食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

コンプレックス

2010-04-13 06:42:29 | 日記
 14世紀初頭、、、、、


 中国の片田舎、貧農に、一人の男の子が生まれた。


 名を朱元璋という。


 彼は、両親と兄を疫病で失い、村のお寺にあずけられることになる。


 しだいに、指導者としての頭角をあらわし、やがて、元( モンゴル )を破り、明を建国するに至る。


 そして、現在の南京で即位し、朱元璋改め、洪武帝、と称した。


 彼の卓越した行政能力は、国家の税収を増大せしめ、経済的基盤を安定させることとなる。


 優れた政治を行う一方で、、、、、、、


  自分が、禿頭(はげあたま)で、かつて貧乏僧であったというコンプレックスをもっており、禿とか光、あるいは、僧の字、が目にとまると、その文章の作者を引き出し、直ちに処刑した。


  同様な狂気の粛清は、淀むことなくつづけられ、彼一代で 10万人が殺戮されたという。


  思うに、、、、、、


 このような高低差を生み出してしまう、慢性飢餓状態とでも表現すべきコンプレックス、人間にはめ込まれた自我という精神の力学に、改めて、深い感慨を禁じえない。


  、、、、、ちなみに、、、、、


 彼が定めた、1世1元制、現在、世界で採用しているのは、日本だけである。