2012年7月25日(水) 何年かぶりに今は上越市となったある支所から、「以前計画したプロジェクトの見直しをしたいが、これまでの経緯を教えてほしい」と電話があった。 約10年前に当社で計画した町の大規模プロジェクトが、その後の合併でほとんど実現できないまま終わりそうになっているというのだ。 合併によって吸収された町村では、自分たちの地域のことを自分たちで決められなくなり、結局新市の中心部の論理が優先され、結果的に地方は切り捨てられていく。 数年ぶりに現地に行ってみたが、舗装されていない中途半端な道路と駐車場の一部が着工されていたが、通行止めのまま放置されているありさまである。 地元には何回も説明会を開き、大半の土地は借地して整備をすることで合意していた。 いまさらどう地元に説明すれば良いのか、担当者は悩んでいた。 最終的に大幅に計画を縮小した上で2年後の合併債が終了する前に何とか少しでも整備費を確保したいというのだ。 地域住民に散々将来の夢を語っておいて、土地を無償貸与させ、これから計画的に整備を始めようとしていた矢先の合併で、地域住民は完全に梯子をはずされた格好である。 これからどう着地させるのか簡単ではない。
〈放っておくと波浪によって浸食されていく砂丘の植物群落〉
〈コオニユリの小さな群生が点在している〉
〈砂丘草原の中にヤマユリが咲いていた〉