山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

深まる山の春

2024年04月13日 | 山菜採り

 本日は、N川探訪の3回目である。

 天候も、『寒』よりも『温』が明らかに優勢になってきたから、山菜の成長が楽しみだ。

 今回も、同行者はT氏。

 集合場所は同じだが、時刻を15分早めた。

 と言うのも、日の出がどんどん早くなってきているから。

 毎日、大体1分から2分ずつ早くなってきて、今は午前5時10分を切っている。

 朝仕事の山菜採りは、明るくなってから、そして、暑くなる前がいい。

 したがって、この時期は、活動の開始も日の出時刻に合わせて早めていくべきなのだ。

 寝不足にさえ気を付ければ、これに越したことはない。

 探索コースの基本線は、前回と同じ。

 ただ、山菜の生育状況に応じてオプションコースが加わるかもしれない。

 さて、準備が出来て山に入ると。

       ワサビが旬を迎えています

       もちろん戴きます

       お爺さんは川へ洗濯に

       マタギも洗濯しました

 だって、

       本当に見渡す限りの花盛りなんですよ

 そして、前回見付けることができなかった

       ヤブツバキ(?)や

       エンレイソウ

       スミレも咲き始めました

 さらに、

       カタクリも

       花盛りになっていました

 朝仕事なので、残念ながら花は開いていませんが、日が当たり始めると花を開き、ヒメギフチョウなんかが遊びに来るんじゃないかな。

 広場に降り立つと、

       コゴミです

 「初物ださげな。」

T氏が採ります。

 マタギは、

       アイコ(ミヤマイラクサ)を

 初物なので少々。

 それから、

       背を伸ばしてきたフキノトウも少々

       好評売り出し中のアサツキも少々

 そんで、

       川面に朝日が差し始めたころに終了

       川辺にスイセンが咲き始めていました

 帰り道、

       おや? 君の名は?

       シドケ(モミジガサ)ですね

 写真は撮ってこなかったけれど、タラノメも盛りを迎えそうな雰囲気。

 「おもへっけやあ。」

「また、来週な。A氏も来れっといいなあ。」

「じゃあ、また連絡すっさげな。」

 ・・・実は、例年のこの時期同行しているA氏が、諸般の事情により休んでいる。

 来週は同行できるといいなあ。

 何はともあれ、季節の神様、山の神様、本日はありがとうございました。

 この次も、よろしくお願いいたします。


N川山菜交流広場

2024年04月06日 | 山菜採り

 「ごめんごめん。前の車、ずっとのんびりしていて遅くなった。」

「いい、いい。トラックは、前にいても後ろにいても楽んねさげな。」

 集合の予定時刻に遅れてしまった。先週と同じ時間設定で出発したのだが、甘かった。

 この反省は次回に生かします。

 さて、久しぶりにT氏と二人で山菜採りだ。

 こと山遊びに関しては、T氏との付き合いが一番長い。

 もう、かれこれ40年にもなる。

 二人の紡いできたエピソードも数限りなくあるのだが、このところは、

『無理なく、歳相応に楽しむ』

が、暗黙の合言葉といったところか。

 お互いに、無理はできない年齢。

でも、山遊びはしたいし、収穫もほしい。

 そうなると、ここまで築いてきた経験値が、とても大切になる。

 この辺の判断基準は、奥深いものがあるので、今回は割愛するが、今回は、本日・N川の某地点で一致したのだ。

 ここは、我々が長年収獲を楽しんできている、謂わば、山菜交流広場なのだ。

 本日のターゲットは、ワサビとフキノトウがメインになる。

 ただ、この時期というか、これまでの気候を振り返ると、量を求めるのは無理。

 それよりも、どんな風に季節が進んでいるかを確認しあうことの方が大事になる。

 その辺は、しゃべらなくても、お互いに分かっている。

 身支度を整えて出発。あとは、阿吽の呼吸となる。

       前回、全く見られなかったカタクリ

 やっぱり、短期間のうちに季節が進んでいる。

       ワサビも大分花を咲かせている

 マタギは、前回、それなりに戴いているので、ちょっとでいい。でも、T氏は違うよね。

       根こそぎ掘らなくっちゃあ

       川岸に運び、お洗濯

       きれいになったら袋詰めしてリュックへ

 「何袋になったの?」

「ん~と、これで6袋目か。」

「随分採ったにゃあ。」

「初物ださげの。」

 様子見にしては多すぎなのだが、これで、乱獲かというと、そうではない。

 ワサビを収穫する場合、『育成』という視点がないと根絶やしになってしまう。

 その方法は、大きく分けて二つあると思うのだが、我々の場合は、『間引き』という考え方で収穫している。

 畑の作物と同じ考え方だ。

 要するに、場所と栄養と日光の取り合いにならない程度に隙間を空けるということ。

 この考え方で、20年以上環境が保たれているのだから、問題はあるまい。

 もう一つの方法は、花芽だけを摘むというやり方。

 こちらにもメリットはあるのだが、どちらかと言うと、前者の方が、自然な生育にとって素直な気がしている。

 マタギも収穫しますが、根が中心。

       茎の太いものは、

       根も太いのだ

 さて、続いては、フキノトウとアサツキになります。

 我が家では、どちらも大人気で、前回の収穫分があっという間になくなりそうなので、追加の収穫です。

 しかし、

       ライバルがいるみたい

 根こそぎ掘り起こして食べられています。

       こちらは、今朝の跡みたいです

       足跡をよく見ると

       イノシシちゃんですね

 お互いに、採りつくしてしまわないように収穫しましょうね。

       美味しそうなものを間引きます(茎も採ったんだけど写真忘れた)

