プッチーニのオペラ「蝶々夫人」って1955年に日伊合作の映画になっているんですね。
配役は蝶々夫人(八千草薫)、スズキ(田中路子)、五郎(高木清)、坊主(小杉義男)、ヤマドリ(中村哲)、ピンカートン(二コーラ・フィラクリデ)、シャープレス(フェルディナンド・リドンニ)ということで、是非見てみたいです。
↓その映画の宣伝用イラスト(国際文化画報1955年3月号より)
↓ピンカートンの野郎~っ!
ところでこの蝶々さんには日本の歌が結構出て来ますが、音楽学者の田辺尚雄氏(1883-1984)がプッチーニに日本の曲の楽譜を送ってあげていたんですね。
プッチーニは「蝶々夫人」を書いたあとで、日本を素材にしたものをもう一曲作ろうと思ったので、資料として日本的な特色のある楽譜を送ってほしいと田辺氏に再び依頼してきたそうです。
田辺氏はいろいろ取り揃えて送ったが届いたという返事はプッチーニからなかったそうです。
ちょうどこの頃第一次世界大戦にあたっていたので検閲にひっかかり、開いてみたら見慣れない楽譜が出て来たので、これは怪しいと弾いてみると、まるっきり聞いたことのないような不思議な音がしたので、てっきり暗号ということで没収されてしまったのだろうというわけなのです。(武川寛海著『続音楽史の休日』音楽之友社214-215ページ)。
もう一つ、プッチーニが日本を舞台としたオペラを作っていたとしたらまたかわいくてかわいそうな女性が出て来てたんでしょうか?実現しなくてつくづく残念です。
(追記) 田邊尚雄さんご本人によると、ちょっと事情が違うようです。→プッチーニ「蝶々夫人」に出てくる日本の歌と田邊尚雄