🍀生物の進化🍀②
そうした進化の過程の中で、
今から、およそ5億4,000万年前から4億9,000万年前のカンブリア紀に、
突然、複雑で大きな動物が一斉にどっと現れ始めます。
いわゆる、「カンブリア爆発」です。
カンブリア爆発は、動物の進化史上の大事件ですが、
カンブリア紀にいったい何が起こったのでしょうか。
諸説ありますが、
生物を食べる "捕食者" の出現が、カンブリア爆発の引き金になったんではないかと私は考えています。
それまでの生物は、小さくて柔らかい体をしており、
体を大きくする必要性もない平和な環境で生きていました。
しかし、カンブリア紀に他の動物を食べる捕食者が出現したことで、
食べられる側の生物は生き残りを賭け、
貝殻をつくって身を守ったり、眼や骨を発達させて泳いで敵から逃げたりと、
体を進化させていったのです。
すると今度は、食べる側も貝殻を砕くために歯をつくり、
獲物を追いかけるために眼や骨を発達させて進化していった。
そのような「食うか食われるか」の競争は、
まるで軍拡競争のようにエスカレートし、世界中のあらゆる場所で、
一気に動物の多様化や大型化が進んでいたのでしょう。
特に眼があるとないとでは、獲物を見つけたり、襲ったりする時の成功率に大きな違いがあったはずです。
カンブリア紀の最大の捕食者であるアノマロカリスは大きな眼を持っていました。
もしもカンブリア紀の動物たちが、アノマロカリスに見つかったら、無事に逃げおおせることはほぼ不可能だっただろうと思います。
眼の進化だけでカンブリア爆発を説明することはできませんが、
大きな影響を及ぼしたことは確かです。
猛毒の酸素を克服するために進化した真核生物もそうですが、
進化は安逸な環境の中で起こるというよりも、
むしろ "生きるか死ぬか" という厳しい環境乗り越えていこうとする中で起こるのです。
また、動物は長時間を掛け、ゆっくり進化したのではなく、
一千万年という短時間で一気に増大し、
脊索(せきさく)動物や節足動物など、現在のほぼ全ての動物のグループが現れました。
そして、その後は、少ししかグループは増えていません。
(つづく)
(「致知」8月号 更科 功さんより)
そうした進化の過程の中で、
今から、およそ5億4,000万年前から4億9,000万年前のカンブリア紀に、
突然、複雑で大きな動物が一斉にどっと現れ始めます。
いわゆる、「カンブリア爆発」です。
カンブリア爆発は、動物の進化史上の大事件ですが、
カンブリア紀にいったい何が起こったのでしょうか。
諸説ありますが、
生物を食べる "捕食者" の出現が、カンブリア爆発の引き金になったんではないかと私は考えています。
それまでの生物は、小さくて柔らかい体をしており、
体を大きくする必要性もない平和な環境で生きていました。
しかし、カンブリア紀に他の動物を食べる捕食者が出現したことで、
食べられる側の生物は生き残りを賭け、
貝殻をつくって身を守ったり、眼や骨を発達させて泳いで敵から逃げたりと、
体を進化させていったのです。
すると今度は、食べる側も貝殻を砕くために歯をつくり、
獲物を追いかけるために眼や骨を発達させて進化していった。
そのような「食うか食われるか」の競争は、
まるで軍拡競争のようにエスカレートし、世界中のあらゆる場所で、
一気に動物の多様化や大型化が進んでいたのでしょう。
特に眼があるとないとでは、獲物を見つけたり、襲ったりする時の成功率に大きな違いがあったはずです。
カンブリア紀の最大の捕食者であるアノマロカリスは大きな眼を持っていました。
もしもカンブリア紀の動物たちが、アノマロカリスに見つかったら、無事に逃げおおせることはほぼ不可能だっただろうと思います。
眼の進化だけでカンブリア爆発を説明することはできませんが、
大きな影響を及ぼしたことは確かです。
猛毒の酸素を克服するために進化した真核生物もそうですが、
進化は安逸な環境の中で起こるというよりも、
むしろ "生きるか死ぬか" という厳しい環境乗り越えていこうとする中で起こるのです。
また、動物は長時間を掛け、ゆっくり進化したのではなく、
一千万年という短時間で一気に増大し、
脊索(せきさく)動物や節足動物など、現在のほぼ全ての動物のグループが現れました。
そして、その後は、少ししかグループは増えていません。
(つづく)
(「致知」8月号 更科 功さんより)