食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

ポーランド

2009-09-22 07:08:18 | 日記
 「ショパンの曲に悲しい旋律が多い理由を知っているかい?」


 「彼が生きた時代のポーランドは、オーストリアに制覇されていたというバックグラウンドがあるからなんだ」



 現在、外務省欧州局西欧課の課長補佐で、唐沢寿明似のキャリア男が、連れの女性に、京王プラザのポールスターで語る話。。。。。




 
 近隣の列強国により、支配、分割を繰り返されられてきたヨーロッパの小国は、旅する者を濃く重い歴史の中に迷い込ませてしまう。



 ポーランドの‘京都’ クラクフは、世界遺産第一号。


 “アウシュビッツ” この名前を耳にするたび、人は哀しみを共有することはできない、と痛感させられる。



 
 オスマントルコから、ポーランドを救ったヤン3世に敬意を表し、つくられたのが、ベーグル。


 乗馬好きの彼にちなんで、馬のあぶみを模ったパン。



 

  世界一、ゆで卵を愛する国民はポーランド人。



  きっと、坂東英二さんは前世がポーランド人だったに違いない。





 

マグカップ

2009-09-21 07:26:19 | 日記
 スターバックスに入ると、瞬間、北米特有の香りが鼻をつく。


 アメリカの、空港やコンベンションセンターなどが持ち続ける、乾いた匂いが、記憶の底部から湧いてくる。。。。。




 これは感情的、文学的な表現ではなく、現実に、僕の感覚がそう特筆させるのだ



 おそらく、店内に使用されてる木材には、向こうで常用されてるニスと同類のものが塗られているからではないだろうか。



 昨夜、スタバでコーヒー豆を買った。


 ドアを開けると、仄暗がりの店内から、あの空気が流れてきた。



 マグカップでコーヒーを飲んだのは、お茶の水のスタバが最初だった。



 以来、昔、ニューオリンズで購入したマグカップを愛用し続けている。



  もう長いこと、数年洗っていない。



 カップの内側に堆積された余臭から、過ぎ去った時間が伝わってくる。

宇宙食

2009-09-17 09:35:58 | 日記
 小学校時代


 「雨の日の過ごし方」という議題で、学級会が開かれ、校庭を使えない日の遊び方が決まった。


 普段、禁止されてるポケットメイトや漫画本が持ち込み許可を得た。


 雨が降った日の教室は、ポケットメイトのニュータイプなどが顔をそろえ、生徒たちの自己主張の場へと様変わりした。



 ある小雨ぱらつく日、雨の日の範疇に入るのか微妙な日、一人の同級生が、「宇宙食」を持ってきた。


  「宇宙で食べるためのものなんだ」



 人の心を、背後からぎゅっとつかむような、鼻にかかった声が響いた。


 その瞬間、みんなの心から、競争心がこぼれ落ちた。



 数か月後、 僕は、船の科学館で開催されていた「宇宙博覧会」に行った。



 アポロ計画、月の石、人類のロマンが展示されてるパビリオンの入口に、 あの「宇宙食」が山積みされ売られていたのを記憶している。



 現在、宇宙機構が認証した「宇宙日本食」には、ラーメン、サバの味噌煮など28品目がリストに並べられている。



 30年前、口にした、あの眉つばものの「宇宙食」ともう一度再会してみたい。

なし

2009-09-16 08:47:18 | 日記
 This is a pear これは梨です



 記憶に誤りがなければ、ラジオ講座基礎英語の1ページ目にでてきた例文だと思う。



 日本人が、桜をかすみたなびく雲に見立てて、情緒を感じていたのに対し、



 中国では、梨の花を雪にたとえ、そこから限りないロマンを紡ぎだしていた。



 歌舞伎界のことを、「梨園」と呼ぶのは、唐の時代、潤沢な梨の庭園で、玄宗皇帝が、役者に芝居を教えていたことに由来する。




 ビタミン、ミネラル等、栄養価に関しては、正直、他の果実類に比べ劣っている



 しかし、消化酵素が豊富に含まれているため、食後、特に肉食後のデザートとしての立ち位置を確立している。




  梨花、、、というタレントさんがいらしたが、こちらの方は季節はずれになってしまったようだ。

アラビアのロレンス

2009-09-15 07:32:34 | 日記
 ロレンス将軍のオートバイ事故死から、この壮大な物語は始まる。


 
 アカデミー賞の主要部門をほぼ独占した、この型破りな映画は、実際、第一次世界大戦時の諸国間関係がバックグラウンドにある。



 当時、ドイツと提携していたオスマン・トルコの支配に、アラブ諸国は苦しめられていた。



  そこに、イギリスが登場する。。。。。


 「アラブの人々よ。 我々と一緒にトルコと戦おう。 勝利のあかつきには、アラブ民族の自由と独立の、後ろ盾になってあげるから、、、、、」



   敢闘の末、アラブはトルコに勝利する。



   が、しかしだ、、、、、


  
 イギリスはすでに水面下でフランスと密約を交わしており、トルコに代わって、ちゃっかり両国でアラブを分割支配してしまう。



  これが世に名高いイギリスの二枚舌、三枚舌外交である。



   さて、話変わって、クロワッサン。


 「一日の始まりは、高輪メゾンカイザーのクロワッサンと、カプチーノから~」


  とおっしゃられる、有閑マダムのお好きなクロワッサン。


  フランス語で「三日月」という意味のこのパン、


  起源を遡ると、ハンガリーに攻め込んできたオスマントルコの旗印を、形どったものらしい。   確かに、トルコの国旗は三日月である。



  お米党の僕は、何年もクロワッサンを口にしていない。