🚚トラックドライバー🚚
あるトラックドライバーのエピソードをご紹介します。
「瑠美子さん」という中学3年生の話です。
「飛行機に関わる仕事をしたい」という夢を持っていた彼女は、
その夢を叶えるために、地元の埼玉県から遠く離れた石川県輪島市にある日本航空高等学校を受験することになりました。
前日からお母さんと共に夜行列車を乗り継ぎ、
受験会場の同高校へ向かっていた時でした。
猛吹雪のため、新潟県長岡市で電車が止まってしまったのです。
そこから受験会場まで300キロがあります。
朝まで電車が動くのを待っていたら間に合いません。
「終わった…」、瑠美子さんは静かなホームに立ちすくみ、
涙が止まらなくなりました。
でも、お母さんは諦めませんでした。
「ヒッチハイクをしよう」
と2人で駅を出て、
富山方面へ向かう車に乗せてもらうことができました。
しかし、それは新潟県直江津までしか行かない車でした。
午前2時、吹雪の深夜に走る車もありません。
上越市内を西へ2時間歩き、
10キロ先の給油所までたどり着いたものの、
吹雪の中では、もうそれ以上歩けませんでした。
その給油所で、断られながらも必死に石川方面に向かう車を探していると、
神戸まで行くというトラックの運転手が、
「金沢市までなら」と乗せてくれました。
やがて、トラックが富山県の手前に差し掛かった時でした。
運転手が、
「…、よし、輪島まで行っちゃる!」
と方向を変え、輪島に向かってくれたのです。
富山から輪島までおよそ100キロ。
運転手にとっては往復200キロ、4時間のロスでした。
試験開始時間が近づき、学校から連絡がきました。
前日の大雪を把握していた学校側はもう来られないと思っていたようで、
「今、向かっています」
と伝えると、驚いていたそうです。
そして、とうとう瑠美子さんを乗せたトラックは輪島の受験会場に到着しました。
試験開始10分前、ギリギリの到着でした。
運転手は名前を「横山」とだけ伝え、
連絡先は教えてくれなかったそうです。
そして、
「うちの娘も受験生だから気持ちはよく分かる。頑張れよ」
と励まして去っていきました。
試験開始後、作文を作文の問題を見た瑠美子さんは目を丸くしました。
テーマが「私が感動したこと」だったのです。
彼女は迷うことなく、直前に起こった感動の出来事を書きました。
「絶対にあきらめない」と懸命に車を探してくれた母のこと。
見ず知らずのトラックの運転手が受験会場まで乗せてくれたこと。
作文の最後はこう結ばれていました。
「このような形で、人の優しさに触れることができ、感動、感謝でした」
やがて、瑠美子さんのもとに合格通知が届いたそうです。
このエピソードはテレビでも紹介され、最後はそのトラックの運転手を探し当てることができたといいます。
でもその方は、
「そんな大層なことをしたわけではないので、
取材は勘弁してください」
と固辞されたそうです。
世の中、いろんなところで、いろんな人が仕事をしています。
たった一回しかない人生ですから、
私も彼のように見えないところで輝くような仕事、
そして生き方を目指していきたいと考えております。
(「みやざき中央新聞」2017.7.10 木南 一志さんより)
あるトラックドライバーのエピソードをご紹介します。
「瑠美子さん」という中学3年生の話です。
「飛行機に関わる仕事をしたい」という夢を持っていた彼女は、
その夢を叶えるために、地元の埼玉県から遠く離れた石川県輪島市にある日本航空高等学校を受験することになりました。
前日からお母さんと共に夜行列車を乗り継ぎ、
受験会場の同高校へ向かっていた時でした。
猛吹雪のため、新潟県長岡市で電車が止まってしまったのです。
そこから受験会場まで300キロがあります。
朝まで電車が動くのを待っていたら間に合いません。
「終わった…」、瑠美子さんは静かなホームに立ちすくみ、
涙が止まらなくなりました。
でも、お母さんは諦めませんでした。
「ヒッチハイクをしよう」
と2人で駅を出て、
富山方面へ向かう車に乗せてもらうことができました。
しかし、それは新潟県直江津までしか行かない車でした。
午前2時、吹雪の深夜に走る車もありません。
上越市内を西へ2時間歩き、
10キロ先の給油所までたどり着いたものの、
吹雪の中では、もうそれ以上歩けませんでした。
その給油所で、断られながらも必死に石川方面に向かう車を探していると、
神戸まで行くというトラックの運転手が、
「金沢市までなら」と乗せてくれました。
やがて、トラックが富山県の手前に差し掛かった時でした。
運転手が、
「…、よし、輪島まで行っちゃる!」
と方向を変え、輪島に向かってくれたのです。
富山から輪島までおよそ100キロ。
運転手にとっては往復200キロ、4時間のロスでした。
試験開始時間が近づき、学校から連絡がきました。
前日の大雪を把握していた学校側はもう来られないと思っていたようで、
「今、向かっています」
と伝えると、驚いていたそうです。
そして、とうとう瑠美子さんを乗せたトラックは輪島の受験会場に到着しました。
試験開始10分前、ギリギリの到着でした。
運転手は名前を「横山」とだけ伝え、
連絡先は教えてくれなかったそうです。
そして、
「うちの娘も受験生だから気持ちはよく分かる。頑張れよ」
と励まして去っていきました。
試験開始後、作文を作文の問題を見た瑠美子さんは目を丸くしました。
テーマが「私が感動したこと」だったのです。
彼女は迷うことなく、直前に起こった感動の出来事を書きました。
「絶対にあきらめない」と懸命に車を探してくれた母のこと。
見ず知らずのトラックの運転手が受験会場まで乗せてくれたこと。
作文の最後はこう結ばれていました。
「このような形で、人の優しさに触れることができ、感動、感謝でした」
やがて、瑠美子さんのもとに合格通知が届いたそうです。
このエピソードはテレビでも紹介され、最後はそのトラックの運転手を探し当てることができたといいます。
でもその方は、
「そんな大層なことをしたわけではないので、
取材は勘弁してください」
と固辞されたそうです。
世の中、いろんなところで、いろんな人が仕事をしています。
たった一回しかない人生ですから、
私も彼のように見えないところで輝くような仕事、
そして生き方を目指していきたいと考えております。
(「みやざき中央新聞」2017.7.10 木南 一志さんより)