2021年4月23日(金) 新潟県長岡市の旧三国街道沿いの発行・醸造の町摂田屋に、国の登録有形文化財になっている機那サフラン酒本舗がある。 かつて養命酒と人気を二分するほどの薬用酒であったが、現在は母屋、土蔵、庭園などが長岡市に寄贈され、文化財として市が保存管理している。 特筆すべきは、地元の左官職人が大正末期に製作した土蔵の鏝絵である。 現在保存修復工事が終わって一般公開されている。 今は母屋の保存修復工事が行われている。 庭園部分はこれからとなるが、先月当社で修復設計を受注したので、改めて現地を見に行った。庭園は巨石、奇岩、巨大な灯篭、大きな楕円形のコンクリート池など、いわゆる日本古来の伝統的庭園形式ではなく、施主が趣味で集めた素材を自らの手で作庭した庭のようだ。 一時期、一世を風靡して富を築いた創始者の思いが詰まった鏝絵蔵や庭園は、その時代を偲ぶ歴史文化であることには違いない。 摂田屋周辺は今でも著名な酒蔵や醤油蔵が立地している発行と醸造の町である。 この地域の歴史文化や醸造産業を活かしたまちづくりの拠点として、この施設の有効活用が期待されている。
〈正面から見た母屋と鏝絵蔵〉
〈往時の古い看板がかかる母屋の玄関〉
〈鏝絵蔵1F扉の鏝絵〉
〈2Fの扉の鏝絵〉
〈玄関の左方向の庭園入り口近くにあるでかい春日灯篭〉
〈いろいろな種類の大きな石灯篭が多い〉
〈浅間石で積まれた岩穴のある石組み〉