 そして、こちらは、

       アサツキが好きな方もいらっしゃるのね

       マタギもほどほどに戴きます

 この地では、動物たちとの共存共栄が必要なようです。

 「コゴミやタラノメには、あと2週間ぐらいかかるかな。」

「んだな。まず、来週は、来ねんねべや。」

「うん。天気次第だけどな。」

「また、連絡すっさげな。」

「こっちも日程見てみる。」

「そん時は、上流も見てみっでやあ。」

「んだなあ。どうなってっかな。」

 本日は、前回の探訪からわずか5日間だったが、季節の変化を実感することができた。

 また広場への再訪を確認しあい、T氏と別れた。

 ああ~、楽しかったよ。

 そして、山の神様、本日もありがとうございました。


ありがとう山の神様 今年もよろしく!

2024年04月01日 | 山菜採り

 明日は、3月最後の休日。

 ここにきて、ようやく気温も季節相応なレベルに落ち着いてきた感じ。

 いよいよ、山遊びの開始かなと思って天気予報を見た。

 しかし、午前中の降水確率70%だと。

 ずぶ濡れじゃん。

 これは年寄りには堪えるのお。どうしたものか。

 あらためて、気象庁の解説文を読むと、「・・・夜明けまで雨」と書いてある。

 ということは、夜が明けてから山菜採りを始めればいいということだ。

 他の情報も集めてみたんだけど、ほぼ間違いなさそうだ。

 はい、出掛けましょう!

 夜明け後に活動開始できるように出発時間を設定して就寝。

 そして、翌朝、予定通りに出発。

 暗闇の中を進むにつれて雨脚が強くなり、峠付近ではワイパーが効かないほどの土砂降りになった。

 しかしだ、日の出時刻を迎えた途端に雨脚が弱まり、目的地のN川に着いた時には、すっかり止んでくれた。

 恐るべしというよりも、先ずは、ありがたしでしょうな。

 気象庁さん、そして、天気の神様ありがとう!

       増水気味の川

 これは、今しがたまでの降雨と、上流からの雪代水が合わさったものだと思うが、この程度の増水は想定内。

 川沿いを進む。

       河川敷にネコヤナギが出ている

       先ほどまでの雨で濡れてるね

 足元はというと、

       キクザキイチゲは咲き始めてますね

       アオムラサキの花もちらほら

       ネコノメソウはいつ見ても可愛いね

 山菜の方はどうでしょう。

       コゴミはまだまだ土の中

       フキノトウは、「採って!」と言わんばかり

       20個ほど戴きました

 一番気になるワサビはどうでしょう。

       日当たりの良い所では花が咲き始めてました

 根の太そうな株を選んで、少しだけ戴きました。

 うん、今年の3月の気候の割には、予想以上に季節が進んでいる感じですね。

 これは、次回以降が楽しみですよ。

 さて、下流部の河川敷も見ておきますか。

       花の育ちが少し早いみたい

       タラノメに緑色が差してきています

 そして、

       アサツキは十分に育っていますよ

       一株だけ掘ったんだけど、多すぎたみたい

 ああ~、面白かった!

 収穫は、予定通り(アサツキがちょっと・・・)。

 だけど、それ以上に、今年もこの春という季節の中に身を投じることができていることが嬉しい。

 天気の神様、山の神様、ついでに気象庁様、ありがとう。

 今年もよろしくお願いいたします!


紅葉狩りの季節は実りの季節

2023年10月26日 | 山菜採り

 キノコ山への道が閉鎖されてしまった。

 こうなってしまうと山遊びの楽しみが半減する。と言うか、選択肢がなくなってしまうのだ。

 本日はお休みなので、本来ならばキノコ採りを楽しむところなのだが、行くところがない。

 キノコ山は勿論なのだが、先日ブナカノコを戴いたK川も次のキノコ収穫には少々早い。O川もダメそうだし、M川はちょっと博打みたいになるから気が進まない。そもそもキノコの発生が遅れているから、まだどこもパッとした収穫ができそうな気がしないのだ。

 で、考えた結果、近場の山に紅葉狩りを兼ねて木の実の様子見に出かけることにした。

 今年は、秋の初めにちょっと出かけたきり、全然行けていないので、こういう時こそチャンスと言ってよいだろう。そう、紅葉狩りの季節とは、実りの季節でもあるのだから。

 朝方、雨が降ったので、雨雲が去ったことを確認してからのんびりと出かけてみた。

 目的地に着いたのは、午前9時過ぎ。

       なかなか美しいではないか!

