食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

こんぶ

2010-01-06 07:19:35 | 日記
 我がままを言わせていただくと、


 おでんの具としての昆布は好きだが、おせち料理に顔を出す昆布は苦手だ。。。



 昆布に限らず、ノリ、ワカメ、ヒジキ等の海藻類は、古来、日本人の食生活に深く入り込んでいる。


 西洋人は、「海の雑草」 = sea weed と呼び、ゴミとして捨てていた。


 関西で、昆布だしがメジャー化するのは、江戸時代、「北前船」による大阪と北海道とを結ぶ交易が始まってから。


 北前船、の航海ルートは面白く、『大阪 → 瀬戸内海 → 下関 → 日本海 → 北海道』 。途中、北陸でも大量の海の幸を積んできた。


 現在でも昆布の産地が北で、その問屋が大阪に多いのは、この北前船による交易品であった名残、、、、、


 海藻類は、食物繊維が豊富で、ビタミン、ミネラルを多く含むため、成人病の予防に効力を発揮する。。。。。



 最近、欧米でもその栄養価が認められ、「海の野菜」 = sea vegetable と呼び名を変えてもらい、サラダなどで生食されるようになってきた。


   
 海藻類を多く摂取すると、「髪の毛が増える」、という話に、医学的な裏付けはないそうである。


  

小笠原

2010-01-05 08:01:22 | 日記
 未だに、オフサイドがきちんと理解できていない自分をして、サッカーのイロハを語る資格はないのだが、、、、、


 素人目からしても、首を傾げたくなるような人選がある。


 鹿島アントラーズ3連覇の立役者で、去年、Jリーグ最優秀選手に輝いた小笠原に関してである。


 はからずも、岡田氏が全日本の監督に就任して以来、小笠原は一度もオールジャパンに召集されていないのである。。。


 勿論、サッカーはチームプレイであり、勝つ為の策略は指揮官である監督に一任されている。


 戦場で、決断力に欠け、兵士達を血迷わせる指揮官ほど大愚はない、ことも十二分に承知している。


 しかし、小笠原は控えめな評価を下しても優秀である、と言わざるをえない。とりわけ、スタンドプレーを好みチームワークを掻き乱すような性格にも見受けられない。


 何故、岡田監督は小笠原を起用しようとしないのだろうか?


 あるいは、「一生懸命頑張っても、必ずしも成功するとは限らないんだよ」という人生の厳しさを、暗喩で、サッカー少年達に諭しているのだろうか?


 当然ながら、人事権を行使する場合、とりわけ勝負の世界において、監督個人の感情移入はご法度である。


 選手個人のキャラクター、人気等の付加価値を熟知した上で、冷静に実力から割り引いて見る必要がある。


 しかし、どうしても、前回、創価学会の会員という理由だけで、トルシエ前監督に嫌われ、全日本メンバー入りできなかった中村俊輔に、小笠原を重ねてしまう。



 勿論、さすがに論文の書けない人を教授にしてしまうような、実力のない人を監督の肝入りで全日本入りさせてしまうような、ハチャメチャな人選はないにせよ、、、、、


 スポーツの世界に身を埋めている彼らが、実力評価という生命線そのものを断ち切られたとしたら、そのモチベーションを何処に持っていけばよいのだろうか?


 昔、三島由紀夫が選考委員長をつとめていた、文学賞で、深沢七郎作「風流夢譚」 が大賞をとった。


  内容は、共産党系天皇批判であり、三島の思想とは対極に位置するものである。


  しかし、三島自身の感情ではなく、「いいものはいい。きちんとしたものはきちんとしている」という選評で、この作品に決定された。




  岡田ジャパンの最終兵器として、小笠原が直前招集されることを願っている。


 

一句

2010-01-04 07:31:07 | 日記
 時は江戸の世。


 シチュエーションが、新年の席であったのか、結婚のお披露目の席であったの

か、記憶があやふやで申し訳ないが、いずれにせよ、めでたい場でのこと。



 当代随一の俳人、「小林一茶」に、ご近所のある人が頼みに来る。


 「先生、○月○日の御めでたい席に、相応しい句を一つお願いできませんでしょ

うか ?」


  「心得ました。」 一茶は、やぶさかでなく、頼みを引き受けた。


  ー 当日 -


  「一茶翁から、お祝いの句が承れます。」


  司会者の誇らしげな紹介の後、  一茶が読んだ句は、、、、、


 
   『親が死に、子が死に、孫が死ぬ、ありがたきかな』


  参席者の表情が凍りつき、一瞬後、大騒ぎになったであろうことは、想像する

 に余りある。


  「めでたい席で、死とは何事か!!!」 「一茶は気でも狂ったか!!!」


    こんな怒号が聞こえてきそうだ。



  この句、、、 現在でも、特に師匠クラスの落語家に愛用されている秀逸の作

である。


   
  気後れせずに、こんな句を詠めるような人間に近づきたいものだ。


 
          今年もよろしくお願いいたします!