ここ3週間ずっと30度を超す猛暑の日が続いて、昨日は36度を記録している。それでも今日は伊勢本街道「不動滝」から山粕東口バス停まで歩いてきた。なにもこんな時期に歩くことはないのに・・・と思いながらも、「お四国歩き遍路」の体験で鍛えられた精神と体力はコレを受け入れた。。。。。
午前10時45分上田口弁天バス停に着いて、11時30分不動滝に来ていた。
不動杉を確認して緩やかな登りをゆっくり進んでいくと、鶯やヒグラシやキリギリスの鳴き声がまるで合奏しているかのように聞こえてきた。そしてふと見上げるときれいなユリの花が一輪木々の間から顔を出していた。「こんにちは!」元気をもらった。
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明円寺に着いたのは正午。ここは室生の黒岩という所、境内の隅に「石黒さん」と言う黒い溶岩が置かれていた。どのような謂れがあるのかな?黒岩の地名に関係があるのかな?
おにぎりとお菓子を食べて再び歩き出した時、草刈をされていた黒岩集落の方が声を掛けて下さった。「ずっと昔の伊勢街道はこの裏手の高い道を歩いていたのですよ。」と指さして教えて下さった。へぇ~。勿論私達は新しい舗装された林道を通ることになる。
(画像はクリックすると拡大する)
杉林を抜けると三叉路があって菅野村行悦の道標と山粕峠への標識があった。碑文には「はせより是迄五り 是より宮川へ十六り半 回國供養 菅野村行悦」と刻まれているそうである。一里は約4キロとして長谷から20キロ歩いてきたんだ。伊勢の宮川まで後66キロという事になるのかな。
この道標は菅野村(現在の御杖村)出身の行脚僧・行悦が残した石碑で、徳川吉宗時代のものだそうだ。
そういえば前回の歩きで専明寺の近くに供養碑があったけな。あれもこの僧が残したものの1つなんだと、今写真を繰リ返し説明文を読んで解った。ココに並べておこう。
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再び杉林に入ったが10分程で視界がパッと広がり明るくなって、青田のきれいな緑が目に飛び込んできた。そして遠くに大きなどんがめ石が見えた。この石にもきっと何かの謂れがあるに違いないと思って側まで行ってみたが、期待していた案内板はなかった。お花が咲いていて川を覘くと小魚が楽しそうに泳いでいた。私も一緒に水の中に居るような錯覚を起こして一瞬暑さを忘れることができた。(笑)
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また林道に入ることになった。マップにある六字名号碑を確認。
いよいよ峠の登りとなり山が深くなって湿気も多くなってきた。彼が沢蟹を見つけた。山で蟹?なれどきれいな水と餌が有れば静かなユートピア!・・・ひょっとすると放浪の旅に出て山粕峠を越えようと思っているのかな?(笑)写真を撮らせてねとシャッターを切る。
午後1時半、峠の頂上も近くなってきたかと思う時突然遠くに雷の音!そして間もなくパラパラと雨粒が落ちてきた。怪しい雰囲気に大急ぎでリュックから合羽を取り出した。念の為にと簡易合羽を入れておいたのが幸いした。
