横浜から北海道の山村に移り住んだ、我が家のつぶやき

北海道追分に移り住み5年。今度は追分から恵庭へ。毎日が新鮮で愉しい事だらけ。そんな生活を気まぐれにおしゃべりしています。

老後の選択肢

2014年12月23日 21時01分32秒 | 仕事

“おはようございます。”とAさんが一番に食堂に来る。

みんなの湯呑みにお茶を注いでテーブルに置いていく。

89歳、毎晩晩酌を欠かさず、雪降るこの時期、外に出られない時は廊下を何往復もせっせせっせと歩き、ロビーにある自転車こぎもせっせせっせとこいでいる。

“正月を迎える事だし美容院に行って来るわ。” 

“きれいになって帰るのを楽しみにしてるね。”

“いつもきれいでしょ。”と笑顔を見せる。

“来年は90になっちゃう。やだね~”

とてもとても90には見えない達者なAさん。

老人クラブの旅行、集まりにもせっせせっせと参加。

夕飯のおかずは半分残しタッパーに詰め、部屋で飲む晩酌用の肴に持っていく。

いつもニコニコ。

達者のお年寄りは怠けることをしない。

暇で~と言いながら、暇ではない。

管理人をしている76歳のBさん。

冗談を連発し女性陣を笑わせている。

この方も老人クラブ3箇所に入り、今日はあそこ、明日はむこうと急がしく出掛けていく。

朝5時には下宿屋の廊下、食堂、トイレなど掃除を終わらせている。

掃除はとっても丁寧。

もう一人の管理人、73歳のCさん。

いつもいつもにこにこ。

Cさんが居るだけでほかほかの空気が流れる。

仕事を終え帰る時は、

“気をつけて帰れよ。”。

とっても優しいんだ。

奥さんを癌で亡くし、息子さん夫婦と暮らしていたんだけど、ある日お嫁さんと喧嘩し家を飛び出しここに入居したと言う。

“たまに寂しいなあ~と思う事もあるけど気楽でいいわ。”と笑っている。

夫婦で入居している一組以外は、皆、つれ合いに先立たれたひとり住まい。

わいわいがやがや賑やかな食事風景。

ヘルパーで入っている50代の女性は、

“ここで働くまでこういう所があるなんて知らなかった。旦那はいないし、私も年を取ったらここに入ろうかな。3食食事付きで、お風呂は沸かしてくれるし、自由だし、干渉はされないし、必要となれば介護も受けられるし”と話す。

私もあるのは知っていたけど詳しい事は知らず、実際に賄いとして働いてみると、

いいかも

と思える。

入居者もここで働く管理人さんも高齢者の域だろうが、ここでは皆、互いを思いやりながら可笑しく楽しく暮らしている。

年をとってからの生活の場所。

選択肢が増えた。

 

 

 

 

 

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