歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

二心を見抜く方法

2021-08-14 12:50:02 | 歴史に学ぶ人事経営論
江戸城では、朝廷の使者をお迎えする儀式が執り行われていた。
儀式の際、人々の面前で、吉良上野介にあざけられ、激怒した浅野内匠頭は、突発的に吉良を斬り付けた(松の廊下の刃傷事件)。
上野介は、深手を負ったものの、命に別状はなかった。儀式の場を汚したとして、浅野は将軍徳川綱吉から切腹を命じられる。

江戸から届いた知らせは、藩士の切腹と藩の取り潰しだった。お家取り潰しにより、家臣は家を失い、浪人となる。
赤穂浅野家空前の危機の際、藩のかじ取りを担っていたのは筆頭家老大石内蔵助だ。

大石は、浅野家家臣300名を一堂に集めた。
「各々方、いかにいたす。」
「城を枕に討ち死にじゃ。」「処分を受け入れよう。」
など、議論百出。しかしながら、
「幕府に対し、命を懸けて抵抗しよう。」
という意見が続出した。

大石は、苦渋の決断の末、赤穂城の明け渡しを決断。
家臣たちは住むところを失い、バラバラに。
この時、大石は、家臣の心が離れないよう秘策を練っていた。
「互いに申し合わせた本意を達成すること。」
本意とは、吉良を討つことである。藩士に署名させ、提出させた。神文と言われる誓約書だ。
主君の無念を晴らすため吉良を討つという目標が、バラバラの浪士たちを大石のもとに繋ぎ止めていた。

やがて時が流れ、大石は京都に同志を集め、宣言した。
「江戸へ行き、吉良を討つ。」
ところがその直後、大石は意外な行動に出る。同志たちに使者を派遣。彼らと交わした神文を返却したのだ。
「これからは、妻子養育のため、働くことにしました。皆さんも、それぞれ勝手次第に致されるよう。」
神文を返すと、二心を持った者は、「ともかく受け取ろう。」と返事をする。
一方、志の高い者は、激怒した。
「侍であるからには、一たび申し合わせたことは行うべきだ。」
そういった者にだけ、事情を話し、改めて、同志にしたのだ。

かくして、討ち入りの強い覚悟を決めた50名ほどの忠臣が残った。

二心を見抜く方法。
現代のビジネスでも、活用できないだろうか。


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1 コメント

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忠臣蔵の日  (もののはじめのiina)
2021-12-14 11:47:37
きょう12月14日は、47士が討ち入りした「忠臣蔵の日」です。

いろは歌を7文字づつに区切った最後の文字をつなげると「とが なくて しす」と読めると申します・・・❔

それにしても、浅野内匠頭はどうして上野介に斬りつけたのでしょうか❔
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