怒られながらも物置からキッタない音楽雑誌が少しずつ出土してるんですが「本の虫」(ダニ?)だらけで、なんとなく体が痒い~
『音楽の友』昭和37年3月号にショスタコーヴィチ交響曲第12番の初演時の写真が載っていました。
記事としては、「スターリンは間違っていた」と題して
『ソ連最高の作曲家ドミトリ・ショスタコーヴィッチは、昨年十月、交響曲十一番につづいて、新作第十二番を発表した。これは一九一七年の革命をテーマにして、レーニンの思い出に捧げられている。エフゲニー・ムラヴィンスキーのタクトにより、レニングラード・フィルハーモニーの演奏で初演されたが、圧倒的な成功をおさめた。
新年には、ながいあいだ闇に葬られていた交響曲第四番が日の目をみて、これも絶賛をあびた。これは、一九三六年、ショスタコーヴィッチのオペラ「ムツェンスクのマクベス夫人」とバレエ「清い流れ」が、スターリンの「社会主義レアリズム」を守らなかったと弾がいされたとき、リハーサル中に批判されたため、演奏が中止された交響曲である。
このところ、ショスタコーヴィッチは、新作第十二番と第四番の復活がともに好評で、非常についている。最近、第十二番がレニングラードで初演されたときの写真が入手できたので、読者のみなさまにご紹介しよう。』(原文のまま)
。。。この頃、ショスタコーヴィチはツイてたんですね。このときのライブをもっと真剣に聴いて開運じゃ~!(Venezia CDVE04405)
ちなみにこの時の録音は日本ではラジオ関東の独占で1962年1月29日に初放送されたそうです。聴かれた方いらっしゃいますかー?
(2月にABC交響楽団によって日本初演されることになっていたが予定の指揮者が帰国してしまい中止されたため貴重な放送になった)
1961年10月1日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール。
1. モーツァルト 交響曲第39番
2. ショスタコーヴィチ 交響曲第12番世界初演
3. ワーグナー タンホイザー序曲
蛸村、仲いいですね!
(追記)12番はやはり失敗作だったんですかね?
『作曲家 人と作品 ショスタコーヴィチ』千葉潤 著、音楽之友社、142ページによると
「ショスタコーヴィチは、折に触れてレーニンに捧げる作品計画を発表してきたが、これまではたんなる口約束以上のものではなかった。それが、彼が共産党員に選ばれた年にようやく実現をみたことで、鳴り物入りで宣伝され、周囲の期待はおおいに高まった。ところが蓋を開けてみると、音楽にはまるで創造的な覇気が感じられず、描写的な部分ばかりが突出した、見苦しい失敗作だった。けっきょく、この作品はレーニン賞の候補に挙げられることもなく、すぐに演奏レパートリーから消えていった。」
(さらに追記)とても失敗作だとは思えない。(↓なんかすごい。。けど明らかに初演時の録音ではありませんよね)