立て続けにジョーン・クロフォード主演の映画を2本観た。
「ミルドレッド・ピアース」マイケル・カーティス監督、1945年アメリカ
娘が二人いたが幼い妹の方は肺炎をこじらせあっけなく死去。姉は生まれつきわがままな性格のようでどんどんエスカレートしていく。母の愛は盲目だ。一人残った娘のためにいくらでもお金をつぎ込む。亭主とは常にお金のことで揉めていた。富豪の愛人がいたこともあり亭主はあっさり家を出た。普通もっと揉めると思うけどな・・・
生活のためにウェートレスを始め思わぬ才能を発揮して自分の店を持つまでに。短期間に数店舗構えるチェーン店にした。そんなとんとん拍子に行くかしら?・・・
娘は母の恋人と過ごすうちに良い仲になり最後にはとんでもないことに・・・
母親はいずこも同じ。自分を犠牲にすることなど痛くも辛くもないのだ。しかし、この娘には呆れてものが言えない。お金のために妊娠騒ぎを起こし示談に持ち込むなんて、正真正銘の悪人だ。最後にはちゃんと罰が下る。
「大砂塵」(原題「ジョニー・ギター」)ニコラス・レイ監督1954年アメリカ 共演スターリング・ヘイドン、マーセデス・マッケンブリッジ
男勝りの女、ヴィエンナ。失恋の果てこの地で酒場を経営。しかし、対立する地元の女史、エマ(マーセデス・マッケンブリッジ)に出て行けと追い立てられる。
このマーセデス・マッケンブリッジは「ジャイアンツ」(J・ディーン主役)にも出ていましたね。
あと、トリビア情報ではハスキーボイスを生かしあの「エクソシスト」の悪魔の声の吹き替えをやって話題になったそうです。
トム(ジョン・キャラダイン)が彼女を守るために撃たれて死ぬところ。この場面泣かせる
エンディングでペギー・リーが唄うジョニー・ギターはあまりにも有名。哀愁漂う名曲です。
しかし、オリジナルタイトルになっているジョニー(ヴィエンナの恋人)の影がもう一つ薄い。ギターもほとんど弾く場面ないし・・・
もう一人の主役エマ(マーセデス・マッケンブリッジ)の存在感はすごい。そして執念。初めは追い出す目的のはずが泥沼状態に。後半では執拗にヴィエンナを殺そうとする。三角関係のもつれは怖い。殺人もいとわない。西部劇では簡単に人を殺しますね。まあ、日本のチャンバラ劇でもすぐ人を斬りますが。
エマが酒場のシャンデリアめがけて撃ち落とすシーンは圧巻。火がメラメラと燃え上がるのを見て、狂った形相で喜ぶエマの顔が恐ろしい~!もうこの時は正気じゃないと思います。
女同士の戦いはあえなく終わりを告げ、ジョニー・ギターとヴィエンナは滝の前で熱い抱擁と接吻を交わすのでありました。おしまい
(写真はすべてネット借用させていただきました)