歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

社内の軋轢の件

2021-06-04 10:33:31 | 歴史に学ぶ人事経営論
今川家の家臣であった井伊直政は、今川家が滅亡したことにより、15歳で徳川家康の家臣となった。
つまり、徳川家の中途採用者だ。

「新参者の私が出世するには、手柄を立てるしかない。」
燃えに燃えていた直政は、次々と目覚しい活躍を遂げる。
その奮闘に感激した家康に認められ、直政の待遇は、たちまち重臣と肩を並べるほどになった。
この空前のスピード出世が、徳川家に騒動を巻き起こすことになる。

古くからの家康の家臣は、新参者の出世が面白いはずがない。
「直政は、家康殿の夜伽の相手をしている。」
根も葉もない噂を立てられる。

家中を分裂し兼ねない不穏な空気の中、家康は、一計を案じる。
「直政、そなたが大将を務めよ。」
新たに創設した家康の直属部隊の大将に任命された。

この家康の決断は、家中に更なる紛糾を招くことになる。
特に、有力武将である榊原康政は、怒り心頭。
「直政と出くわしたら、刺し違える。」

「直政ならば、与えられた立場に甘んじることなく、更なる活躍を見せ、皆を納得させるに違いない。」
家康の作戦は、2年後に実を結ぶことになる。

織田信長の後継者として着実に力を付けた羽柴秀吉。
その秀吉と家康との直接対決が勃発(小牧・長久手の戦)。
秀吉軍10万に対し、家康軍は3万。
この時、己の兵を率いて出陣した直政は、周囲の制止を振り切り、敵陣に突入。
あっけにとられる配下の家臣を振り返った直政は叫んだ。
「我に後れをとる者は、今後、男と名乗ることを許さない。」
直政の熱気に突き動かされた部隊は、見事な活躍をみせた。
こうして、徳川勢は、秀吉の大軍相手に互角以上の戦を繰り広げた。

直政が、与えられた立場にふさわしい手柄を立てたことで、批判の声は徐々になくなっていった。
更に榊原康政からは、目をかけられるほどになり、2人とも、後の徳川四天王に数えられる武将となる。

かくして、雨降って地固まるのごとく、徳川家は、強固な絆で結ばれることとなった。

人材登用における社内の軋轢は、現代でも同じではないだろうか。
皆さんなら、どのように対処しますか。


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