バリバリ ゴロゴロ ピカピカ ゴロゴロ・・・・・・・・・・・・身を寄せる所もなく、引き返すわけにもいかず前進あるのみ。この峠は石割峠(標高695M)よりも低いはず。それ程の危険は無さそうだが兎に角一分でも早く平地に出ようと思った。頂上の標識もあったはずで確認したかったがそれどころではない、滑らないよう足元に細心の注意を払いながら必死で彼の後ろを歩いた。暗闇に近い暗さのなか無事に川も渡り川に沿う道をひたすら歩いて行くと、嬉しいことに辺りが明るくなって雨も小降りになってきた。細田神社の立札があった。これが「佐田の宮跡」だと解ったのは平地に下りてからだった。。。。。
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草に埋まった在るか無きかの細い道を歩いてやっと車道に下りることが出来た。未だ霧雨は降っていたが、やれやれこれで一安心、目の前に高石バス停を見た。バス停前のお家の方が「どうぞ雨宿りを。」と声を掛けて下さったので軒をお借りすることにした。ご親切に心から感謝、とても嬉しかった。
いろんな話をして下さった。
細田神社が佐田の宮跡で、平家一門の武将に所縁があるとか弘法大師に所縁があるとかで左の写真右奥に映っている洞窟には大己貴命(おおむなちのみこと)が祀られているそうである。
この辺の農家の方は、山粕峠を越えてあの「どんがめ石」あたりの田んぼを耕していられるそうだ。そういえばこの辺は植林した山で囲まれている。かつては林業が盛んだった頃もあっただろうに。又「ようこそ伊勢街道山粕宿へ」の立札があるように昔は旅籠街として栄えていた所だそうだ。
山粕は室生村と曽爾村の境目で、今は曽爾村に合併されたが、昭和29年10月1日までは室生村だったことも話して下さった。道理で山粕郵便局のポスト横にある石標には室生村道路元標と刻まれていた。
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大きな水槽の中でキラキラ輝きながら泳いでいる白い魚、聞けばメダカだそうで、クロメダカとヒメダカしか知らない私はびっくりした。
きっと物欲しげな顔をしていたに違いない私、生まれたばかりのメダカ数匹を瓶に入れて下さった。「ありがとうございます。きっときっと立派に大きく育てます。」と大喜びで頂戴した。
すぐ近くにはめだか街道があって、「鶴瓶の家族に乾杯」に取り上げられたらしい。聞けばこのダルマメダカ1匹700円とのお値段に二度びっくり!しっかり大きくして報告を兼ねて今度はクロメダカを持って車でぶらりとお礼に尋ねて行きたいと思う。(この辺にクロメダカは居ないそうである。)
山粕東口バス停で15時17分発の榛原行に乗った。やっぱり今回もたった二人の乗客でなんだか申し訳ないような気持ちがしたよ。
山粕峠越え・伊勢本街道宇陀の難所二人歩きは、なんといっても峠の雷雨とダルマメダカが一生の思い出になりそう。。。。。
おつかれさま。
午前10時45分上田口弁天バス停に着いて、11時30分不動滝に来ていた。
不動杉を確認して緩やかな登りをゆっくり進んでいくと、鶯やヒグラシやキリギリスの鳴き声がまるで合奏しているかのように聞こえてきた。そしてふと見上げるときれいなユリの花が一輪木々の間から顔を出していた。「こんにちは!」元気をもらった。
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明円寺に着いたのは正午。ここは室生の黒岩という所、境内の隅に「石黒さん」と言う黒い溶岩が置かれていた。どのような謂れがあるのかな?黒岩の地名に関係があるのかな?
