
お土産を頂いても中身より外箱の小さな綺麗な箱や器の方が大事に思えたのです。
職員一同が心を一つにして、その目的に向かって猛進することが出来ると言うことはかつてないことでした。
これはまさにモンテッソーリ教育のおりなす魅力に他なりません。
職員一同教師冥利に尽きました。
松本先生は、釧路での私達の講習会を最後に再びイタリア、オランダ、アメリカへ渡られ、3年間の勉強に励まれたのです。
私達にとりましてはこの講習会はまたとない貴重なチャンスで、幸運というよりほかにありません。
本当にありがたい3日間講習会でありました。
昭和50年、モンテッソーリトレーナーの資格を取得されて帰国された松本先生は、「東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター」を創設され、所長となられました。
先生のご帰国を待ちわびていた私は、昭和52年、その3期生として入学することが出来ました。
松本先生から「入学することは出来ますが、出ることは大変ですよ」と言われました。
当時は60歳でしたが「今より若いときは無い」と思って入学を決意し1年間のトレーニングに精魂を打ち込みました。
辛い苦しい時もありましたが、何年か後になったら「あの時は若かったなぁ」と来る時が来ると思って頑張りました。
そして今、その時が来て「よくやったなあ」「やっていてよかったなぁ」とひしひしと思うのです。
同じ目的に向かって勉強した仲間達、講師陣懐かしく尊い1年間でありました。
≪写真≫ 学校から徒歩40分のところに宿を借りて。
22年後、孫の一宏先生の同じ道を通り通学することに。
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