千葉の松戸から柏へと続く革物語

【Handmade Leatherwork Akashi】

生皮との格闘

2021-01-27 09:00:52 | 皮革材料
皆さんは【生皮】というのをご存じ
でしょうか
一般的には豚の生皮が有名ですね。
(和太鼓等に使われています。)

豚の生皮



ここで問題です
生皮は『革』とは表記されず『皮』と
なります。
何故でしょうか

『皮』は鞣しを施して『革』という字に
変化しますね。
因みにですが、『鞣』と言う字は
革を柔らかくするという所から
できています。

では、【生皮】はというと・・・
日本皮革産業さんで調べてみると

原皮を石灰漬けなどにより脱毛し
さらに油脂やほかの薬剤で処理し
現在の鞣しの定義としての鞣し剤を
用いた鞣しを行わない皮。 とあります。

つまり、【革】に変わる手前で終わりに
しているのでまだ【皮】なんですね。
先述したように『革』が『柔らかい』=『鞣』
この『鞣し工程』をしていないので
『皮』のままなんですね。



前置きが長くなりましたが本題です
この生皮はとても硬く販売されている
状態は形状記憶皮です。

こんな感じで丸まっていて力一杯
広げても丸まる力に負けます。
丸まる事に生き甲斐を感じてます

なので、生皮で何かを作る時は
この丸まりを取らなければ使えません。

形成する方法は水やぬるま湯で『戻す』
という事をします。
戻し過ぎると白くふやけてしまい硬く
なるまで時間がかかってしまいます。

私の場合ですが、ぬるま湯で5~6分
程度です。

適当な容器がなかったのでトコノールの
空きボトルで
半分ずつ戻しても問題ないので
こんな不格好でも大丈夫です。

しかし、ここからが問題です
革は、その全てが円筒の形をしています。
円筒の形を開いて無理矢理平らにした
物が革になります。
なので、水を入れて乾かしたり
熱を入れたりすると自然の法則として
繊維の方向に歪んだり、丸まろうと
する力が発生します。
完全に乾くまでの間、これが
繰り返されるので注意が必要です。




戻したばかりの状態はこんな風に
白っぽくなり柔らかいです。
(鳥皮みたいです。)




硬くなってくると黄色ぽくなります。

半乾きの頃から丸まる力が出てくるので
重りを置いたり、プレスしたりして
状態を見ながら平らをキープします。
ウエットフォーミングをしたいのなら
この状態の時に固定します。

固まったらまた、バリバリの状態に
戻るので自分が作りたい物に合わせて
どの位の乾きの時がいいのかを
見極めると作業がしやすいと思います。


私は今回、平らに固めてから硬い皮を切る
方法を選んだので歪まず、平らにする事
だけを考えて戻しました。


格闘の末

スケルトンブレスレットの完成です
生皮は戻しから乾燥までが時間が
掛かりますが、色々な可能性があって
改めて面白いなぁ~って思いました












minne ギャラリー
↓   ↓
【minne ギャラリー】








ぺスドクさんの世界
↓   ↓
【ぺスドクさんの世界】







ホームページ
↓   ↓
Handmade Leatherwork Akashi





住所   千葉県柏市南柏1-2-6 
     南柏ビル 605
TEL    0471-43-9998
定休日  不定休
営業時間 AM 11:00~PM 20:00
メール   tkhs3150@pd6.so-net.ne.jp


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 続・レザーブレスレット | トップ | 床革との格闘 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

皮革材料」カテゴリの最新記事