おにぎりとお菓子を食べて再び歩き出した時、草刈をされていた黒岩集落の方が声を掛けて下さった。「ずっと昔の伊勢街道はこの裏手の高い道を歩いていたのですよ。」と指さして教えて下さった。へぇ~。勿論私達は新しい舗装された林道を通ることになる。
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杉林を抜けると三叉路があって菅野村行悦の道標と山粕峠への標識があった。碑文には「はせより是迄五り 是より宮川へ十六り半 回國供養 菅野村行悦」と刻まれているそうである。一里は約4キロとして長谷から20キロ歩いてきたんだ。伊勢の宮川まで後66キロという事になるのかな。
この道標は菅野村(現在の御杖村)出身の行脚僧・行悦が残した石碑で、徳川吉宗時代のものだそうだ。
そういえば前回の歩きで専明寺の近くに供養碑があったけな。あれもこの僧が残したものの1つなんだと、今写真を繰リ返し説明文を読んで解った。ココに並べておこう。
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再び杉林に入ったが10分程で視界がパッと広がり明るくなって、青田のきれいな緑が目に飛び込んできた。そして遠くに大きなどんがめ石が見えた。この石にもきっと何かの謂れがあるに違いないと思って側まで行ってみたが、期待していた案内板はなかった。お花が咲いていて川を覘くと小魚が楽しそうに泳いでいた。私も一緒に水の中に居るような錯覚を起こして一瞬暑さを忘れることができた。(笑)
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いよいよ峠の登りとなり山が深くなって湿気も多くなってきた。彼が沢蟹を見つけた。山で蟹?なれどきれいな水と餌が有れば静かなユートピア!・・・ひょっとすると放浪の旅に出て山粕峠を越えようと思っているのかな?(笑)写真を撮らせてねとシャッターを切る。
午後1時半、峠の頂上も近くなってきたかと思う時突然遠くに雷の音!そして間もなくパラパラと雨粒が落ちてきた。怪しい雰囲気に大急ぎでリュックから合羽を取り出した。念の為にと簡易合羽を入れておいたのが幸いした。
バリバリ ゴロゴロ ピカピカ ゴロゴロ・・・・・・・・・・・・身を寄せる所もなく、引き返すわけにもいかず前進あるのみ。この峠は石割峠(標高695M)よりも低いはず。それ程の危険は無さそうだが兎に角一分でも早く平地に出ようと思った。頂上の標識もあったはずで確認したかったがそれどころではない、滑らないよう足元に細心の注意を払いながら必死で彼の後ろを歩いた。暗闇に近い暗さのなか無事に川も渡り川に沿う道をひたすら歩いて行くと、嬉しいことに辺りが明るくなって雨も小降りになってきた。細田神社の立札があった。これが「佐田の宮跡」だと解ったのは平地に下りてからだった。。。。。
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草に埋まった在るか無きかの細い道を歩いてやっと車道に下りることが出来た。未だ霧雨は降っていたが、やれやれこれで一安心、目の前に高石バス停を見た。バス停前のお家の方が「どうぞ雨宿りを。」と声を掛けて下さったので軒をお借りすることにした。ご親切に心から感謝、とても嬉しかった。
いろんな話をして下さった。
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この辺の農家の方は、山粕峠を越えてあの「どんがめ石」あたりの田んぼを耕していられるそうだ。そういえばこの辺は植林した山で囲まれている。かつては林業が盛んだった頃もあっただろうに。又「ようこそ伊勢街道山粕宿へ」の立札があるように昔は旅籠街として栄えていた所だそうだ。
山粕は室生村と曽爾村の境目で、今は曽爾村に合併されたが、昭和29年10月1日までは室生村だったことも話して下さった。道理で山粕郵便局のポスト横にある石標には室生村道路元標と刻まれていた。
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大きな水槽の中でキラキラ輝きながら泳いでいる白い魚、聞けばメダカだそうで、クロメダカとヒメダカしか知らない私はびっくりした。
きっと物欲しげな顔をしていたに違いない私、生まれたばかりのメダカ数匹を瓶に入れて下さった。「ありがとうございます。きっときっと立派に大きく育てます。」と大喜びで頂戴した。
すぐ近くにはめだか街道があって、「鶴瓶の家族に乾杯」に取り上げられたらしい。聞けばこのダルマメダカ1匹700円とのお値段に二度びっくり!しっかり大きくして報告を兼ねて今度はクロメダカを持って車でぶらりとお礼に尋ねて行きたいと思う。(この辺にクロメダカは居ないそうである。)
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山粕東口バス停で15時17分発の榛原行に乗った。やっぱり今回もたった二人の乗客でなんだか申し訳ないような気持ちがしたよ。
山粕峠越え・伊勢本街道宇陀の難所二人歩きは、なんといっても峠の雷雨とダルマメダカが一生の思い出になりそう。。。。。
おつかれさま。