       雨上がりで、木の葉もまだ濡れている

 雨に洗われた景色は、

       遠景も

       近景も

 爽やかに輝いている。この景色を見ただけで、訪れた甲斐があったってもんよ。

 ただし欲タガリは、勿論、このまま帰ったりしません。

 藪に潜り込みます。

       藪の中から見上げる空も美しい

 しかし、それよりも惹かれるのは、

       君たちです

       サルナシが、あっちにも

       こっちにも実っています

 今年、山の木の実は、アケビと山ブドウは壊滅的な不作。栗は、クマさんに譲ることにしたので、このサルナシが今シーズン唯一で、しかも初収獲になります。喜んで戴きましょう!

       本日いただいた分

 これだけ戴けば十分です。ついで(?)に、美しい景色と美味しい空気が味わえたので、もう満足です。

 山の神様、本日もありがとうございました。

 

 ここからは、記録情報になります。戴いてきたサルナシは、完熟が1/5ぐらいなので、熟成を待って戴くことにしました(遅れてます)。

 それから、山の紅葉を去年の画像と見比べてみると、今年の方が緑が濃い(紅葉の進みが遅い)ですね。

 この山でも、昨日、初冠雪が観測されました。秋が深まるのと、冬に包まれるのと、どっちが先になるか、微妙なところです。

 できれば、もう少し秋を楽しみたいなあ。


山の神からのご褒美

2023年09月26日 | 山菜採り

 本日は、久しぶりの山遊び。

 数えてみたら、約20日ほど山遊びの間隔が空いてしまっていた。

 9月のこの時期に、こんなに間隔が空いてしまった年は、記憶にない。

 理由の一つは、忙しさ

 確かに、休みの度に、法事があったり、工事が入ったり、審判業務があったりと忙しかったのは事実だ。

 しかし、今年の9月が、史上最高に忙しかったとは思えない。

 振り返ってみると、今年以上に忙しかった年は、たくさんある。それでも何とか工面をして山に出かけてきたはずだ。

 つまり、忙しさ以上の理由があるということ。

 それは、自分自身の気持ちだ。

 出かけても無駄

 そういう思いが強くて、山に足が向かなかったというのが正直なところ。

 今年の天候では、秋の山菜は、成長どころか発生すらできないでしょう。

 収穫できないのなら別のことをやりましょう。

 そんな気持ちが勝ってしまい、足が遠のいていました。

 でも、今日は楽しみで仕方ありません。

 ようやく秋が訪れた山で、どんな出会いがあるのか。今まで我慢してきたことへのご褒美は何か。早速、出かけて確かめてきたいと思います。

 

 本日もA氏と同行することになった。目的地はK川だ。

 例によって夜明け時刻に到着。身支度開始。久しぶりに肌を刺す山の冷気。この季節が来るのを待っていたんだよね。さあ、この寒さに刺激されて、自然界は、どんな風に変化しているのでしょうか。

 通り慣れた踏み跡なのだが、まだまだ藪が覆いかぶさっている。沢を渡って暫く歩くと、

       センボンイチメガサの群生

 あいかわらず見事だ。しかし、発生から数日経過したのだろう。残念ながら、少々老け気味。とるのは写真だけにしておきます。

       なぜか今頃になってチチタケ

 前回は、全く気配がなかった森ですが、今回は、だいぶ変化しています。曲がりなりにも、キノコが出ているじゃないの。

       倒木の様子見をするA氏

 しかしですなあ、マイタケをはじめとする秋のキノコは、殆ど生えていません。

 気温が下がってきたとは言っても、訪れるのがちょっと早すぎたかもしれません。

 路線変更です。

       ミズコブが成熟しているから

       こちらを戴くことにしましょう

       いいワサビですね

       掘ってみたら、意外と根が短い

 それでは、もう少し。

       こちらは太くて長い

 ワサビ根の良し悪しは、普通は、茎の太さと数で判断するのですが、何と言っても自然が相手。それだけでは、決まりません。地面の下の環境にも、大きく影響を受けるので、掘り出してみるまで分からないんです。根っこを十分に伸ばせる環境が必要なんです。

 例によって、根だけ戴いて株は元の地面に植え直します。

 キノコの収穫はなかったけれど、季節が進んでいることは実感できました。

 それに、やっぱりいい水、いい空気。おかげ様で、いい汗をかくことができました。

 これが山の神様からのご褒美ですね。

 本日は、これで十分です。

 「明日、別の川に様子見に行ってみる。その結果で、次にどうするか決めよう。」

「了解!」

 次への楽しみも広がりました。

       ご神木に朝日が当たり始めた

 本日も、楽しいひと時をありがとうございました。

 また遊びに来ますので、よろしくお願いいたします。