はじめに
*成虫画像はありません。
ここでいうインカクワガタ(ズゲリ)とは
インカクワガタ属の基準種であるIncadorcus zugeri zugeriを指し
藤田宏著「世界のクワガタムシ大図鑑・6」には
インカクワガタ属 Incadorcus 6種 が掲載されています。
インカクワガタ Incadorcus zugeri zugeri(基準種・基準亜種)
ssp. cozcoensis(亜種)
ダマソインカクワガタ Incadorcus damasoi
サンディアインカクワガタ Incadorcus sp.
シャウナインカクワガタ Incadorcus shaunai
ミシェルインカクワガタ Incadorcus michellae
インカクワガタの属名にはdorcusの文字がありますが
幼虫の頭部、特に大あごの形状は一般的なDorcus属とは全く別物で
ちょっと紛らわしいです。
↓ 特徴的な大アゴ形状
インカクワガタ ズゲリ
Incadorcus zugeri Arnaud et Bomans,2006
分布:ペルー(インカクワガタ全種?)
体長:オス19.0〜21.2㎜ メス14.6〜15.0㎜.
今回幼虫で入手したのは「ズゲリ」とか「ズギーリ」と呼ばれる基準種です。
ズゲリをはじめとするインカクワガタの大アゴは左右非対称で
特にオスのそれは顕著のようです。
また、ズゲリの市場流通量は少なく
生態や飼育に関する情報も多くありません。
入手した個体の産地、ペルーワヌコの気候を調べると
どうやら日本のような明確な四季はないようです。
ワヌコの標高は1800㎜以上あり
一日の温度差が大きく、日中は26度前後で
朝晩は10度を切る月もあるようです。
そして、降水量が少ないのも地域の特徴みたいです。
↓ 飼育個体 2齢幼虫
↓ 2齢初期なのか透明感がある
↓ はじめて見るタイプの大アゴ
ズゲリの幼虫は腹部がやや大きく太く見え
どちらかというと
ネブトクワガタや小型のツヤクワガタみたいな印象を受けました。
↓ 比較参照画像 左:ズゲリ2齢幼虫 右:コツヤクワガタ2齢幼虫
ズゲリの幼虫は
ある程度発酵したマットで比較的容易に育つらしく
今回も「ヒラタ・ノコ1番」を使いました。
管理温度は他種との関係で16〜20度の範囲です(冬季)。
↓ 「ヒラタ・ノコ1番」でまとめ飼い
投入した幼虫がこのまま順調に育てば
来年の盛夏には羽化するものと思われます。
第一目標は、成虫1ペア確保です。
参考文献:
藤田宏,2010.世界のクワガタムシ大図鑑・6.むし社.
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