チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

プリマ楽器の広告から村松孝一、柳澤孝信、北爪利世(1956年)

2015-03-09 22:23:04 | 楽器

『音楽之友』1956年12月号から、プリマ楽器の木管楽器の広告です。

何気ない広告に見えますが、ここに登場する人物をWikipediaで調べると日本の音楽界に貢献した人たちばかりでした。


まず、「株式会社大橋次郎商店」は、1948年に設立され、日本製の楽器を世に広めることに貢献し、1955年頃倒産したけど1957年に設立された別会社プリマ楽器有限会社が業務を引き継いだということです。

東京の日本橋村松町17って、今の中央区東日本橋1-1-8なんですね。確かに今もこの会社がここにあります!



次に、ピッコロ・フルート製作者の村松孝一氏(1898-1960)はムラマツフルートの創始者で、日本のフルート製作の歴史に多大な貢献をされました。



さらにサックスの製作者柳澤孝信氏は1951年に楽器作りを志し「柳澤管楽器株式会社」を設立し、「ヤナギサワ」ブランドのサクソフォーンで世界的にその名を知られているそうです。梅宮辰夫ファミリーとも関係が深いんですね。



最後に写真の東京交響楽団の北爪利世(きたづめりせい、1916-2004)氏は、日本音楽界の草分け的クラリネット奏者で日本クラリネット協会名誉会長(初代会長)という、これまたすごい人。

↑ 出荷前のクラリネットを検査中の北爪氏。



。。。これだから昔の雑誌の広告は侮れません~(クラリネット製作者の小竹末広さんについては調査します)


箏曲家・宮城道雄、アイザック・スターンと共演(1953年)

2015-03-08 22:00:16 | 日本の音楽家

小学館の新学習図鑑シリーズ26「音楽の図鑑」の表紙です。

国立ポーランド少年合唱団。昭和48年4月1日初版1刷発行。少年っぽくない人もいますね。



この図鑑の「新しい日本音楽をきずいた人びと」のページで、お琴の演奏家であり作曲家の宮城道雄(1894-1956)が紹介されています。



うしろのヴァイオリニストはアイザック・スターン(Isaac Stern, 1920-2001)ですよね。
この二人、なぜ共演することになったんでしょうか。

『音楽之友』昭和29年1月号に同じ時に撮影されたと思われる写真が載っていました。



1953年に初来日した際のレセプションで、スターンが宮城の演奏に興味を持ち、1953年10月27日のリサイタルの折「春の海」を共演したということです。

どちらの写真でも宮城さん楽しそうですね!このときの録音があれば聴いてみたいです。

 

(参考)スターンのレセプションにて。左はピアノ伴奏者のアレクサンダー・ザーキン(Alexander Zakin, 1903-1990)。『芸術新潮』1953年11月号より


女性歌手・誰の幼児時代でしょう?(1950年アサヒグラフ)

2015-03-07 22:31:02 | クイズ

『アサヒグラフ』1950年5月3日号から、クイズ「誰に成人したでしょう~幼な顔拝見」。

1950年頃に活躍されていた女性声楽家の4人ですが、おそらく誰だか正解できる人はまずいないでしょう。。。(正解は一番下)

 

1.

 

2.

 

3. 「流行歌手」です。(何か理由があってだっこしている人の顔を消したのか?ボーっと残ってる~)

 

4.

 

 

(正解)
1.大谷洌子(おおたに きよこ、1919-2012 ソプラノ)


2.長門美保(ながと みほ、1911-1994年 ソプラノ)


3.淡谷のり子(あわや のりこ、1907-1999)東洋音楽学校(現・東京音楽大学)ピアノ科に入学。


4.斎田愛子(さいだ あいこ、1910-1954 アルト)
斎田さんについて、『時事世界』1953年9月1日号からです。
「1910年カナダのバンクーバーに生まれ、音楽学校を卒業して以来、日本に来ること既に4回、その演奏回数は数千回に及んでいる。今度13年ぶりに渡米するのだが、体重17貫5百【註・換算しません】、テレビ出演を意図して、矢が上にも大きなエキスプレッションを研究するのだそうだ。写真は出発を前に、振袖を着てはしゃぐ斎田愛子さん。」


斎田さんはこの1年後に亡くなられたのですね。。


月刊朝日ソノラマ~交響曲の鑑賞一回目「未完成交響曲」(1964年)

2015-03-01 23:20:45 | メモ

『月刊朝日ソノラマ』1964年1月号を古本屋で200円で買ってきました(この趣味はマズいと自覚)。

表紙はホコリで真っ黒だけど中に挿まれている4枚の「ソノシート」は一度も再生されていない様子できわめてキレイでした。

↑ 表紙をきれいに拭きました。テーマは「みずがめ座」。



この号から、「交響曲の鑑賞」というシリーズが開始されており、記念すべき第1回はシューベルトの未完成交響曲でした。

ちなみにシリーズ2回目はベートーヴェンの運命、3回目はドヴォルザークの新世界。1回目が運命でもよさそうですけどね。

未完成交響曲の解説は用語解説を含めて3ページ。気迫が込められた特集という感想です。



ソノシートにはA面が「第1楽章提示部まで」、B面が「展開部から第2楽章まで」と印刷されていますが、第2楽章が全部入るわけないので実際どこまで収録されているのか、それと、肝心の演奏者が誰なのか(誌面にもソノシートにもまったく記載されていない。聴いてもわからないですけど)を確かめようとして、オーディオテクニカのUSBターンテーブルでこのソノシートの再生を試みました。

しかしながら、針がピョンピョン跳ねてしまってソノシートとレコード針を傷つけてしまう危険を感じ今回は残念ながら再生をソッコーあきらめました。

↑ ソノシートはスケスケのぺらぺら。繊細すぎて再生が難しい~



マトモに再生できたらまたここでレポートします!

↑ 雑誌の裏表紙はナガオカ針。「長岡精機宝石工業株式会社」だったんですね。