2011年7月14日(木)、尾瀬の植生復元調査の下見のため、昨日環境省桧枝岐自然保護官事務所で打ち合わせをした後、燧ケ岳の北側ルートの登山口にある御池ロッジに向かった。 午後から夕立となり一時すごい土砂降りになったが、夕方は一旦雨はあがった。 燧ケ岳は2度目だが、もう30年以上前のことである。その時は尾瀬沼側から登ったことしか覚えていない。 山形県の別の現場に行っていたパーティ2人が夜9時前に宿に合流し、4名で早朝7次前に御池ロッジを出発し、最初の目的地である熊沢田代に向かった。 環境省の首席自然保護管であるN氏にはとてもついていけそうにないので、1時間ほど後から来てもらって現地で合流することにした。 それでもN氏には手前の広沢田代のあたりで追いつかれてしまった。 広沢田代の湿原はちょうどワタスゲが見ごろとなっていた。 先々週はモンゴルの草原でワタスゲの群落を見たが多分これと同種と思われる。 広沢田代からはS君とT君(高校時代山岳部だった)の2人にN氏と一緒に先に行ってもらい、私と女性スタッフのSさん(彼女も高校時代は山岳部だった)は少し遅れてついて行くことにした。 広沢田代からの急登を喘ぎながら登り、登山口から約2時間で熊沢田代ついた。 N氏は、一人の時は1時間を切るスピードでここまで来るそうだ。 日常の仕事が尾瀬国立公園の中を歩き回ることとはいえ、軽やかな足取りはさすがである。 熊沢田代の木道周辺で、植生復元のモニタリング調査ポイントなどを確認しながら一旦燧ケ岳の山頂に向かう。
11時半ごろ、燧ケ岳 俎(まないたぐら)2,346mに到着、 本当の山頂は 俎より1m高い隣の 柴安(しばやすぐら)2,356mだが、一旦下ってまた登りなおさなければならない。 これからの急こう配の沼尻への下りを考えて我ら3人はパスした。 しかし、さすが元山岳部で一番若いT君、昼食後に「ちょっと行ってきます。」と言って隣の柴安 の山頂まで30分足らずで往復してきた。
沼尻平へのナデッ窪道は急峻な上に大小の石礫が多く、足場が不安定なため足首や膝がガクガクして参った。 コースタイムは2時間弱の下りだが、結局我ら2名は2時間40分もかかってしまった。 標高差あと、100mほどのところまで下ってきたあたりで、あまり遅いので「今どの辺ですか?」と先行メンバーから無線が入った。 やっと沼尻平に着いたころには、既に現地踏査は終わっており、みんな木道に腰を下ろして我々の到着を待っていた。
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〈御池の駐車場脇に建つ御池ロッジ。 まるでホテルのような立派なしせつである。御池には何度も来たが、ここに泊まるのははじめてである。〉
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〈御池の登山口から燧ケ岳へ向かう。〉
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〈1時間近く急坂を登りつめると広沢田代の湿原に着く。〉
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〈広沢田代はワタスゲの群落がきれいだった。〉
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〈熊沢田代。尾瀬ヶ原や尾瀬沼・大江湿原などと違って登山者はほとんどいない。〉
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〈熊沢田代の上部はかなり傾斜のある湿原。ここでの調査ポイントを確認。〉
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〈熊沢田代を出発すると再び急な登りとなる。山頂直下付近にはまだ雪渓が残っている。〉
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〈燧ケ岳 俎2,346mから尾瀬沼を見下ろす。〉
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〈所々に咲く白山シャクナゲを見ながら沼尻へと下る。〉
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〈ようやく沼尻に到着。膝がガクガクして力が入らない。〉
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〈沼山峠からの木道と合流。大江湿原のニッコウキスゲ群落の中を行く。〉
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〈御池を出発して約9時間。今日のゴール尾瀬沼ヒュッテに到着。〉